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RPA国内No.1シェア『WinActor®』を完全ガイド!資格~取り組みまで

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こんにちはKAZUNOです。

令和元年を迎え、IT市場ではAIの動きが活発化され始めてきており、RPAベンダ各社もRPA+AIを組み合わせたサービス機能の強化に力を注いでいる姿を目にする機会が増えてきました。

これまで純国産RPAとして現時点で導入顧客数約3,500社を超える圧倒的な国内No.1のシェアを誇りながらも、少し謎のベールに包まれた部分もあり、なぜか一部の利用者からは辛口の評価を頂くこともあったWinActor®。

最近では書籍の発行やメディアへの積極的な参加など少しずつ身近な存在となりつつもあり、今年は何かこれまで以上に大きな前進を遂げる年となっていきそうです。

今回は、そんな純国産RPA WinActor®の『知られざる歴史』『これからの期待』についてNTTアドバンステクノロジのみなさんからお話を伺ってまいりました。

この記事は「WinActor®とは何か?」について概要~細かなエピソードまで詰まっていますので、WinActor®って何?という方だけでなくWinActor®ユーザーの方にもオススメです。

WinActorのより詳しい基本情報はこちら↓

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会社概要

NTTアドバンステクノロジは神奈川県川崎市に本社があり、主な事業内容としてはトータルソリューション事業、セキュリティ事業、クラウド・IoT事業、AI×ロボティクス事業、グローバル事業、知的財産事業などを扱っています。

WinActor®は『AI×ロボティクス事業』の方々の手によって現在も開発・販売されています。

 

歴史

WinActor®の生まれた背景

WinActor®は、もともとはNTTアクセスサービスシステム研究所で2008年(今から約11年前)から研究開発され、NTTグループ事業各社での設備管理系の業務における困りごとを解決するためのツールとして生まれました。

当時、NTTグループ事業各社で利用されているシステムでは全国共通の業務を前提としたユーザ・インターフェースを提供しておりました。ですが、地域によっては実際の業務の進め方を考えると必ずしもそのユーザ・インターフェースが最適とは限らないという課題が有りました。例えば、建物が密集している東京と、土地が広くて建物が少ない北海道では、ケーブル等の設備における管理方法が違っており、また業務の進め方も違います。

しかし、地域ごとの業務の進め方に合わせてシステムを複数用意するのはコスト面などの理由を考えると現実的ではありませんでした。そこで、『元のシステムには手を加えずに、業務の進め方を最適な業務環境として業務従事者自らで作れる仕組みを提供したい』という思いから、社内業務の改善向けにエンド・ユーザ・コンピューティングの特徴を持つUMS(薄皮饅頭システム: Usukawa Manjyu System)という名前のツールを作り始めました。様々なプロトタイプを作っては、プログラムスキルを持たない現場の業務従事者に操作感などの意見を伺いつつ、技術の完成度を高めていきました。

ちなみに、このUMSが提供するエンド・ユーザ・コンピューティングのコンセプトは、同研究所にて1990年代から開発されていたアクセス系マネジメント支援システムMARIOS(Management support system for Access task Reengineering Innovation Objects System)を起源とします。このMARIOSは「オブジェクト指向」の開発手法を取り入れるとともに、エンド・ユーザ・コンピューティング環境を実現しており、当時Apple社を退社し、NeXT社を設立したスティーブ・ジョブズ氏が1995年に先端活用事例として日本まで見学に来たこともあったそうです。

資料参考:NTTアクセスサ-ビスシステム研究所のHP

 

NTTグループ内でもはじめは評価を得ることが難しかったUMS

2010年頃にはUMS※は完成度を高め、システムに対する冗長・単調な操作を代理実行でき、オペレータによる人為ミスの防止や負担軽減に繋げることができるようになりました。

早速NTTグループ内で本格的に提供をはじめたところ、『Excelマクロやbatファイルを組むのと何が違うのか?』といった声や『学習コストと費用対効果はどうか?』など、現在RPAを扱う多くの方々がご経験されたことのあるような手厳しいご質問を頂くようになりました。

そのような状況の中、2012年~2013年頃になるとようやく一つ目の大きな転機が訪れました。UMSが従来の設備管理系業務だけでなく、NTTグループ内の経理や総務系等の様々な業務で活用できる事がわかり、次第にNTTグループ内でも多くの人の目に触れ、業務効率化の手段の一つとしての認知されるようになりました。

※この時期から、『UMS=薄皮饅頭システム』というコードネームを卒業し、ようやくオフィシャル用の名前としてUMS=Unified Management Support Systemを使うようになりました。WinActor®のシナリオファイルの拡張子が***.ums6となっているのはこの名残です。

資料参考:NTTアクセスサ-ビスシステム研究所のHP

 

WinActor®の登場

NTTグループ内での活用状況からUMSはNTTグループ外の一般市場でも需要があるとの判断のもと、2014年からNTTアドバンステクノロジにて一般向け商品『WinActor®』として発売を開始しました。

WinActor®とは、シナリオを台本と見立て画面上を役者のように演じるシステムという意味です。しかしながら『業務改善システム』としてコンサルティング会社等に提案をしても当時は殆ど相手にされないといった状況でした。

このWinActor®に二つ目の大きな転機が訪れました。2015年頃を過ぎたあたりから『働き方改革』『RPA(Robotics Process Automation)』というキーワードが世間で注目されるようになり、そのタイミングでWinActor®も『現場改善システム』から『ユーザーフレンドリーなRPAツール』として展開し、すぐに純国産RPAの代表格の一つとして多くの人々に知られるようになっていきました。

写真:AI・業務自動化展【春】(2019 Japan IT Week 春 後期)

製品設計思想

もともと『現場改善ツール』のUMS(薄皮饅頭システム)として生まれたWinActor®でしたが、『ユーザーフレンドリー』をスローガンに掲げるようになっても、いつもそこには『技術者ではない人でも使い易いものを提供する』といった設計思想がありました。

しかしながら実際の利用者の中には『フローチャートはない方がいい』『自らコードを書ける方法も残して欲しい』といった声など、これまでは技術者ではない利用者が作れるものであったとしても、これからは運用面においては情報システム部門の担当が担うなど、現実社会におけるニーズとのギャップについて考えることが増えてきたようです。

そのため、現在NTTアドバンステクノロジでは、RPAを導入する組織全体で『更なる改善効果』『安定した運用』を視野に入れ、組織内における様々な役割の利用者がともに協力しあってRPAを使い業務改善を促進するツールとして、より幅広い役割の人たちが活用できる仕様の検討を進めています。

新たな取り組み

2つの管理統制ツール

管理統制面においては既に多様化されつつあります。現在のWinActor®はオンプレ型の『WinDirector ®』とクラウド型の『WinActor® Managed on Cloud』といった2種類の管理統制ツールをもっていることをご存知でしょうか?

基本的な機能はさほど変わりはありませんが、オンプレ型の『WinDirector®』は基幹系ネットワークなどクローズドな専用ネットワーク環境で活用しやすく、クラウド型の『WinActor® Managed on Cloud』はパブリックなネットワーク環境でシームレスな活用ができ、どちらも様々なツールとの連携や拡張ができる仕様になっていますので管理統制ツールを利用者の環境や制約条件にあわせて2種類のツールから選択できるというのも、WinActor®ならではの特徴のひとつと言えます。

『WinDirector®』※オンプレ型

    

 

『WinActor® Managed on Cloud』※クラウド型

   

AI

また、自動化サービスの提供方法においてもAIを活用した顧客のニーズにマッチした実用的なロボットが提案できる仕組みや無駄な運用コストを抑えられるように利用した分だけ課金する従量課金制の仕組みなど、日々様々な検討がなされています。

もともとNTTアドバンステクノロジは古くからAIの研究をされている企業でもあり、AI分野については得意部分でもあるため、これからの機能拡張においては期待が高まります。

そういった様々な理由から、これからのWinActor®のキーワードには『多様化と更なる効率化』といったことが大きく期待されていきそうです。

プチライブラリ・サンプルシナリオ

最近のNTTアドバンステクノロジのHPでは、少し複雑な処理でも対応できる『プチライブラリ』や、よくある業務においてプロが作成した『サンプルシナリオ』がダウンロードできるようになってきています。

まずはシナリオ作成時にこちらで確認して有効活用していくと、シナリオ作成のコツや新しい発見などもできてより作成者の成長にも繋げることが期待できます。

              

書籍・資格制度

これまでは実際にWinActor®の利用者にならないと学習を進めることが難しかった『RPA技術者検定』でしたが、今年(2019年)4月にはようやく一般向けの書籍も発売されました。

書籍:『徹底解説RPAツール WinActor導入・応用 完全ガイド』

出版:秀和システム 著者:SBモバイルサービス株式会社

                    

昨年(2018年)からは、販売代理店の方を対象としたWinActor®の研修開催と講師ができる資格としてWinActor®の認定制度』も導入されています。

WinActor® NTT-AT 認定研修

    

そのため、導入顧客数No.1のWinActor®ということもあり、今後はWinActor®研修を目にする機会も実機を体験できるような機会も増えてくることと思います。

WinActor® Ver.7(2020年6月追記)

2020年1月30日にはWinActor® Ver.7が発売開始となりました。WinActor® Ver.7は『ユーザーフレンドリー』の思想を一層進化・深化させ、初心者だけでなく上級プログラマーにも使いやすい工夫が施されています。また、これまで主なターゲットとして考えられてきたデスクトップユースだけでなく、エンタープライズユースにも対応可能な『つまずかない、つまずいても転ばない』誰もが使いやすい“次世代RPA”を追求しているのが特徴です。さらに2020年第2四半期にはWinActor® Ver.7.1のリリースが予定されています。

詳細についてはリンク先の記事をご覧ください。↓

まとめ

国内No.1のシェアを誇りながらも、RPA市場の中では独特な特徴を放つWinActor®ですが、UIの作りも含め、このような仕様になっている理由について少し理解が深まりましたでしょうか?

今回、NTTアドバンステクノロジのWinActor®に特に関わりの深い皆さんのお話を伺ってみて感じたことは、現場で働く人たち(利用者)に寄り添い続ける『NTTらしさ』を感じました。

個人的には新しい気づきとしましては大きく2点ありました。それは、これからのRPAは技術者以外の人が作れるだけではなく、技術者に対しても使い易くするといった①『組織全体を活用範囲として常に広い視野で見ている』ということ、そして②『柔軟性の高さ』です。

やはりRPAが市場で騒がれる前から研究開発されていたことと、モノづくりのプロとして市場のニーズをきちんと捉えながらも、熱い思いでオリジナルの考えを大切にしながら開発を進めている点においてプロの凄さを感じました。

これからのRPAもAIを如何に有効活用してスケールアップしていくか?といった流れになってきています。

純国産RPAのWinActor®はどのような成長をし続けていくのか?これからもみなさんと一緒に楽しみにしていきたいと思います。

              

記事掲載協力者:NTTアドバンステクノロジ(左から)竹野様、堀野様、藤間様、井上様、神田様

WinActorのサイトはこちら↓

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RPAやその他のRPAツールについて知りたい方はこちら↓

RPAエンジニアやフリーランスという働き方に興味がある方はこちら↓

 

2 COMMENTS

アバター スクリプト探究者

WinActorはVer.6まで「UMS.jar」を使用しているので、
実は未だにUMSなんですよね。
アーキテクトが変わればUMSを卒業できるかもしれません。
秋に出るVer.7に期待です。

返信する
アバター スクリプト探究者

秋に出ると書いたVer.7ですが、WinActorラウンジ2019では2020年と発表されました。
アーキテクトは変わり、見た目も変わります。
UMSが無くなるかは不明です。
当日発表された資料は、後日サイトに掲載されるようです。
参考まで。

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