2020年1月30日、WinActorの最新版であるWinActor Ver.7が販売開始となりました。
Ver.7シリーズは、WinActorのスローガンである「現場フレンドリー」の思想を一層進化・深化させ、初心者だけでなく上級プログラマーにも使いやすい工夫が施されています。また、これまで主なターゲットとして考えられてきたデスクトップユースだけでなく、エンタープライズユースにも対応可能な「つまずかない、つまずいても転ばない」誰もが使いやすい“次世代RPA”を追求しているのが特徴です。
今回はこのWinActor Ver.7で新たにできるようになったことや、2020年度第2四半期にリリース予定のWinActor Ver.7.1について見ていきます。
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目次
WinActorとは
WinActorは2010年にNTTの研究所で生まれ、2014年1月にNTTアドバンステクノロジ株式会社が販売を開始した、純国産のRPAツールです。「現場フレンドリーな業務改善を実行するパートナー」をスローガンとして掲げ、現場担当者に寄り添った使いやすさが特徴です。
人がPCで行っている作業の手順を「シナリオ」として記憶し、非ITエンジニアの現場担当者が直感的にシナリオを開発・改修することができます。PC1台から始められる手軽さもあり金融業から物流・小売業といった幅広い業界から支持され、導入社数はすでに5,000社を突破しました。(2020年5月時点)
WinActor Ver.7の特徴
UIとUXを徹底改善したことによりシナリオ開発の生産性が飛躍的に向上したこと、ソフトウェアアーキテクチャを根本から見直すことで処理速度が大幅に高速化したことなどが大きな特徴です。以下でそれぞれの特徴について見ていきます。
視認性と操作性を重視したUI
シナリオ編集画面モードでは、洗練さを追求した「メインモード」、従来版を踏襲した「クラシックモード」、長時間の作業でも目に優しい「ダークモード」の3種類から選べるようになりました。
また「ドッキングウィンドウ」により、ユーザーの好みに合わせた画面レイアウトをカスタマイズすることが可能です。
複数シナリオの同時編集が可能に。デバッグの効率性も向上
従来は1度に1つのシナリオのみ表示・編集が可能でしたが、Ver.7では複数のシナリオを同時に編集することが可能となりました。ノードやサブルーチンを他のシナリオにコピー&ペーストしたり、既存のシナリオを参考にしながらシナリオを作成することができます。
また、デバッグ関連ボタンの追加やエラー発生箇所の表示方法が改善されたことにより、デバッグの効率性が向上しました。デバッグ時にエラーが発生した場合、エラー要素が赤枠表示されたり、エラー個数が表示されます。
大幅な高速化を実現
ソフトウェアアーキテクチャをフルリメイクすることで、処理速度の大幅な高速化を実現しました。これにより従来のデスクトップユースがより快適になるだけでなく、エンタープライズにおける大規模・大量な業務を自動化する場合でも、処理時間が大幅に短縮されます。
ストーリー形式のチュートリアルで、より楽しく学べる
これまでのチュートリアルが、ストーリー形式に刷新されました。「宇院(ういん)さんと増田(ますた)先輩」という登場人物と一緒に、体験しながらシナリオ作成のための基本から実践的・応用的な操作までを学べます。
Ver.5、Ver.6シナリオとの下位互換性を担保
WinActor Ver.7は、過去バージョンであるWinActor Ver.5およびVer.6で作成したシナリオファイル(拡張子がums5またはums6)を実行することが可能です。ただし、WinActor Ver.5またはVer.6のファイルを読み込んだ後にWinActor Ver.7で保存すると、ファイルの拡張子がums7となり、WinActor Ver.5およびVer.6で読み込むことができなくなります。
今後リリース予定のWinActor Ver.7.1の特徴
2020年度第2四半期リリース予定のWinActor Ver.7.1では、より便利にシナリオが作成できる機能や、画面を正確に認識するための機能などが追加されることになっています。
変数を使用しないシナリオ作成が可能に
初心者に優しいシナリオエディタ機能(ローコードエディタ)が追加されます。変数を使わないシナリオ記述が可能となり、繰り返しや分岐といったプログラミング要素はより直感的な操作と視覚的な表現で容易に指定できるようになります。これによりプログラミングの知識や経験がない人でもシナリオ作成やメンテナンスができるため、自動化領域の拡大につながります。
テキストエディタを使ったシナリオ開発が可能に
上級プログラマー向けに、一般のテキストエディタが使用可能になります。普段使用しているテキストエディタを使ってシナリオ間の差分比較や検索、置換ができるようになります。
グローバル利用を実現する多言語対応
実行環境に応じて多言語切り替えができるようになります。日本語で開発したシナリオを多言語でもそのまま実行でき、WinActor Manager on CloudやCloud Libraryの多言語対応によってWinActorが国外でも利用可能になります。(Ver.7.1では日英のみ)
スクリーンOCR搭載による画面認識
新たにスクリーンOCRが搭載されます。これにより画面の文字列を、画像だけでなく文字として認識できるようになるため、画面をより正確に把握できるようになり、シナリオ実行時のつまずきが少なくなります。
クラウド上に監査ログが保存可能
WinActor Manager on Cloudと組み合わせることで、WinActorがシナリオを実行する際のログをクラウド上に安全に保存することが可能になります。一連の自動化処理においてWinActorがいつ何をしたかを見ることができるため、エンタープライズ用途における条件にも対応可能です。
WinActor Ver.7の価格
ノードロックライセンス(インストールしたPC本体とライセンスを1対1で紐づけるライセンス)はフル機能版、実行版共に価格が公表されています。フローティングライセンス(購入したライセンス数内で端末を限定せずにWinActorが利用できるライセンス)はオープン価格となっています。
- ノードロックライセンス フル機能版:メーカー希望小売価格 908,000円(税別)
- ノードロックライセンス 実行版:メーカー希望小売価格 248,000円(税別
新たな機能の搭載で、より広範囲の自動化が可能に
現場ユーザーの使いやすさを追求して開発されたWinActorが、WinActor Ver.7によってさらに身近なものとなりました。複数のシナリオを同時に編集できる機能は「現場フレンドリー」を掲げ、現場の声を取り入れながら機能改善を繰り返してきたWinActorならではの機能です。また、大幅な高速化により、これまで主なターゲットであったデスクトップユースだけでなく、エンタープライズユースにも対応可能となりました。
リリースが予定されているWinActor Ver.7.1では、変数を使用しないシナリオ作成が可能になる機能や監査ログをクラウド上に保存する機能などが搭載される予定です。さらに強化された機能により、自動化できる業務の範囲がこれまでよりも大幅に広がることが期待されます。
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