業務効率化実現のため、近年注目を集めているRPA。株式会社MM総研の「RPA国内利用動向調査 2020」によると、年商1000億円以上の大手企業のRPA導入率は51%という結果がでており、今後も導入する企業が増えていくことが予想されます。
一方で、RPAを導入するにあたり「さまざまな情報がありどのRPAツールを選べばいいのかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。実際、RPAツールのシェアに関しては諸説あるというのが現状です。この記事では、RPAツールのシェアでトップとされているUiPath・WinActorを比較し、シェアNo.1のツールはいったいどちらのツールなのか、それぞれの特徴を踏まえながら検証していきます!
業務改善入門ガイドを無料でDL参考:RPA国内利用動向調査2020 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
目次
RPAとは?
RPAとは「Robot Process Automation」の略で、従来人がコンピュータを使って行っていたマウス操作やキーボード操作といった業務を、自動化する技術のことです。18世紀半ば〜19世紀の産業革命以降、職人(ブルーカラー)が手作業で行なっていた業務が産業機械(ロボット)により代替され生産性が向上してきたように、現代ではRPAによる業務効率化により、人材不足解消や生産性向上につながっています。
国内シェアNo.1のRPAツールとは?
こちらでは、UiPathとWinActorについてどちらがRPAツールのシェアにおいてトップなのか、様々なデータを用いて検証していきます。
UiPath
まず初めに紹介するのは、「世界3大RPAソフト」として絶大な人気を誇るUiPathです。
UiPathは、2019年11月に株式会社アイ・ティ・アールが発行した市場調査レポート「ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2019」の国内RPA市場の売り上げシェアにおいて、2年連続で第一位を獲得しています。UiPathは、2018年度の同調査では、第2位のベンダーの約2倍のシェアを占めており、国内RPA市場では圧倒的な売り上げシェアを誇っています。
参考:ITRの調査レポートで、UiPath社がRPA市場シェア1位を2年連続で獲得ーUiPath ニュースルーム
UiPathの概要
UiPathとは、アメリカのニューヨークに本社を構えるRPAのグローバルカンパニー「UiPath社」が提供するRPAソフトの一つです。2005年にルーマニアで設立し、2017年2月に日本法人が設立されました。
RPAの著名ユーザーレビューサイトでの評価は1位を獲得しており、ユーザーからの認知度だけでなく信頼度も高いRPAツールです。日本でも「日経コンピュータ顧客満足度調査 2020-2021」のRPAソフト/サービス部門で2年連続1位を獲得し、日本国内でも圧倒的なユーザーシェア率を誇っています。
参考:「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2020-2021」の RPAソフト/サービス部門で2年連続1位を獲得
UiPathの導入企業数
UiPathは、金融機関、製造業、流通業や自治体をはじめ1500社以上に導入されています。また、株式会社MM総研が2020年1月27日に発表した市場調査レポート「RPA国内利用動向調査 2020」によると、国内で使われている主なRPAツール(17製品)のなかで、UiPathは大手企業におけるRPA浸透率が45%で、第1位を獲得しています。
大手企業を中心に導入が進んでいるRPAですが、導入してみたものの操作が難しかったり、自動化できない分野があったりとさまざまな問題によって企業内に浸透していないというケースも一部みられます。しかし、UiPathは比較的、操作が簡単であることから多くの企業が導入後も使い続けているという結果がこの調査でわかっています。
参考:RPA国内利用動向調査2020 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研
WinActor
先ほど紹介した「UiPath」は、国内RPA売上シェアNo,1であったのに対し、「WinActor」は、国内RPAソフトウェア市場の導入企業数という分野においてシェアNo1のツールです!WinActorは、2018年 IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社が発表した国内RPAソフトウェア市場シェアで第1位を獲得しました。
また、株式会社MM総研のRPA国内利用動向調査によると、社数シェアはWinActorがトップという結果になっています。
参考:RPA国内利用動向調査2020 ≪ プレスリリース | 株式会社MM総研 2018年 国内RPAソフトウェア市場シェアを発表
WinActorの概要
WinActorとは、NTTグループのICT企業・NTTアドバンステクノロジ株式会社が開発した純国産RPAツールです。NTTグループによって長い間開発、利用されてきたことから、様々な業界から支持を集め、国内シェアはRPAツールの中でトップを誇っています。
参考:RPAツール『WinActor®』 | RPA 国内シェアNo.1 「WinActor(ウィンアクター)」|NTTデータ公式サイト
WinActorの導入企業数
WinActorを導入している企業数は2020年5月の時点で5000社を突破しており、導入企業数はRPAツールの中でトップという結果になっています。WinActorは、提供を開始した2014年1月からわずか6年で多くの企業から導入され、注目を集めています。今後も業界・業種を問わず多くの企業から導入されていくことが期待されます。
参考:WinActor導入企業数が5,000社を突破しました
https://rpahack.com/winactor_preseminar
結論
UiPath・WinActor共にRPAシェア率は非常に高いツールですが、さまざまな調査結果から以下のことがわかります。
国内RPA市場売上シェア、浸透率ではUiPathが1位。
国内RPA市場における社数シェアはWinActorが1位。
どちらのツールがおすすめなのか?
こちらでは、実際どちらのツールがおすすめなのかUiPath・WinActor両者の特徴を比較していきながら解説します。
UiPathの特徴
期限なしの無料版がある
個人ユーザー、学生、教育機関、非営利団体、一定の条件を満たす小規模事業者であれば期限なしで完全無料で利用する事ができます。勉強や、個人開発レベルでUiPathを使いたいということであれば十分な機能が備わっています。実際にRPA使ってみることによって、どれくらい自動化できるのか、どんな業務に使いたいかをイメージしやすいのではないかと思います!
完全無料の学習サービス
RPAの導入を検討する際、RPA初心者の方は「本当に使いこなせるのか」というのが一番の不安なのではないでしょうか。UiPathが提供するオンライン学習サービス「UiPathアカデミー」は、RPA初心者から上級者までそれぞれに合ったコースを完全無料で学ぶことができます!
完全無料という特徴のために、RPAを使ったことがない初心者の方や、「RPAに興味があって学習してみたい」といった方でも気軽にお試しできる点が魅力的です。
参考:UiPathアカデミー
WinActorの特徴
変数の型が存在しない
必要最低限の四則演算や文字列の結合などのアクティビティが用意されていますので、プログラミング知識のない人でも開発しやすいです。最新バージョンのVer.7シリーズでは、WinActor最大の特徴である「現場フレンドリー」の思想を一層進化・深化させています。
純国産で安心の技術サポート
WinActorは、NTTグループによって長い間開発・利用されてきた実績もあり、国内導入企業数ではNo.1のRPAツールです。また、操作画面やマニュアル、サポートがすべて日本語で表記されているので、国内産にこだわりたいという方にはおすすめのRPAツールではないかと思われます。
参考:RPAツール『WinActor®』 | RPA 国内シェアNo.1 「WinActor(ウィンアクター)」|NTTデータ公式サイト
上記以外にもそれぞれのツールの良さがあるため、UiPathであれば無料版を活用してみたり、WinActorであればWinActorを取り扱う代理店に相談してみる等して比較をしてみると良いかと思います。どちらもプログラミングの知識のない方にも使いやすいツールとなっていますので(UiPathはStudioXという開発ライセンスができ、ノンプログラマーでも開発しやすくなりました)、社内に情シス部門の人がいない会社でも活用可能です。さらに詳しい特徴を知りたい方は各社ホームページからお問い合わせください。
UiPathのお問い合わせ↓
UiPath公式サイト
WinActorのお問い合わせ↓
WinActor公式サイト
評判の高いRPAツールとは?
こちらでは、シェア率では主要RPAツールには劣るものの、評判の高いRPAツールを紹介していきます。
Robo-Pat DX (ロボパットDX)
Robo-Pat DXは、株式会社FCEプロセス&テクノロジーが開発したRPAツールです。
日本国内では、UiPathとWinActorのシェア率が高いですが、Robo-Pat DXは2019年11月株式会社日本マーケティングリサーチ機構が行った調査で、「初心者でも導入が簡単だと思うRPA」「導入時のサポート満足度が高いと思うRPA」「取引先に進めたいと思うRPA」の3部門で1位を獲得し、現場での利用に特化したRPAツールとして高い評価を受けています!
Robo-Pat DX (ロボパットDX)特徴①ープログラミングや専門知識不要!
大手企業を中心に業務効率化のために導入が進んでいるRPAですが、「RPAに詳しい人がいない」、「RPA技術者へのコストをかけられない」といった課題を多くの中小企業が抱えています。Robo-Pat DXの1番の特徴は、操作が非常に簡単であるというところです!
Robo-Pat DXは現場向けに設計されたRPAツールであるため、プログラミングや専門知識がなくても使うことができ、システムに詳しくない業務部門や事務職の方でも、作成から使用まで技術者に頼らずに利用できます。導入した企業の中には、「初心者でも1人でロボットを完成できた」という声もあるくらい、初めてRPAツールを使う人でも導入しやすいという魅力があります。
Robo-Pat DX (ロボパットDX)特徴②ー充実なサポート体制が無料
Robo-Pat Dxは豊富なサポートをすべて無料で行っていることが魅力です!「すぐに実務で使えるロボを3業務作成」など、効果をすぐに実感でき、活用できるサービスがあります。また、Robo-Pat DXを活用できる人材を養成する「ロボパットマスター認定プログラム」という独自のプログラムがあり、RPAツールを初めて使う方でも専門的な知識を学ぶことができます。RPAツールを使いこなせる人材を増やすことによって、より生産性向上につながります。
その他オンラインでの個別相談やセミナーなど充実したサポートも無料で受けることができる点も魅力です。
参考:FCEプロセス&テクノロジーが手掛けるRPA「ロボパット」が、この度、日本マーケティングリサーチ機構の調査で3冠を獲得しました
Autoジョブ名人
Autoジョブ名人は、アプリケーションの開発、IT関連サービスを提供しているユーザックシステム株式会社が開発したRPAソフトの一つです。RPAツールは大企業を中心に導入が加速していますが、中小企業の導入率は大企業と比べると導入が進んでいないことがみられます。
Autoジョブ名人は、ゼネラルリサーチ株式会社が実施した調査で、「ITベンダに聞いた中小企業に進めたいRPA」の分野で1位の評価を獲得しました。また、「アフターサポートの手厚さ」「コストパフォーマンス」の分野でも1位を獲得しており、ITベンダから高い評価を得ています。RPAツールでよくある「エラーで止まる」ということを解消し、使い勝手の良いRPAツールとして、初めてRPAを使う方でも安心して操作できる点が特徴です。
Autoジョブ名人特徴①ー導入しやすい価格
Autoジョブ名人は、カスタマーサクセスプランというものがあり、RPAツールをどれくらい活用したいのかによって3つの価格体系から選択することができます。自社にあったプランを自社にあった価格で導入できるという点が魅力です!
Autoジョブ名人特徴②ー開発から運用まで完結
多くのRPAツールが開発ツールと管理ツールが別のサービスとなっている中で、開発から運用まで完結するのがAutoジョブ名人の特徴です。Autoジョブ名人はデスクトップ型のRPAツールですが、スケジュールの実行やエラー通知といった運用面の機能も標準的に実装しています。
またユーザックシステム社のシステムエンジニアが業務を分析し、どのように自動化するかを設計し、スクリプトの開発支援および稼働の立会いまで行なってくれますので、サポート体制も万全です。RPA導入後にRPA適用業務を拡大していくなかで運用面に不安のある方、充実したサポートを追求される方にはおすすめです。RPAに多くの費用を投入できない、専任の担当者を置くことが難しい中小企業には最適です。
RPAツール選びでお困りの方に
RPAを導入したいけどツールの価格がネット上に出てこなくてよくわからない。RPAツールやRPAツールを扱う代理店が多すぎて何をどこの代理店から買ったら良いかわからない。といった悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?ツール選定する軸には様々な見方があり、それらを考慮して、50種類以上のRPAツールの中から自社に合ったRPAツールを比較するのは非常に難しいです。
そのような悩みをかかえる企業の担当者様にむけて、RPA専門メディア「RPA HACK」では、専任のコンシェルジュがお客様の要望(予算、RPAツールを使う方のレベル、自動化したい業務・アプリケーション等)にあったRPAツールを複数種類選定し、それらのツールを扱う良質な代理店をマッチングする「RPA HACKミツモリ」を行っています。
マッチした会社の説明を聞き、見積を取っていただくことで短期間で効率的に比較検討が可能になります。「RPA HACKミツモリ」に問い合わせて自社にあったRPAを見つけましょう!
RPAを導入するにあたって
UiPath・WinActorをはじめ、RPAツールにはさまざまなものがあります。RPAツールを導入する際は、「とりあえず人気があるもの」「シェアが高いもの」を選ぶのではなく、RPAを導入することによって「何を解決したいのか」、「問題を解決するためにどんな機能が必要なのか」を考え、自社に合ったツールを選択する必要があります。
RPAを導入したことによって効果が最大限実感できるよう、それぞれのツールのメリットを事前に知っておくことは必要不可欠なことです。
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