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世界最高齢開発者が伝えるこれからのシニア世代の働き方(前編)

KAZUNOです。

日本人の平均寿命が伸び、世界一長寿と言われる日本人女性の平均寿命は86歳。年金の支給年齢は引き上がり、今後は70代、80代でも働き続ける世の中が訪れるかもしれません。

私達が70代、80代になったときどんな働き方ができるのか?

今回は『これからのシニア世代の働き方』についてヒントをいただくべく高齢者コミュニティ団体である『メロウ倶楽部』の副会長であり、『世界最高齢プログラマー』としても有名な若宮正子さんにお話を聞いてきました。(若宮さんのTED動画は有名なので、すでに若宮さんのエピソードをご存じの読者の方も多いのではないでしょうか?)

◆TED動画

前編は若宮さんの紹介、後編は若宮さんへのインタビューです。

 

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60歳(定年退職後)から始めた第2の人生に対する挑戦

若宮正子さんについてダイジェスト形式でご紹介します。

若宮正子さん(通称:マーチャン)は1935年(昭和10年)生まれで現在84歳。

高校卒業後すぐに三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)へ勤務され、60歳の定年を迎える直前(Windows95が出る前)にパソコンと出会い、定年後は毎日自宅で90歳になるお母さまの介護をしながら『パソコンがあると家にいながら色々な人とお話ができる』といった雑誌の記事がきっかけにパソコンを始めたそうです。

普段からお話が好きで好奇心が旺盛な若宮さんは『介護とおしゃべりを両立させたい』といった思いを実現するために、当時は高価なパソコンを買い、若宮さんの第2の人生における挑戦が始まりました。

その後、当時の老人クラブだった『エフメロウ』というコミュニティに入会され、インターネット普及とともに『メロウ倶楽部』というシニア世代の生きがいづくりを目指した全国ネットへと発展。

若宮さんが入会されたときは、新しい会員が入ると『人生、60歳を過ぎると面白くなります』というウェルカムメッセージが表示されたそうです。若宮さんはその全国ネットでの交流のおかげで、お母さまとの介護生活の中でも多くの情報とご友人に出会うことができ、現在『メロウ倶楽部』の副会長を務めています。

◆メロウ倶楽部

http://www.mellow-club.org/

Microsoft社に喜ばれTEDに出演!

若宮さんは自宅でシニア向けのパソコン教室の先生もしています。

そこでは初心者の方でもExcelをもっと楽しく学べるようにExcelと手芸を融合して、絵を描いて楽しく学ぶという教材を考えました。それがMicrosoft社のコミニティウィキというサイトで記事執筆することとなり、Microsoft社の推薦によってTED出演のお話を頂くようになりました。(当時80歳)

このアートは『Excel Art』と呼ばれ、主に日本の伝統的な模様をヒントに作られています。

Excel Artとその図案を用いたグッズ(バック)

80歳でSwiftを勉強!Apple社に絶賛される

あるとき、若宮さんは当時のスマホアプリにはシニアにとって扱いやすいものがないと感じ『シニアの気持ちはシニアである自分が一番よく理解できる』といった思いから、80歳にして初めて自らプログラミング言語『Swift』を学習しはじめ、スマホアプリを作るといった挑戦を始めました。

そして翌年の『ひな祭り』の日までに『hinadan』というパズルゲームのiPhoneアプリを開発することに成功し、そのことがCNNで取り上げられ、Apple社の主催する世界開発イベント(WWDC)のサプライズゲストとして招かれるようになりました。そこではApple社のCEO(最高経営責任者) ティム・クックにも絶賛され、ご本人とお会いするようになりました。そのとき若宮さんはシニア世代の代表となってティム・クックに直接、iPhoneアプリがシニアにとって使い辛いといった悩みや具体例を必死になってご説明されたそうです。

現在『hinadan』は英語、中国語、台湾語、韓国語など海外の多くの方に日本の文化を伝え、楽しんで頂けるように多言語化開発が進められています。こうして若宮さんは世界的にも有名人となりました。

◆iPhoneアプリ『hinadan』

 

国連に呼ばれる『日本のロックスターのような人』

2018年2月 若宮さん(当時82歳)は、国連の社会開発会議『なぜデジタルスキルは高齢者に必要なのか?』といった会議に招待されるようになりました。

背景としては、すべての国で高齢者の人口が増加しているという現状の中で高齢者のITCリテラシーの低さにおける打開策を検討していくためには若宮さんのような方の意見がとても貴重だったからだと思います。

世界人口高齢化報告書(UNDESA)によると、60歳以上の世界人口は1980年から2017年にかけて、約2倍以上の9億6,200万人に推移しており2050年には再び倍増して21億人にも達すると予測されています。

しかし多くの国の高齢者はICTリテラシーが低く、それは経済的および社会的な役割を弱める可能性もあることから、あらゆる社会の誰もがデジタル技術の習得をできるようにする必要があると国連では考えられています。

そこで若宮さんは自らの経験と考えを踏まえながら『シニア世代の心身における課題と改善策』、『現在のIT技術活用における問題点と今後の方向性』について、Excel Artをスライドテンプレートにしたプレゼン資料を作成して、国連会議の場で熱弁。当日、若宮さんは司会者から『日本のロックスターのような人』と紹介されたそうです。

インタビューの際の若宮正子さん

後編(インタビュー)へ続く

 

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