昨今、様々なメディアで「業務改善」や「働き方改革」が世間でささやかれている中で、RPAにも注目が集まっています。新型コロナウイルスの影響により、社員の安全を確保しつつ事業を継続していくためにも自動化ができるRPAが多くの企業でも推進されつつあります。
読者の方の中にもRPAに関するスキルを向上させたい、技術者としての知識を可視化したいと感じている方もいるのではないでしょうか。今回はRPAを扱う方に向けて、5大RPAツールの資格、勉強方法について紹介していきます。
目次
RPAの資格取得のメリット
ここでは、RPAの資格を取得することによってどのようなメリットがあるのかを紹介していきます。
アピールポイントが増える
RPAは大企業を中心に導入する企業が増加傾向にあります。そのため、RPAの資格は、就職活動や転職活動の際のアピールポイントとして活躍します。RPAは近年企業単位では注目されてはいますが、就活生や転職活動中の方にはまだまだ浸透しきっておらず、社会的にもRPAが開発できる人材は多くはありません。そのためRPAの資格を持っていることは、採用の判断材料としては強みになります。
またこれからRPAのフリーランスとして活躍したい方もこの資格をもっていると、それが一つの信頼に繋がり、次の案件への足がかりにもなる可能性があります。
RPAの学習に目標が出来る
RPAをはじめてみたものの、途中で挫折してしまったという方は、目標が曖昧だったことが原因かもしれません。もう一度目標をもって、その目標に沿ってRPAを勉強してみてはいかがでしょうか。多くのRPAの資格は段階的な試験となっているので、着実に進めていきたい方にはおすすめです。
5大RPAツールの資格内容と勉強方法について
RPAには有名な5大RPAツール(UiPath・WinActor・BluePrism・BizRobo!・Automation Anywhere)があります。今回は5大RPAツールに絞り、資格内容や費用、またそれらの資格を効率よく取得できる勉強方法について紹介していきます。RPAの資格によってはレベル毎に分かれているものもあるため各レベルごとに紹介していきます。
UiPath (UiPath Certified Professional)
UiPathには、UiPath Certified Professional(UCP)という資格があり、試験はAssociateとAdvancedの2種類あります。
UCP公式サイトはこちら↓
https://www.uipath.com/ja/learning/certification
Associate
AssociateではRPAを業務で扱う際の基礎的な部分やシンプルな自動化の構築が出来ることを問われます。高度なRPA開発やアーキテクトを行う過程としてのファーストステップとなります。対象は学生やRPAデベロッパーまでと幅広くなっています。
言語:英語
費用:US$150
受験方法:ピアソンVUEテストセンター又はOnVUE経由でのオンライン受験
合格基準:7割以上
Advanced
AdvancedはAssociateよりもレベルが高くなっています。Advancedは技術経験が豊富な方を対象としています。複雑なRPAの設計・開発面で専門的な知識を要する試験内容になっています。AdvancedはReFrameworkを含むRPA開発とRPAソリューションの専門知識や構築能力を測ることを目的にしています。
言語:英語
費用:US$200
受験方法:ピアソンVUEテストセンター又はOnVUE経由でのオンライン受験
合格基準:7割以上
勉強方法
UiPathアカデミー
Uipathアカデミーは、UiPath社が提供している完全無料のUiPathオンライン学習サービスです。UiPathアカデミーでは基礎から学ぶことが可能です。完全無料であること、時間と場所を問わずに、ご自身のペースで進められることが強みです。
詳細はこちら↓
https://www.uipath.com/ja/rpa/academy
Robo Runnerスクール
当社が運営している、UiPath社認定の「RoboRunnerスクール」では最短1ヶ月でUiPathがマスターできるよう、RPAエンジニアとマンツーマンで勉強していきます。1人のメンターが基礎から資格取得、コースを終えるまで伴走してサポートします。学習の悩み事やスケジュールの整理が行える週2回のオンライン面談のほか、分からない点は常時チャットでメンターに気軽に質問できるので、安心して学習いただけます。
プログラミング経験ないけど1ヶ月でUiPathができるようになれるコースはこちら↓
WinActor(RPA技術者検定)
WinActorの資格であるRPA技術者検定はNTTデータ社が運営している検定になります。検定は4段階に分かれ、入門講座・アソシエイト・エキスパート・プロフェッショナルの4つになります。4つそれぞれについて紹介していきます。
RPA技術者検定公式サイトはこちら↓
http://watest.jp/
入門講座
WinActor勉強を始めたばかりの方向けになっています。入門講座では無料講座を視聴後に受験が可能になっています。試験内容も動画内で学習した内容と類似の問題が出題されます。申し込みするにあたり、ヒューマンアカデミーの登録が必要となります。
言語:日本語
費用:無料
受験方法:オンライン
合格基準:7割以上
アソシエイト
WinActorの基礎を理解している方やシナリオ作成経験のある方を対象とした試験になります。問題数は50問でWinActorの概要10問、WinActorのシナリオに関する問題20問、WinActorの機能について20問の計50問出題されます。問題の難易度はそれほど高くなく、選択形式となっています。入門講座などを使って基盤ををしっかり整えて抑えておくことが必要となってきます。
言語:日本語
費用:6,500円
受験方法:全国のCBT試験会場
合格基準:7割以上
エキスパート
エキスパートではWinActorの実務経験があり、即座にトラブル対応ができる方を対象とした試験になっています。出題数は5問で実技試験2時間の試験になります。試験範囲は公式サイトに随時更新されています。アソシエイトと比べ試験の難易度が上がっているため、変数の理解や構築問題などをしっかり理解しておく必要があります
言語:日本語
費用:16,500円
受験方法:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇の8カ所
合格基準:8割以上
プロフェッショナル
プロフェッショナルは2020年10月時点では準備中のため、情報公開されていません。
情報が公開され次第随時更新いたします。
言語:未定
費用:未定
受験方法:未定
合格基準:未定
勉強方法
eラーニング
時間や場所の制約がない勉強方法としてe-Learningが挙げられます。e-Learningの教材としては、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下NTTデータ)による『「公式」 eラーニング教材』が販売されているほか、株式会社NTTドコモが提供する『WinActor認定研修(eラーニング)』、ヒューマンリソシア株式会社による『eラーニングコンテンツ』などが存在します。
徹底解説RPAツール WinActor導入・応用完全ガイド
SBモバイルサービス株式会社(ソフトバンクグループ)が、蓄積してきたWinActorのノウハウが詰まった一冊になっております。
詳細はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B07T2X3B4M/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
Blue Prism
Blue Prismは独自の「Blue Prism認定プログラム」を提供しており、6種類の異なる認定の取得には、それぞれ個別の試験で合格点を取る必要があります。また、6種の認定資格の他に「Blue Prismパートナー認定」というパートナー制度も存在します。Blue Prismの試験は全てのレベル共通して、Pearson Vueという運営会社が指定しているテストセンターで受験が可能です。
こちらのサイトからテストセンターの検索と試験の予約が可能です↓
https://www.pearsonvue.co.uk/blueprism
Blue Prism 認定プログラムの概要はこちら ※Blue Prism公式サイト(英語)に遷移します
ここではBlue Prismの認定資格6種(Developer/ Professional Developer/ Solution Designer/ ROM Architect/ Technical Architect/ Installation Engineer)について概要や試験形式を紹介します。
Developer(AD01)
RPA開発に必要不可欠なBluePrism開発の概念と機能への理解を問うテストです。多肢選択式問題60問で構成されており、60分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語日本語その他言語に対応
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:11,500円(税抜き)
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification Developer
Professional Developer(APD01)
Blue Prism開発者の最高レベルの認定で、Blue Prismに関する幅広い知識や経験、スキルを持ったDeveloper認定の保持者を対象としています。多肢選択式問題50問で構成されており、60分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語日本語その他言語に対応
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:11,500円(税抜き)
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification Professional Developer
Solution Designer(ASD01)
拡張可能で安全、かつ効率的なBlue Prismのプロセスソリューション設計の技術と原則への理解を問う試験です。Blue Prismを使ったRPA開発経験がある方があり、Developer認定の保持者を対象とした試験です。多肢選択式問題27問で構成されており、最初の5問はシナリオベースの長文問題で、全体の40%の配点があります。60分の制限時間があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語日本語その他言語に対応
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:11,500円(税抜き)
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification Solution Designer
ROM Architect (ARA01)(ARA02)
ver.1
Blue Prism ROMと配信の原則についての理解度を試す試験です。多肢選択式問題60問で構成されており、60分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:不明
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification ROM Architect
ver.2 (ver.1の更新版)
Blue Prism ROMと配信の原則についての理解度を試す試験です。こちらはver.1をさらにアップデートした試験内容となっております。多肢選択式問題60問で構成されており、60分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:不明
ARA01試験は2020年末で終了します。すでに ARA01 試験を予約している受験者の方は、試験を受けることができ、認定資格を取得することができます。ARA01の試験を受験を現在お考えの方は、2020年末まで試験を予約して受験することができます(これには再受験も含まれます)。本試験の更新版(ARA02)は、現在予約可能です。ご不明な点がございましたら、training@blueprism.comまでお問い合わせください。
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification ROM Architect
Technical Architect(ATA01)(ATA02)
こちらの試験は Blue Prism バージョン5.0、Blue Prism バージョン6.0どちらにも対応しており、試験名もそれぞれバージョン5.0はATA01、バージョン6.0はATA02と分かれております。試験の内容としては、テクニカル アーキテクトを対象としています。仮想化環境でのBlue Prismアーキテクチャの設計やActive Directoryの統合によるユーザーアクセスの管理など、設計に関する内容が問われます。多肢選択式問題45問で構成されており、75分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は105分)
言語:英語
合格基準:ATA01は得点率80%以上、ATA02は得点率70%以上で合格
費用:13,570円(税抜き)
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification Technical Architect
Installation Engineer(AIE01)(AIE02)
こちらの試験もBlue Prism バージョン5.0、Blue Prism バージョン6.0どちらにも対応しており、試験名もそれぞれバージョン5.0はAIE01、バージョン6.0はAIE02と分かれております。試験の内容としてはすべての Blue Prism アーキテクチャ・コンポーネントがどのようにデプロイされ、どのように使用されるべきかの理解と知識を問うものとなっております。インストレーション エンジ ニアが対象となっています。多肢選択式問題45問で構成されており、60分の時間制限があります。(英語が公用語でない国の受験者が英語で受験する場合は90分)
言語:英語
合格基準:得点率70%以上で合格
費用:11500円(税抜き)
詳細はこちら↓
Blue Prism Certification Installation Engineer
試験の詳細はこちら ※試験提供機関の公式サイト(英語)に遷移します
勉強方法
Blue Prism University
Blue Prism Universityでは時間・場所を問わずBlue Prismについて勉強できる環境がそろっております。トレーニングコースをはじめとして、学習者が参加できるコミュニティなども存在します。
詳細はこちら↓
https://www.blueprism.com/japan/university/
ハンズオン資料
実際にBlue Prismを操作ながら学習するための資料です。ハンズオン資料1、2がありますのでまずは1でBlue Prismの基本的な製品概要の理解基本的な機能配置/操作の習得してみるのはいかがでしょうか。
ハンズオン資料1
https://www.blueprism.com/japan/resources/white-papers/blue-prism-handson-1/
ハンズオン資料2
https://www.blueprism.com/japan/resources/white-papers/blue-prism-handson-2/
BizRobo! (BizRobo!検定)
BizRobo!にはBizRobo!検定があります。BizRobo!検定にはBizRobo!基礎検定とBizRobo!認定開発者検定の2種類あります。
詳細はこちら↓
https://rpa-technologies.com/academy/
BizRobo!基礎検定(DS/DA)
基礎検定は2種類ありDS/DA検定があります。DSはDesign Studioの略称でDAはDevice Automation/Desktop Automationの略称です。基礎検定(DS/DA)は初心者向けでe-learningなどの習熟度チェックとしての検定です。
言語:日本語
費用:2,200円
受験方法:オンライン受験
合格基準:7割以上
BizRobo!認定開発者検定
認定開発者検定は実際にBizRobo!で1年以上の開発者向けで作成スキルの点数によって取得できる資格が異なる検定です。中級者、上級者向けの試験内容となっております。
言語:日本語
費用:27,500円
受験方法:オンライン受験
合格基準:5割以上
勉強方法
BizRobo!ナレッジベース
BizRobo!ナレッジベースは基礎知識からエラー対処まで幅広い情報が掲載されています。ナレッジベースには逆引きガイドがあるため、探したいものを検索して簡単に見つけ出すことが出来ます。そして細かく分類分けされていることが特徴です。
詳細はこちら↓
https://knowledge.bizrobo.com/hc/ja
BizRobo!アカデミー
続いて、BizRobo!アカデミー はBizRobo!の基礎から応用まで学ぶことができます。BizRobo!の開発・運用を学べるe-learningなどが用意されているサイトとなっております。BizRobo!を初めて、使用するという方はまずはこちらのサイトがおすすめです。
詳細はこちら ↓
https://rpa-technologies.com/academy/
Automation Anywhere (Automation Anywhere Certified)
AutomationAnywhereにはAutomation Anywhere Certifiedという資格があります。資格はAdvancedとMasterの2種類あります。またAdvancedとMasterいずれも、Automation Anywhere Enterprise v11、Automation Anywhere Enterprise A 2019のいずれのバージョンにも対応しています。
詳細はこちら↓
https://university.automationanywhere.com/certification/rpa-certification/
Advanced
Advancedは2回受験可能でQ&Aが60問あり、時間は2時間となっております。Advancedでは、機能、およびアプリケーションについての問題が出題されます。Advancedでは受験者が自動化のプロセスを説明できる、ロボットが構築できることが求められると共に、Automation Anywhereをつかって、実際のビジネスと自動化の課題をどのように解決するかを説明することができることを目的としています。
費用:$50
受験方法:オンライン受験
合格基準:8割以上
またAdvanced(A2019)を受験するにあたって、以下を事前に学習しておくことが推奨されています。
Hello A2019 Bot: Getting Started with Building Bots (1 hour)
Building Resilient Bots (45 minutes)
Master
Masterは受験にAdvancedの認定資格が必要となります。MasterはAdvancedよりもさらに高度で、bot作成の実践的な能力が問われます。Masterは受験内容として、Q&Aに加え、3つのbot開発、そして面接があります。Q&Aに合格いただかないと、次のbot開発に進むことができません。Q&Aでは50問出題され、制限時間は1時間40分となっております。このQ&Aの合格基準は75%です。bot開発の試験では2週間以内に3つのbotを開発することが求められます。bot開発が終了すると続いて、面接が行われます。
Masterの試験では、例として、無人メールボックスからのメール受信とメール送信のプロセスを自動化することなどが求められます。
費用:$100
受験方法:オンライン受験
合格基準:選択問題7.5割以上
勉強方法
Automation Anywhere University
長期で勉強したい方はAutomation Anywhere Universityの無料オンライントレーニングを使って勉強する方法があります。Automation Anywhere Universityでは資格準備対策からBot開発講座などといった幅広い分野の講座が開講されているためAutomation Anywhere の知識0からでも勉強することが出来ます。
Automation Anywhere University↓
https://university.automationanywhere.com/
Automation Anywhere A2019シリーズではじめるRPA超入門
A2019の無償版(Community Edition)基本操作が解説されている書籍です。本書は機能の辞典として使用でき、有償版で使える便利な機能や、上級ユーザーがアドバイスする使用方法、用語集、参考資料リンクなども掲載しています。
詳細はこちら↓
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/20/P96910/
RPAの検定資格に挑戦してみようと考えている人へ
RPAには多種多様な資格があります。合格基準も資格によって基準が異なります。試験によっては、筆記試験だけでなく実技も問われる場合もあります。RPAを勉強しているが、中途半場に止まってしまっているという方は、まずは資格取得を一つの目標にしてみるのはいかがでしょうか。
また、各ツールには勉強方法も存在しますので、ご自身のスタイルにあった方法で勉強していくことをおすすめします。
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