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AIの進化経路と現状|今後や活用できる仕事についても解説

AIの進化経路と現状|今後や活用できる仕事についても解説

世界的に注目を集め、多様なシーンでの活用が広まるAIですが、なかには「AIの進化によって人間の仕事がなくなる」といった噂を見聞きした経験がある方も多いのではないでしょうか。

人工知能という意味を持つ特徴から万能なイメージが強く、進化によって増幅する能力の値や範囲が気になりますが、そもそもどのような過程で進化を遂げたのかについて把握している方の数は少ないのが現状です。

この記事では現在のAIに至るまでの歩みを中心に、できること・できないこと、進化による懸念について解説します。AIの進化によって人間の暮らしにどのような変化が起こりうるのか、またAIができることで人間の仕事にどのような影響をもたらすのかを本記事で押さえておきましょう。

AIの進化|これまでの歩みと冬の時代

人工知能を指すAIは、近年、スマートフォンの音声アシスタントをはじめ、製造業などで用いられるAI搭載型ロボット、さらには自動運転技術を搭載した車などさまざまなシーンで活用されています。

人間をサポートする役回りを中心として多くの業界・業種に導入されていますが、このようになるまでには紆余曲折がありましたが、その点についてフォーカスされたことはほとんどありません。

ここではまず、AIの進化過程について総務省の資料を基に解説します。どのような時代を経て現在のAIが生まれたのか詳しく見ていきましょう。

参考:総務省|(1) 第1~3次AIブームと冬の時代

【1940年代】AI考案

AIという言葉は後述する1950年代に誕生したものですが、AIの概念については1940年頃からあったと考えられています。心理学者のウォルター・ピッツ氏をはじめとした数人の有識者が、人間の神経細胞について調べていました。

脳の神経細胞を指す「ニューロン」になんらかの刺激が加わると、電気信号が生まれることに気付きます。この電気信号が一定を超えると、シナプスと呼ばれる神経を経由し、別のニューロンへと信号が伝達する動きを見つけます。

この研究結果をもとに、コンピューターで神経細胞のような働きを再現できないかと考案されたのが、現在のAIに至るまでに欠かすことのできないアルゴリズム「ニューラルネットワーク」でした。

【1950年代後半~1970年代】第1次AIブーム

1980年代には第1次AIブームが訪れます。1956年、アメリカで「機械が人間の知能のような振る舞いを実現する方法」について研究する「ダートマス会議」が開催されます。

会議では人工知能という概念が確立しつつあることに加えて、有識者を含む科学者たちにはAIという言葉が広く使われるようになります。その結果「推論」「探索」を中心とした研究開発が活発化しました。

推論

人間の思考過程を記号で表し、実行するもの

探索

目的達成に必要な手順・選択肢を調査し、最適な解決策を見つけるもの

これらに基づき研究が進んだ結果、はじめてAIという存在が誕生しました。

さまざまな研究を重ねたことでAIは誕生したものの、当時のコンピューターシステムの性能では計算能力やデータ処理能力に限界を感じるシーンが多く人間の知能をモデル化させることが難しいため、簡単なパズルを解く程度のAI技術に留まり、後述する「冬の時代」に突入しました。

参考:人工知能学会|人工知能の話題: ダートマス会議

【1980~1990年代】第2次AIブーム

各家庭にコンピューターが普及し、さらに第1次AIブームで登場したシステムの活用が増えたことで、1回目の冬の時代が終わった1980年〜1990年代には第2次AIブームが訪れます。

1984年にはコンピューターシステムに一般常識を取り込み推論させる「Cycプロジェクト」が始まります。その前の1982年には、日本でも初のAI研究プロジェクトとして「第5世代コンピューター」の研究開発が政府の後押しによって進められました。

しかし、ここでも当時のコンピューター性能の乏しさによって複雑な問題への対処ができないなどの壁が立ち塞がり、再び「冬の時代」に突入しました。

【2000年~現在】第3次AIブーム

2000年以降には、多くのデータが利用でき、さらに取り込んだデータを処理できる高速コンピューターが誕生したことで第3次AIブームが訪れます。

最近ではビッグデータの記憶・処理が簡単に行えるようにもなり、AIがデータの規則性を見つけて学習する「機械学習」が実現します。

その後、機械学習の手法のひとつである深層学習(ディープラーニング)も誕生し、撮影した画像から人間や動物を識別する能力やロボットの自立運転の最適化など、AIの活用範囲が広がりました。

AIの歩みにある「冬の時代」とは?

第1次および第2次AIブームの後には、必ず停滞期を示す「冬の時代」が訪れています。1回目の1970年代は、簡単な問題を解く能力を持つAIは誕生したものの、現実に発生するであろう課題の解決が難しいと考えられ、研究の限界に達した背景があります。

2回目の1990年代は、当時のコンピューター性能では複雑な問題を解けない欠点に加えて、取り込んだ膨大なデータ全てを手動でコンピューターに理解させなければならない点に難しさを感じたことが理由です。

このような紆余曲折からAIはめまぐるしい成長を遂げます。飛躍的な進化により、現在は史上最大のAIブームに突入し「冬の時代はもう来ないのではないか」といった声もささやかれています。

AIが得意なこと

当時のコンピューター性能では乗り越えるべき課題が多く、その結果、停滞期を指す「冬の時代」を経てめまぐるしい進化を遂げたAIですが、どのようなことを得意とするのか気になる方も多いでしょう。

ここではAIが得意とすることについて解説します。AI技術の導入を検討する方は、業務のなかでも特にどのようなシーンで活用できるのかをイメージしてみましょう。

単純作業

繰り返しや反復が伴う単純作業は、AIが得意とすることのひとつです。特にデータ入力を要する業務はAIに代替できる仕事のうちに含まれ、最近ではAI技術を用い自動化する企業が増えています。

人間が単純作業を行う場合、集中力や体力が必要になり、これらが低下するとミスを招く可能性があります。AIに任せることで、一定の速度で正確なデータ入力が可能になるので、従業員の業務負担の低下とあわせて生産性の向上につなげることができます。

共通点を見つける作業

「教師なし学習」を経たAIであれば、共通点を見つけることも得意です。「教師なし学習」とは正解となるデータを取り込まず、入力されたデータやデータそのものが持つ構造・特徴の分析を通じて学習する方法のことで、データに隠れた共通点を見つけることができます。

例えば、AmazonをはじめとしたECサイトの「おすすめ商品」や動画サイトによる「おすすめの動画」が該当します。正解を知らないAIだからこそ、ユーザーの行動から正解となり得るものを複数みつけ候補として提供する行動も、さまざまなシーンで役立てられています。

関連記事:AI学習とは?概要や種類、学習させる方法を解説

画像・音声のデータ解析

AIはテキストに限らず、画像や音声データの解析も得意です。画像や音声データからも簡単に共通点を見つけ、同様の特徴を持つデータを使用者に提供することもできます。

人間の場合、テキストをはじめとしたデータの解析は、参考とする資料の数だけこなせる数に限界があります。AIであれば蓄積されたデータからも瞬時に共通点を見つけることができるので、普段からさまざまなデータを使用する業務には最適といえるでしょう。

大量のデータ処理

AIは、データから法則や傾向を見つけることを得意とします。そのため大量のデータであっても、法則や傾向を探し、適切な共通点を見つけることができます。

取り扱うデータ量が多いほど高精度な分析につながるので、ビッグデータを取り扱う業種にとってAIの存在は大きな強みとなるでしょう。

機械学習を用いた診断・予測

「教師あり学習」や「教師なし学習」といった機械学習を用いることで、AIは診断や予測をすることも可能です。例えば、あらかじめ正解を与える「教師あり学習」を用いることで、適切な医療技術について判断する医療診断や金融市場の動向などを予測する金融予測などにも活用できます。

関連記事:特化型AIとは?メリット・デメリットや汎用型AIとの違いを解説

AIにできないこと

人工知能を意味するAIには、できないことも存在します。具体的には、柔軟な対応や新しいものの創造です。ここではそれぞれについて解説します。

柔軟な対応

AIは、人間でいう「空気を読む」といったことや「急に何かを思いつく」などの柔軟な対応ができません。AIはどの機械学習を通じても、データが必要になり、取り込んだデータに基づいた解析しかできないためです。

人間の持つ「喜怒哀楽」といった感情もないので、合理的に進めたい作業には向いているといえるでしょう。

新しいものの創造

データによって適切な回答や案を提供できることから、クリエイティブな作業に向いているAI。しかし、これまで誕生したことのないまったく新しいものを創造する力は、今のところ持ち合わせていませんが、今後の進化の過程により可能性が0というわけでもありません。

現在のAIの基本能力は、読み取ったデータから共通点や回答を導き出すことです。そのため現在のAI技術を活用する場合、AIによる解析データを使用した企業戦略の策定や改善点の洗い出しが最適といえるでしょう。

AIが活躍するシーン

AIはデータの情報を分析し、適切な回答や共通点を見つける特徴から、現時点ではできることとできないことがあります。ここではAIにできることを踏まえ、具体的にどのようなシーンで活躍するのかについて解説します。

関連記事:AIで業務効率化する8つの手順|メリット・デメリットや事例もあわせて解説

製造業

製造業では、AIを搭載した自律ロボットの活用により、製品の品質検査や生産ラインの自動化につながっています。人間のように疲労や体調不良を感じることがないので、交代時間などを気にせず、安定した品質を維持した製造を実現しています。

画像認識技術を搭載したAIによって不良品を適切に見つけられるようになったことで、流通する前に不良品を回収でき、顧客の安心・安全の確保にもつながっています。

参考:宮崎県|AIを用いた画像処理技術で 製造現場における目視検査を省人化

金融分野

金融分野でもAIは注目を集め、多くの金融機関での導入が進んでいます。例えばローン審査におけるリスク分析やクレジットカードなどの不正検知、投資予測などは、蓄積されたデータや新しいデータによって、迅速に適切な判断を下すことに役立っています。

また最近では、金融機関の問い合わせ用にAIを搭載したチャットボットによって24時間365日いつでも顧客へ適切な回答を提供できる仕組みも導入され、顧客満足度の向上と人的リソースの最適化につなげています。

参考:日本経済新聞|ChatGPTに金融界も注目 生成AIで顧客対応を効率化

サービス業

需要のあるサービス業においてもAIが広く活用されています。なかでも印象深いのが、スタッフの不足を補うことを目的として導入されたAI搭載型の配膳ロボットです。

Withコロナ時代を経て、近年はPostコロナ時代へと変遷し、商店街や飲食店は賑やかさを取り戻しつつあります。しかし、働き手となるスタッフは少子高齢化社会の影響によって年々減少しています。

こうした現状をサポートしながら店舗の回転率向上につながっているのは、AI技術を搭載した配膳ロボットのメリットともいえるでしょう。

参考:システムギア|AI配膳ロボットBellaBot(べラボット)

医療分野

医療分野では、AIの解析結果に基づいた医療診断や治療計画の立案などに活用されています。画像認識技術を用いCT画像から病変を自動検出するほか、患者のデータに基づき適切な治療法の提案に役立てています。

ほかにも、カルテを電子化させたのち医療系ネットワークと連携し、電子カルテ内の医療・看護必要度を一元的に統合させたり、ダッシュボードを作成後、業務ツールを活用して病院や医療チームの業務負担を可視化させたりするといった活用事例もあります。

参考:News Center Japan|HITO 病院における生成 AI 活用事例と、ヘルスケア分野におけるマイクロソフトの最新の取り組み

流通・小売業

流通・小売業では、需要予測や製品陳列、顧客分析といった多様なシーンに活用されています。例えばこれまでの販売データから製品の需要を予測し、時代とニーズに合わせた在庫量を決めるなどです。また顧客の購買履歴をデータとして分析し、製品陳列の最適化にもつながっています。

参考:全日本情報学習振興協会|7.企業・団体のAI導入事例-流通

AIの進化にある懸念

考案・研究・停滞を繰り返し、現在では多くのシーンで活用されるAIですが、今後の進化に対し、いくつかの懸念があるのも事実です。例えば、AIの進化によって人間が働く必要がなくなることで生じる失業者の増加などが挙げられます。

失業者の増加

AIの研究においては、常に人間の脳の働きが関係しています。人間の脳と近しい働きが実現できれば、さまざまなシーンで活躍できると考えたためです。

実際、進化と停滞を繰り返し、今では多くの業界・業務に役立てられているAIですが、今後の進化によっては、人間を必要としていた作業までもAIに代替できるようになり、失業者が増えるのではないかと推測されています。

厚生労働省でも、AIによる自動化での失業・雇用を懸念しています。AIの進化がマイナスにならないよう、雇用者の能力向上やAI技術を活用できる人材育成が必要と考え、育成・就労支援を検討する意思を示しています。

参考:厚生労働省|AI等の新たなテクノロジーが雇⽤に与える影響について

関連記事:特化型AIとは?メリット・デメリットや汎用型AIとの違いを解説

考察力の低下

現在のAIは、多様なシーンで人間をサポートしています。例えばChatGPTやGeminiのような生成AIの活用によって知りたい情報を迅速に把握できる機能は、知識の習得・向上に役立っています。しかし簡単に答えを知ることができる特徴が、やがて人間の考察力低下につながるのではないかとも考えられています。

とはいえ、現状の生成AIでまとめられた情報は誤りも多く、最終的には人間が情報の所在や整合性について調べる必要があります。完璧な情報が示されるようになれば人間の考察力が低下する可能性もゼロではないでしょう。しかし、人間が持つ感情や些細な疑問を解決させたいと思う感情や能力までもが低下するわけではありません。

考察力が低下する可能性はあるかもしれませんが、AIとの共存が中心となる未来では、新たなシーンで人間の能力が必要になります。そのことから、AIとの暮らしにおいて人間の考察力が完全に低下するとは考えにくいといえるでしょう。

情報漏洩

AI技術を活用するにあたっては、インターネットを使用する方法が一般的です。仮に企業情報や取り扱う顧客情報からマーケティング戦略の策定サンプルをAIに抽出してもらう場合、インターネットを通じてこれらの情報が漏洩する懸念があります。

情報漏洩に対しては、万全なセキュリティ体制を整えることが大切です。AI技術を活用する上では、自社システムに応じたセキュリティシステムの導入が必要である点を念頭に置きましょう。

AIの発展|考えられる社会の変化

AIの発展が進むことで、社会はどのように変化すると考えられているのでしょうか。

人間との協働による生産性の向上

AIは、膨大なデータを人間よりも迅速かつ正確に抽出・分析する能力に優れています。人間では難しいと感じていたデータ処理をAIに代替させ、抽出された解析結果を人間がさまざまな分野に活かすことができれば、生産性の向上が見込めるでしょう。

例えば、これまでの膨大なデータを使ってAIが開発業務を担い、人間が創造力や革新性を補えば、これまでは不可能とされていた製品やサービスの誕生が実現する可能性もあります。

AIの進化や導入の推進によって、人間にとっては業務が経るなどの懸念があるかもしれません。しかし、協働によって人間のこれまでの働き方に変革が起き、より人間らしい考え方を大切にする業務が増える可能性もあります。

AIは真新しいものを創造する能力がまだ乏しいため、協働という関係性が今後の社会をポジティブなものに変えていくでしょう。

関連記事:AIをビジネスで活用するには?活用する上での目的や事例、成功のコツを解説

新たな仕事・業務の誕生

AIの導入によって人間の失業が懸念されていますが、実はその一方で新たな仕事・業務も誕生しています。例えば、クリエイティブ業界での生成AIが作成したコラムをチェックする校閲者の需要です。これまではコラム制作者が見出しから記事の作成を担当する業務が基本でしたが、近年ではAIにコラムを制作させ、その整合性をチェックする業務が増加しています。

AIの導入によってこれまでとは異なる働き方が増える可能性は高く、人間は今以上に想像力や専門性を活かせる仕事に切り替わっていくと考えられます。

持続可能な社会を実現

AIは製造や教育、金融や医療など、多様な業界での導入が進んでいます。例えば医療業界であれば、患者のカルテを分析し、今必要な診察を判断するなどです。このような活用がさまざまな分野で広がれば、人間の生活や健康に大きく貢献することは明らかです。これらのことから、今後はAIを活用した質の高い製品・サービスの提供が期待されています。

少子高齢化社会のサポート

少子高齢化社会により、近年の日本ではあらゆる業界で人手不足に陥っています。例えば上述したAI搭載型配膳ロボも、少子化によるスタッフ不足を補う目的で導入するお店も多いです少子高齢化社会の補助的立場から、今後はAIによる遠隔医療の実現も期待されており、医師不足に悩む地域への医療サービスの提供にも貢献すると考えられます。

参考:PR TIMES|配膳ロボットと一緒に働いてみて、約9割が「満足している」と回答 導入での変化 第2位「他の業務に時間を使えるようになった」、第1位は?

まとめ

日本のAIは、2度の停滞期を迎えた末に第3次AIブームへと突入しました。めまぐるしく発展を見せるAIの能力により、人間の失業や考察力の低下などが不安視されるなか、少子高齢化社会の補助的立場や、業務の自動化・効率化など多様なシーンで活用されているというポジティブな側面を持ち合わせています。

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