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特化型AIとは?メリット・デメリットや汎用型AIとの違いを解説

特化型AIとは?メリット・デメリットや汎用型AIとの違いを解説

AIと一口にいっても、実はさまざまな種類があることをご存じでしょうか。特徴や定義によって区分されるなか、そのうちのひとつに特化型AI(ANI)と呼ばれるものが存在します。

それぞれの違いを押さえておくことで、種類の区別はもちろん、どのAIが自社にとって効果的かを適切に判断することができます。この記事では、特化型AIをはじめとしたAIの特徴とメリット、AIが対応できるものについて解説します。

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AIとは?

AIという言葉を見聞きすることはあっても、具体的な意味やルーツについて知る人は少ないのではないでしょうか。まずはAIの定義とルーツについて確認していきましょう。

定義

結論からお話しすると、AIに明確な定義はありません。AIは「Artificial Intelligence」の頭文字をとった言葉で、和訳すると人工知能といった意味を持ちます。人の脳のような働きにより、思考に対する能力や学習に向けた活動を、コンピューターなどを使って人工的に作り出したシステムを指すことが一般的です。

AIのルーツ

総務省の資料によると、AIのルーツは今から70年以上も前の1950年代に遡ります。AIブームは、1950年の第1次から現代の第3次まであり、ブームと交互になるように、AIに対する期待とAIによる剥離から生まれた冬の時代が到来しています。

第1次ブームではコンピューターによる「推論」や「探索」が実現し、特定の問題に対して解を示せるようになりました。しかし、当時のAIでは迷路を解く方法や定理を証明するなどの単純な仮説問題を取り扱うことはできても、さまざまな要因が絡み合い現実社会に関する課題は解けないと分かり、冬の時代を迎えます。

1980年代を迎えた頃には第2次ブームが到来します。この時代は、コンピューターが推論する際に必要な膨大な情報を認識できる形で記述することを指す「知識」を与えることに成功し、実用可能な水準にまで達します。

ところが、世に存在する膨大な情報を全てコンピューターが理解できるよう記述し、用意することは困難と判断され、再び冬の時代を迎えました。

2000年代から現代にまで続く第3次ブームでは、ビッグデータと呼ばれる膨大なデータを使い、AI自身が知識を得る「機械学習」が誕生・実用化されます。さらに、知識を定義する要素をAIが自主的に学ぶディープラーニングも登場しました。

出典:総務省|平成28年版 情報通信白書|人工知能(AI)研究の歴史

特化型AI(ANI)とは|メリット・デメリット

3回のブームと冬の時代が交互に訪れ、さまざまな試行錯誤を経て現在に至る日本のAIですが、実はそんなAIには、特化型AI(ANI)と呼ばれるものが存在しています。ここでは、特化型AI(ANI)の特徴とメリット・デメリットについて解説します。

特化型AI(ANI)の特徴

特化型AI(ANI)の特徴は、名前の通り、特定の環境や仕事に特化している点です。囲碁や将棋などの対局、気候変動の観測など、事前に決めた課題を解決することを得意とします。ANIは「Artificial Narrow Intelligence」の略称で、和訳すると「特化型人工知能」といった意味を持ち、個別の分野や領域に特化したAIを指します。

メリット

事前に決めた課題のみを解決できる特化型AI。特化型と聞くと限定的に聞こえますが、使うシーンによっては下表のようなメリットを享受できます。

項目

具体例

業務の効率化・自動化

  • シフトや業務、勤怠の管理
  • 画像・音声認識などを通じて自然言語処理する能力もあることから、顧客対応の自動化にも対応できる

コスト・作業時間の削減

  • 手動による作業をAIに任せることで人件費の削減につながる
  • 手動の手間が省けるため、1つの作業にかかっていた時間も削減できる

人為的ミスの削減

  • 手動の必要がなくなるため、人為的ミスを削減できる
  • 急な休みによって業務が進まなくなっても、AIに代替することで臨機応変に対応できる

高精度なデータ分析が可能になる

  • 膨大なデータも正確に分析できる能力により、さまざまな分野で活用することが可能
  • AIに取り込む情報を効率化させたい分野に変えることで、どの分野でも高精度なデータ分析が行える

これらのメリットを総合的に考えると、特化型AIを利用する上では、どの作業にAIを活用しどう解決させたいかを明確にすることが大切といえるでしょう。

デメリット

さまざまなメリットがある反面、特化型AI(ANI)には下表のように2つのデメリットもあります。

項目

概要

人材の育成・確保の問題

  • AIの導入・運用に対応可能な人材の育成・確保が伴う
  • 専門知識を有した人材は今後さらなる需要が見込まれるため、確保を検討する場合は難しくなる可能性がある

開発・導入コストの問題

  • AIの導入・運用・開発に従事する人材の人件費をはじめ、システムの構築コストなどが必要
  • AIの取り扱いが可能なGPUを搭載したパソコンは高額であることも多く、多方面でコストがかかることは念頭に置く必要がある

AIの導入・運用には専門知識を有した人材への育成、あるいは人材の確保が必要です。AIを構築する際も欠かせない問題になることから、自社に該当する従業員がいないのであれば、育成や確保に向けた検討が必要になるでしょう。

またAIの導入・運用、または構築から取り掛かる場合、人材確保に加え、人件費や導入費用などのコストがかかります。できるだけコストをかけたくないのであれば、自社にとっての費用対効果について熟考することが先決といえるでしょう。

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汎用型AI(AGI)や人工超知能(ASI)の特徴

特化型AI(ANI)と混同しやすいAIとして、汎用型AI(AGI)や人工超知能(ASI)と呼ばれるものも存在します。ここでは具体的にどのような特徴を持つのかについて解説します。

汎用型AI(AGI)と人工超知能(ASI)とは

汎用型AIは、人間と同じように多種多様な課題について理解し、解決へと結びつけるための行動が可能なAIです。「Artificial General Intelligence」が正式名称で、頭文字をとって「AGI」、あるいは、和訳した「汎用型人工知能」と呼ばれています。

従来のAIは、ある特定の課題を解決する能力に特化しています。しかし、汎用型AI(AGI)は、さまざまな分野に関する知識のほか、過去に経験したことのない状況であっても柔軟に対応できるだけの能力を有しています。

一方、人工超知能(ASI)は、人間以上の知能を持ち、人間では難しい高度な課題や行動に対して、自動で処理できるAIです。「Artificial Superintelligence」の頭文字を取って「ASI」と呼ばれ、和訳したものが人工超知能です。

特化型AI(ANI)と、汎用型AI(AGI)、人工超知能(ASI)には、以下のような違いがあります。

AIの種類

概要

特化型AI(ANI)

限定的な課題を処理する能力に特化

汎用型AI(AGI)

さまざまな課題を処理する能力に特化

人工超知能(ASI)

人間ではなし得なかった課題も処理する能力を保有

上項で解説したAIのルーツから分かるように、さまざまな試行錯誤を経て、現在では人間では処理できない課題までも解決できるAIが誕生しています。

シンギュラリティ・2045年問題との関連性

今後のAIの進化において、近年注目を集めているのが「シンギュラリティ」です。シンギュラリティとは、和訳で「技術的特異点」と呼び、人工知能が自己フィードバックによってシステムの改良を繰り返した結果、人間の知性を上回るとする仮説のことです。

アメリカの発明家であり、Google社では主任研究員兼AIビジョナリーとしても活動するレイ・カーツワイル氏は、2045年にシンギュラリティに達すると予測しています。このことから、AI業界では2045年問題とも呼ばれています。

シンギュラリティを超えAIが人間の知能を上回れば、これからの進化が予測不可能なものとなり、AIをコントロールできなくなる可能性があります。進化が行き過ぎてしまえば人間は働く必要がなくなるなど、人としての暮らしが大きく変化する可能性も出てくるでしょう。

このような可能性以外にも、シンギュラリティと2045年問題には下記のような懸念があります。

事件・事故の責任の所在

万が一、AIが事件や事故を起こした場合に、その責任を誰が負うのかという問題があります。一般的に、人間が事件を起こした場合、加害者が被害者に対して責任を負うことになります。

しかし、AIがこのような場合に至った際、開発者に責任があるのか、あるいは使用者や所有者に責任を問えるのかなど、責任の所在が複雑になることが問題視されています。

人権問題

人工超知能(ASI)のように人間の知能を上回るAIがさらに進化することになれば、次はAI自身が人権を主張する可能性があります。AIに人権を与えることは可能なのか、あるいは人権があると認めてよいのかなど、AIそのものの人権問題について考える必要もあると予想されています。

差別・偏見

差別や偏見に対する問題も挙げられます。人間であれば、肌の色や性別などで差別せず、状況に合わせた対応ができます。しかしAIは柔軟性にまだ不安がある部分も多く、取り込まれたデータによっては、人権差別に発展する可能性があります。

人間がどのような対応を用いて対処すべきなのか、適切な対応策がまだ見つかっていないのも問題のひとつです。

強いAIと弱いAIの違い

AIについて調査を進めると、「強いAI」や「弱いAI」といった強弱で区別するAIについて見かけることがあります。一般的に、強いAIは汎用型AI(AGI)を、弱いAIは特化型AI(ANI)を指します。

AIを強弱で提唱したのは、アメリカのジョン・ロジャーズ・サール氏という哲学者です。特徴から推察すると、強弱の概念は「限定的」「広範囲」で分けていると考えられ、それぞれの特徴をスムーズにイメージできる言葉といえるでしょう。

参考:Minds, brains, and programs | Behavioral and Brain Sciences | Cambridge Core

AIが対応できるもの

ここからは、AIが対応できるものについて解説します。特化型や汎用型などさまざまなAIが誕生していますが、具体的にどのようなことができるのか見ていきましょう。

画像認識

画像認識は、デジタル画像や動画において、特定の人物やテキスト、イブジェクトなどを識別・分類する技術です。コンピューターのソフトウェアが視覚的なメディアに対し、人間のように理解・解釈できる能力です。

人々の暮らしにも密接に関わっており、例えばスマートフォンのロック機能を解除する際の顔認識機能や、銀行アプリによるモバイルチェック入金機能などが該当します。

音声認識

音声認識は、コンピューターやソフトウェア、アプリケーションなどが人間の音声を認識・理解し、テキスト化する技術です。例えば、地上デジタル放送に対応したテレビの字幕機能や、Microsoft Wordに内蔵されたディクティケーションなどがあります。

自然言語処理

自然言語処理は、人間による音声やテキストのコミュニケーションをコンピューターが理解・処理し、内容を抽出する技術です。具体的には、iPhoneに内蔵されたSiriやAndroidに内蔵されたGoogleアシスタント、外国語の翻訳アプリなどがあります。

機械制御

機械制御は、自動車などの機械を制御する技術です。人間では難しいと判断する複雑な動作に対応できるほか、状況に合わせて適切な操作を選択・実行も可能です。機械制御を導入したAIは、製造業や物流、研究開発といったさまざまな分野で活用されています。

画像キャプション

画像キャプションは、画像認識技術を持つAIによって、画像の説明文を自動生成する技術です。画像認識技術以外にも、状況判別能力も併せ持つことで、画像が「赤ちゃん」であっても「泣いている赤ちゃん」「笑っている赤ちゃん」など、画像の詳細を伝える説明文が生成できます。

応答

自然言語処理技術などを持ち合わせることで、ナチュラルな会話をAIと交わすことができます。例えば、Amazonで商品を返品する際、チャットボットから簡単な質問を受け、その上で返品処理に進むでしょう。このチャットボットにもAIが活用されており、会話内容からどの処理をユーザーが求めているのかを判断し、適切に処理します。最近では音声による応答にも対応しています。

レコメンド機能

レコメンド機能は、1人ひとりのユーザーに向けて、おすすめの商品を選出し、おすすめとして紹介する機能です。Amazonを開くと「閲覧履歴に基づくおすすめ商品」などとしていくつか商品が紹介された経験も多いでしょう。これはユーザーの閲覧履歴や購入履歴のデータを元に、ユーザーが何を求めているのかを分析・判断した結果です。

レコメンド機能の導入によって、販売促進や購買意欲の向上などが見込まれることから、販売量の増加を目的にさまざまな企業が利用しています。

推論

推論は、過去に得た知識をもとにトレーニング学習を行い、以前とは異なる回答を見つける技術です。推論はアプリケーションに使用されることが多く、例えば囲碁、将棋、オセロやチェスといったゲームを中心に導入されています。

株価予測

AIに株式の情報や株価チャートを学習させれば、株価を予測することも可能です。人間であれば知識以外にも経験で判断しがちな部分ですが、AIであれば過去のデータなどを用いて、明確な基準を持って判断できます。安定した成績に期待できることから、最近では株価予測を活用する証券会社も多いです。

まとめ

特化型AI(ANI)とは、ある分野に特化した技術を持つAIのことです。混同しやすいAIとして、広範囲にわたって活用できる汎用性AI(AGI)や人工超知能(ASI)があり、それぞれでAIの持つ能力が異なります。

どのAIを活用する場合でも、適切に運用・管理できる人材への育成や確保が欠かせません。国でもDXが推奨されていることから、業務効率化を検討する上では、DX推進に対応できる人材が必要です。

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