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RPAの自動化に向いている業務・向いていない業務とは?RPA導入時の業務選定のポイントを解説!

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「働き方改革」が世間で叫ばれている中で、注目を浴びているRPA。社員の作業時間や残業時間をRPAが請け負うことで、社員が今までなかなかできなかった仕事やスキル向上などにあてる時間ができた、という声が多くあがっています。しかし、いざ導入しようと思ってもどの仕事から自動化すればよいか分からない、という方が多いのも事実です。

そのようなRPA難民に朗報です!今回は全くRPAを導入した経験がない方でも分かりやすく、自動化に向いている業務とは何かを具体的に説明するとともに、あなたの会社に当てはまる事例が必ず見つかる「RPA活用辞典_全100事例一覧表」を紹介します。

RPAとは

RPAのイメージ画像

RPAは「Robotic Process Automation」の略で、パソコン上でこなす単純作業を自動で処理してくれるソフトウェアのことです。RPAはロボットですので365日24時間働いてくれる上、ミスもおこしません。RPAの導入が進むのはいまや金融業界だけではなく、製造業やその他の業種、官公庁などにも広がりを見せています。

ただし、RPAは全ての業務を自動化できるわけではありません。そして、自動化できる業務の中にも時間削減効果が大きいものと、小さいものがあります。つまり、向き不向きがあるのです。それらを理解した上で導入を進めることが、成功のポイントです。これから、RPAの導入に向いている業務と向いていない業務について紹介していきます。

▼RPAの詳しい説明はこちら▼
RPAとは何か?簡単にわかるまとめ!特徴~導入ポイントまで幅広く解説

RPAの自動化に向いている業務

RPA自動化の3ヶ条

こちらでは、RPAの自動化に向いている業務について紹介します。RPAの自動化に向いている業務は大きく分けて以下の3つです。

1.PCで作業する業務
(エクセルから業務システムへの入力などの簡単なデータ入力)

2.平準化された業務
(定型業務のように人や状況に左右されず、業務フローが決まっている業務)

3.反復する業務
(請求書作成メール送信、注文書のシステム入力など)

この3つから、自動化すべき業務が大まかに絞れたのではないでしょうか。こちらでは3つの業務をより詳しく5つの業務(転記チェックリサーチレポー ト送信)に分けて紹介します。さらに、それらの業務を、部署に当てはめた事例で紹介していきます。RPAで自動化する前と後でどのように変わるかが一目でわかるようになっています。自分の会社だったら……と想像しながら読み進めてください。

1.転記作業

転記作業とは主に、同じ情報をAシステムからBシステムに移すような業務のことを指します。では、部署ごとにRPA化しやすい転記作業の事例を紹介します。

営業
・課題/作業内容
お客様に送付する明細書を作成するのに、複数の社内システムを跨いで情報を確認する必要があった。作業自体は単調なため、自動化できないかと検討。

・RPA化の詳細
RPAにより複数の社内システムから必要なデータを抽出し、明細書に情報が自動反映されるように改善。明細書がほぼ自動で作れるようになったため、作業時間と手間が削減された。

経理
・課題/作業内容
毎月の請求書の作成業務の負担が大きく、手間と工数の削減が課題となっていた。

・RPA化の詳細
社内システムで管理している販売データから請求情報を引き出し、請求先ごとに請求内容を記載した請求書を自動作成。これにより請求書発行業務の負荷が軽減。

人事
・課題/作業内容
複数のExcelファイルにまたいで情報を管理していたため、作業に要する工程が長く時間もかかっていた。業務の処理数が多いので必然的にヒューマンエラーも多発、RPA化を決めた。

・RPA化の詳細
Excelファイル複数の転記等の処理と、数百枚のシステム登録・出力を自動化。情報の管理や作業に今まで取られていた時間を他の業務に回せるようになった。

総務
・課題/作業内容
業務の中でルーチンワークが多く発生する。これを自動化し、作業時間の短縮を図る必要があった。

・RPA化の詳細
データベースからのデータ取得、Excelの加工や転記作業などの決まった作業をRPA化。作業時間の短縮が実現し作業の精巧性が上がっただけでなく、他の業務に手が回せるようになった。

マーケティング
・課題/作業内容
担当者が他ECサイトの価格情報を目視で確認して管理表に記入。リアルタイムの価格変動についていけない

・RPA化の詳細
ロボットが競合ECサイトの商品価格情報を自動的に取得して記入。変化の度に自動更新されるため常に最新の状態を維持。

広報
・課題/作業内容
会員情報の修正依頼に、名簿から会員を呼び出し、手動入力と重複チェックを実施。
名簿の数が多いため確認時間に数分がかかり業務の手が止まってしまう。

・RPA化の詳細
会員情報の登録・退会処理を自動化させることで、同姓同名など重複する案件の目視確認だけになりデータ修正の時間が大幅に短縮できた。

情報システム
・課題/作業内容
社内に管理システムが多数あり、複数のシステムに同じ情報を何度も入れなければいけない状況。年間300人近い人事情報や営業案件の情報を入力する必要があるため、非常に苦労していた。

・RPA化の詳細
RPAシステムで情報を一元管理し、システムに情報が自動入力される仕組みに変更。これによりデータ入力作業から解放され、本来すべき業務に集中できるようになった。

2.チェック作業

チェック作業とは主に,作業が全て終わった後に抜けがないか、観点がずれていないか確認する業務です。では、部署ごとにRPA化しやすいチェック作業の事例を紹介します。

営業
・課題/作業内容
販売代理店が使用する営業資料の「誤字脱字チェック」「リンク切れのチェック」に時間を割かれ、その分営業活動の時間が削られていた。

・RPA化の詳細
チェック作業を全てRPAで自動確認。毎日3時間の確認作業が短縮され、本来人が使うべき営業コミュニケーションの時間が増えた。

経理
・課題/作業内容
売掛金として計上しなければいけない案件の計上漏れが毎月頻繁に起こっていて、改善のための良い仕組みがないか検討していた。

・RPA化の詳細
RPAを導入し、当月売掛計上予定の案件データから、未処理の案件を抽出。フォローが必要な案件を一覧として資料化できるようにしたところ、毎月の計上漏れが減った。

人事
・課題/作業内容
人材を非常に複雑な分岐・パターンに分類した上で抽出・情報入力・ダブルチェックという過程を経て基幹システムへ登録している。この作業に何十人も投入しているため負荷を軽減したい。

・RPA化の詳細
人材データを抽出して40以上ある処理パターンで分岐判定、情報入力・ダブルチェックなどを自動化。ピーク時でも10名程度の人員で業務進行が可能になり、教育工数も圧縮された。

マーケティング
・課題/作業内容
競合の最新情報を常に追う必要があり、複数のwebサイトを人間が監視して更新内容を目視確認している。非効率なのでもっと機械的に行えないかと悩んでいた。

・RPA化の詳細
特定のwebサイトを常時自動で監視して、更新がされるとアラート通知が飛ぶシステムを導入。これにより「常にサイトを見張る」という業務から解放された。

広報
・課題/作業内容
運営しているメディアサイトの「リンク切れ」「タグ抜け漏れ」を定期的にチェック。
管理業務として必要な業務ではあるものの、確認作業に時間を取られしまい他の作業が進まない。

・RPA化の詳細
ブラウザを起動してロボットが自動的にリンク切れのサイトを巡回。リストアップや更新処理など必要に応じた対応を設定することができ、他業務に充てる時間ができた。

情報システム
・課題/作業内容
単調な情報入力の件数が非常に多く、人の手で行うと時間のかかる作業となる上にヒューマンエラーも多発し、月末月初にかなりの残業が発生していた。

・RPA化の詳細
単純な繰り返し作業や、ヒューマンエラーが発生しやすい数値のチェックなどをRPA化。人間の手作業が減ったため、別の業務に時間を割り当てることができるようになり、残業も減った。

3.リサーチ作業

リサーチ作業とは主に、商品などの情報を調べて集める業務です。では、部署ごとにRPA化しやすいリサーチ作業の事例を紹介します。

営業
・課題/作業内容
競合調査のため、他社のwebサイトをチェックして製品・価格情報を手作業でダウンロードしている。これを一括で行いたい。

・RPA化の詳細
自動システムを導入することで、競合他社の製品情報を一括でダウンロード、リスト化まで自動で行えるようになり、工数が削減された。

総務
・課題/作業内容
取引先の反社チェックを行うのに手間がかかるだけでなく、調査結果の証跡の保存や管理が煩雑になっている。

・RPA化の詳細
取引先の名称を入力すればロボットが自動で反社チェックを行い、CSVやPDFで検索結果を保存してくれる。最終的な取引判断を人の目で確認するだけで良くなる上に、管理も楽になる。

マーケティング
・課題/作業内容
web上で自社製品の口コミ収集を行っているが、有人対応では効率が悪く欲しい情報を得られない

・RPA化の詳細
RPAで自動化することで無駄なく早く口コミを収集。担当者はデイリーで収集された内容をチェックのみでOK。

広報
・課題/作業内容
自社の風評管理のために、自社名と特定のキーワードで検索エンジンやSNSをリサーチしている。媒体が増えてチェック項目が多岐に渡るため作業時間が増える一方となっている。

・RPA化の詳細
予め自社名やサービス名・NGワードなどをリストアップしておくことで、ロボットが自動検索を行う。風評管理の必要があるものだけをピックアップしレポート化してくれるように。

4.レポート作業

レポート作業とは主に、情報を集めて報告書を作る業務です。では、部署ごとにRPA化しやすいレポート作業の事例を紹介します。

経理
・課題/作業内容
各部署ごとに提出された予実管理表から、業績の取りまとめ表の作成を行っている。定期発生するルーティンワークなので、自動化で効率化を図りたいと考えた。

・RPA化の詳細
提出された予実管理表を集計し、業績取りまとめ表を自動で作成するRPAを導入。毎月の業務の手間の削減に成功。

人事
・課題/作業内容
社員が入力・提出する勤務表の集計と管理が統一されておらず、各部署の管理表の作成に工数がかかっているので削減したい。

・RPA化の詳細
提出された勤務表から特定のデータを抽出、Excelの様式に合わせて情報整理と集計を行い、部署毎の管理表の作成が可能に。ファイル管理も自動で行うので、情報の管理や検索も簡単。

総務
・課題/作業内容
毎月事務員が医療介護の利用者統計データを収集。手入力のデータを元に関数を使って統計出力を行っていた。

・RPA化の詳細
RPA導入をすることで、自社の基幹システムから自動的に統計に必要なデータを出力し統計情報を作成してくれるようになった

マーケティング
・課題/作業内容
ネットから自社に関係する情報を集めてレポートにまとめたいが業務の優先度が低くなり後回しになってしまう。

・RPA化の詳細
ワードを指定することで、ロボットがwebサイトやブログから商品情報や製品などを自動抽出・自動カテゴライズしレポート作成を行う。

広報
・課題/作業内容
ルーティーン業務として、毎日決められた時間に自社の株価情報を取得。
Excel集計したものをデータ加工し、全社向けにメール配信する作業がある。

・RPA化の詳細
一連の動作全てを自動化することができたため業務短縮に。
ロボットの場合動作も早く、ミスが起きないため精神的にも負担が軽くなった。

5.送信作業

送信作業とは主に、メールを送信する業務です。では、部署ごとにRPA化しやすい送信作業の事例を紹介します。

人事
・課題/作業内容
採用活動として、求人媒体を経由して登録者とやりとりを行いエントリーシートの記入を依頼する業務があるが、条件にあう人材を常にチェックしてメールの送受信をする段階で疲弊してしまう。

・RPA化の詳細
条件に合う人材を設定するだけで、ロボットが自動でエントリーシートを送付。職務経歴がアップデートされても対応が可能なので、求人サイトを常時見張っている必要がなくなった。

総務
・課題/作業内容
商品情報や定期連絡のメールを調達先に送信している。これを自動で一括送信できるようにしたい。

・RPA化の詳細
配信先のリストから、メール内容の自動作成と送信が可能に。定期連絡の業務を手作業で行う必要がなくなる。

マーケティング
・課題/作業内容
登録者名簿から顧客の状況に合わせたDM配信をしているが、顧客の状態がリアルタイムに変動するため、都度グループを作成して一斉配信している。

・RPA化の詳細
顧客情報システムにログインをして、顧客のステータスが変更されたと同時にDM配信対象者を自動で選別しグループ作成、自動配信を行えるようになった。

広報
・課題/作業内容
メディア・SNSへの投稿作業を、担当者をつけて実施しているが、手間がかかりヒューマンエラーも発生。原稿を考えるストレスにもなる。

・RPA化の詳細
予め定めた場所に投稿内容をストックしておけば、ロボットが条件通りに自動投稿。手間なくミスもない状態に。

情報システム
・課題/作業内容
既存システムのデータを新規システムへ移行させたいが、セットアップに時間がかかりミスも多発する問題があるため先送りになっている。

・RPA化の詳細
コストを抑えたまま新規システムへのデータ移行を実現、セットアップ作業の大幅な削減に成功。

RPAの自動化に向いていない業務

窓の外を眺める人

こちらでは、RPAの自動化に向いていない業務について、2点に分けて紹介します。

1.ルール化されていない非定型業務
RPAは、組み込んだ業務を繰り返し実行するツールです。 ルールや作業手順が決まっておらず、部分的に人の判断が必要になる業務は、自動化に向いていません。最初に設定したルールに外れることが起こると処理ができないのです。誰かに一任されている業務などは、個人の判断に大きく左右されているケースが多く、RPA化を行う前に、きちんとルール化する必要があります。

2.人間の判断や思考が必要な処理
問題解決を目的とした処理には、人間による判断や思考が必要です。AIと違って現状のRPAは、問題解決のためにどのようなプロセスが必要なのかといった判断が必要な処理はできません。RPAはあくまでも定型業務を自動化するロボットだと考えてましょう。

RPAによる自動化の対象業務の選定方法とポイント

こちらではRPAの自動化の対象となる業務の選定方法とポイントについて説明していきます。

①自動化できそうな業務を洗い出す

Yes/No質問票

まず、自動化できそうな業務を考えます。一つの業務に対して、「PCで行う業務であるか」「業務の手順が決まっているか」などの項目を上記の画像のようにYesか No で判断することにより、RPAを導入すべき業務を洗い出します。しかし、すべての業務をこのように仕分けるのはやはり難しく、挫折してしまうところでもあります。

そこで、もうひとつの判断方法として自動化を検討している業務が「PCで行っている単純作業で時間がかかっている、繰り返しのある面倒くさい作業」に当てはまるかどうか、という判断方法もあります。これに当てはめると、上記で説明したように「転記作業」「レポート作業」に絞ることができます。すべての業務を洗い出そうとこだわるのではなく、まずは大まかでいいので、やってみるという姿勢が大事です。

②自動化しやすい業務を一つきめる

次は、自動化しやすい業務を一つ決めます。ここでの注意点は、欲張って30分~1時間かかるような仕事を自動化しないことです。理由としてはこれらの作業を自動化すると、ロボットの設計が複雑になり、エラーが発生しやすくなってしまうからです。エラーによって開発し直す作業が続くと、導入の挫折にも繋がります。

そこでとりあえずは5分以内の仕事を自動化しましょう。「短い……」と思われるかもしれませんが、それでも1日に何度も発生する仕事などは効果がでやすいので、そのような仕事から自動化に取り組みましょう。

▼さらに、実際にRPAを導入していく手順を知りたい方はこちら▼
RPA導入のかんたん説明書はこちら!RPA導入のメリット・デメリット・ステップ・費用・注意点もあわせて解説! | RPA HACK

「RPA活用辞典_全100事例一覧表」の紹介

100辞典説明

これまでRPAの自動化に向いている業務を紹介してきましたが、より細かく事例を紹介しているのが「RPA活用辞典_全100事例一覧表」です。こちらは、大企業から中小企業までの幅広いクライアントに対して、RPA導入後の活用サポートを行ってきた自社が、2020年12月に公開したものです。どのような業務を自動化すればよいのか、いまいちピンと来ていない方にぜひ読んでいただきたいです。

この活用辞典では、今までの実績を基に、各部署ごと(営業、経理、人事、総務、マーケティング、広報、情報システム)のRPA化しやすい業務を100事例集め、レポートにまとめています。企業の課題ごとに、RPAでどのように自動化したのかも詳しく書いてあります。100事例もあるので、きっとあなたの会社に当てはまる事例もいくつか見つかるはず……!ダウンロード無料ですので、一度ご覧になってみて下さい。

▼ダウンロードはこちら▼
https://robo-runner.com/ebook/rpa_dictionary/

業務自動化に一歩踏み出そう

水に向かって万歳

いかがでしたでしょうか。RPA導入について具体的に考えたことのなかった方でも、自分の業務の中で自動化に向いている業務を見つけられたのではないでしょうか。このように、まず「この作業は何のためにやる必要があるのか」「ロボットに任せられる作業はないか」というように、日々の仕事と向き合うことが自動化の第一歩です。その積み重ねが、RPAの導入、そして充実した働き方を実現させるでしょう。

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