RPAHACKは、8月からPower Automate for desktopのアップデート情報を取り上げてきました。
本記事では、2月のPower Automate for desktopのアップデート情報を、皆さんにお届けしていきます。
目次
Power Automate for desktopとは
Power Automate for desktopとは、世界最大手ソフトウェアベンダーであるマイクロソフトが開発・提供しているRPA(Robotic Process Automation)ソフトウェアです。
2021年3月2日にマイクロソフトは、それまで有料であったPower Automate for desktopをWindows10ユーザー向けに追加費用なしで提供することを、公式発表しました。
Power Automate for desktop日常業務を自動化することによって、私たち人間は高付加価値で、クリエイティブな業務に専念することが可能となります。
Power Automate for desktopについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
▼Power Automate for desktopの解説記事はこちら▼
Power Automate desktop)とは?PADの概要から研修・勉強方法を紹介
▼Power Automate for desktopのインストール方法解説記事はこちら▼
【Power Automate desktop概要②】のインストール方法を画像付きで紹介 | RPA HACK
アップデート方法
Power Automate for desktopのアップデート方法は、自動アップデート機能が無いため、手動でアップデートする必要があります。
アップデートの手順は、下記をご参照ください。
はじめに、Power Automate for desktop公式サイトにアクセスします。
アクセスしたら画面左側に「無料ダウンロード」をクリックします。
クリックするとソフトウェアがダウンロードされます。
ダウンロードしたソフトウェアを開くと「Power Automate パッケージをインストール」画面が表示されます。
※下図ではバージョンが「2.15.282.21349」と書かれていますが、2022年2月のアップデートでは「2.17.169.22042」になります。
「Power Automate パッケージをインストール」の画面右下にある「次へ」をクリックします。
クリックするとインストールの詳細画面の「パッケージ内容」の「[インストール]を選択すると、Microsoftの使用条件に同意したことになります」をチェックします。
全ての項目にチェックをすると、インストールが可能になります。
インストールをクリックすると、Power Automate for desktopがインストールされます。
インストール終了後、Power Automate for desktopを開いてみるとアップデートが完了していることが確認されます。
2022年2月アップデート情報
Power Automate for desktopでは月に1度くらいのペースでアップデートが行われます。
今月のアップデートでは9個の機能が追加されました。
Power Automate for desktop – February 2022 update | Power Automate ブログ (microsoft.com)
コンソールの監視機能がデスクトップフローの実行に追加
コンソールには、通知用の新しいドロップダウンメニューが追加され、以下のオプションのいずれかを選択できるようになりました。
・フローを停止、または一時停止
・実行中のフローの現在の状態、および継続時間の表示
・実行中のフローの名前、現在のサブフローの名前、現在のアクション番号、現在のアクションの名前を表示
・画面の最小化、移動
フローデザイナーの性能向上
1月のリリースで行われたものに加えて、いくつかのパフォーマンスの修正が行われ、そのうちのいくつかは性能を向上させました。
向上した機能は下記の4つです。
・メインや他のサブフロー内でのアクションの追加や削除、編集、移動
・あるサブフローから別のサブフローへの移動
・保存(保存の遅れが発生した場合、DLPや遅いネットワークが原因の可能性)
・アクションの有効化/無効化
「カスタムフォームの表示」アクションを追加
「カスタムフォームの表示」は、アダプティブカード技術に基づき、ユーザーが独自のダイアログを作成できる新しいアクションです。
ユーザーは、好みのコントロールや表示項目を1つのダイアログウィンドウに組み合わせ、情報を表示したり、デスクトップフローで使用するデータを入力することができます。
プレビュー画面を備えた、直感的なデザイナー(カスタムフォームデザイナー)が付属しています。
【利用イメージ】
メニューから「メッセージボックス」-「カスタムフォームの表示(プレビュー)」をフローに追加すると、下図の画面が開きます。
「カスタムフォームデザイナー」ボタンをクリックすると、デザイナー画面が開きます。
左側メニューのフォーム要素を適当に配置して、フォームを作成します。
(下図は乗り換え案内的なフォームの例)
実際にフローを実行すると、こんな感じで表示されます。
OKボタンを押すと、フォームに入力した値をデータテーブルとして取得できます。
ファイルをbase64に変換、またはその逆を行う新しいアクションを追加
Power Automate for desktopに2つの新しいアクションが導入されました。
・ファイルをBase64に変換
・Base64からファイルへの変換
インターネット上ではファイルは、Base64でエンコードされた文字列表現で送信されます(一般的にはAPIを経由)。
ユーザーが簡単にファイルをBase64文字列に変換したり、逆にBase64文字列に変換できるようにすることで、インターネット上でのファイル転送を、容易にすることが可能になりました。
PDFからテーブルを抽出する機能を追加
この新しいアクションにより、ユーザーはPDF文書からすべての構造化されたデータテーブルを自動的に識別して抽出可能になり、PDFファイルから表形式データを迅速かつ簡単に作成して、フローで使用できるようになりました。
【利用イメージ】
たとえば、PDFファイル(価格表.pdf)に2つの表が書かれているとき、
デスクトップフローに「PDFからテーブルを抽出する」を追加します。
実行すると、PDFファイルからテーブルが抽出できます。
【一つめのテーブル情報】
データテーブルの内容を表示すると、たしかにテーブルとして内容が抽出できています。
datatable 変数の新しいプロパティ
すべてのdatatable変数に、「ColumnHeadersRow」というdatarow型の新しいプロパティが追加され、当該テーブルの列名を保持するようになりました。
これにより、列ヘッダをリスト形式で返す既存の ‘Columns’ プロパティに依存するのではなく、簡単かつ単純な方法で、これらの列ヘッダを行(例:Excel)に書き込むことが可能になりました。
既存の変数名へのリネームを許可
フロー変数の名前を変更したり、既存のフロー変数名で新しい入出力変数を作成し、それぞれの確認ダイアログでマージすることができるようになりました。
サブフローをコピーして他のフローに貼り付ける機能を追加
あるデスクトップフローからサブフローをコピーし、同じデスクトップフローや別のデスクトップフローに、簡単に貼り付けることができるようになりました。
ローカルアクションログファイルの自動クリーンアップ
このリリースでは、フローの実行が完了した後、ユーザーのローカルアプリデータフォルダーにあるアクションログファイルを削除する予定です。
これらのファイルを残しておきたいユーザーには、レジストリキーを設定してクリーンアップを無効にするオプションが用意されています。
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