フリーランスのプロ人材8,100人以上を抱える株式会社みらいワークス代表取締役社長の岡本祥治さんにインタビューする企画の後編。
後編では「RPA人材はどんなスキルをつければフリーランスとして活躍できるか?」について聞きました。
RPAの専門性を活かしながらフリーランスとして活躍していきたい!と考える方は必見です!
前編のインタビュー内容↓
過去のフリーランス✕RPAに関する記事↓
求められるRPA人材のスキル
ーー今、上場企業ではどんなRPA人材が求められているのでしょうか?
RPAというプロダクトが出始めて2-3年ですが、初期のテクノロジーが出た時ってバズりますよね。いろんな会社が使ってみなくちゃ!といって新しいテクノロジーを使ってみるのですが、使い切れていないという状況が多くあります。RPAについても、RPAを使うことが目的となって本末転倒になってしまっているケースが多かったです。我々がやっていることは、ビジネス的な観点からRPAを使うべきなのか?というところから入っていきます。目的は何か?目的が『業務効率化』ならばその手段としてRPAを使うのか?バズワードだからやるではなく、ちゃんと目的を持ってやりましょうねという交通整理をしていて、こういったことができる人材が求められています。
RPAを導入して作り込むところではなく、ビジネス計画のところであったり、経営にRPAをどう活かすかという通訳的なことをしています。世の中で一番求められているのはそこだと思います。
ーー交通整理ができる人材ってどんな人ですか?
①ITの投資対効果を検証できること、②BPR(Business Process Re-engineering、既存の業務やシステムを根本的に見直し、業務フローやシステムを再構築すること)の経験があること、この両方を持っている人です。RPAに関する知識はそこまで大きくなくて、その点はキャッチアップできます。①②の知見がないとRPAの良さを引き出せないと考えています。
戦う場所を見定める重要性
ーーRPA✕フリーランスで活躍するにはどんな目線が必要でしょうか。
RPAにかかわらずですが、プロダクトのトレンドを捉えることが大切です。RPAのプロダクトについては、最近だとUIが簡単なタイプが出てきてきたりと、ロボット開発自体はどんどん楽で簡単な方向にシフトしていくことは見えています。事務スタッフの方も使えるなど、エンジニアでなくても使える方向にいくなら、構築することに対する価値は下がっていきます。
製品が出てきたときにどこで戦うのかを見定める・・・これはフリーランスとして戦っていく上では大切なんですよね。
フリーランスとして独立してからいろんなスキルを身に着けていくと思うのですが、スキルマップのどこに新しいスキルを追加していくか考えたほうがいいです。人生100年時代ですので、1つのスキルでは生きていけない、スキルシフトしないといけないので、これを考えないといけません。
ーースキルシフトしたり、どこで戦うかを見定める方法ってありますか?
領域をどこにするかは人の好みがあるのでベストはないですが、1つこうしたほうがいいと思うのは、なにか新しいことをやるときには単価を下げてでもやるという覚悟はもったほうがいいということです。1つのことをずーっとやり続けるとその領域が廃れたらシフトができない。ですので、新しいことやりながらお金が貰えるならラッキーくらいに考えて新しいことをやったほうがいいです。転職でもいっしょで、新しい領域にいくと給料が下がりますよね。報酬が下がることに備えて貯蓄を用意しておいたり、選択肢を拡げる柔軟性を持って将来の自分のために投資するという感覚を持つと良いと思います。
結婚している方の場合は日頃からパートナーとお金についてのコミュニケーションをとっておくことが重要です。
あるフリーランスの男性が、「家族のことがあり報酬を下げることができないからこの仕事を続けないといけないんですよ…。」と話をされていて、なんのためにフリーランスなったの?ということがありました。日頃から価値観を家族と共有し、これだけお金を入れるのであとは自由にさせてなど、日々価値観を共有することが大切です。
ーーすごくフリーランスの方の細かい事情まで把握されているのですね。
課題ってそういう細部にあるんですよ。起業家とかフリーランスの生態系に興味があってよく見ています(笑)。
RPAは上流の仕事がしやすいプロダクト
ーーRPAエンジニアがコンサルティングなどより上流の仕事ができるようにするにはどうすればよいでしょうか?
RPAは他のプロダクトと比較すると、お客さんと直接会話しながら開発をするということが多いプロダクトです。ERP(Enterprise Resource Planning、企業資源計画。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェア(統合基幹業務システム)を「ERPパッケージ」と呼ぶ。)だと要件定義、開発とフェイズが分かれてしまいますが、RPAはそこを一体化することができます。お客さんとコミュニケーションを取りながら要件をまとめ自ら開発する中で上流の仕事ができるようになるプロダクトです。『お客さんの課題をどう解決するか?』という目線で仕事をしていけば、そのうちお客さんの課題解決だけで仕事ができるようなコンサルタントにシフトすることが可能です。
ーー最後に貴社が昨年始めたRPAプロフェッショナルズ.jpはどういったサービスでしょうか?
RPA領域の経験を持つプロ人材の方を企業に業務委託で派遣するというモデルになっています。やっているうちにニーズが出てきましてサービスとして切り出しました。主にRPAを導入するにあたっての前さばきをしていて、お客さんに張り付いてやり続けるのではなく、お客さん側でできるようにしてあげる、お客さん側でうまく使えるようにナビゲートしてあげるようにしています。
まとめ
今回、岡本さんにお話を聞いて感じたことは、「スキルマップに新しいスキルを追加することの重要性」です。
高い意識を持てば、日々のエンドユーザーとのコミュニケーションが取りやすいRPAのプロジェクトは大きなチャンス。エンドユーザーと会話する中で、「顧客の課題は何か?」という視点を持つことができます。
その視点を持つことができれば仕事が拡がり、フリーランスで活躍し続けるために必要となるスキルマップに新しいスキルを追加できます。
新しくできることを増やしていくという視点が大切ですね。
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