こんにちはKAZUNOです。
寒い冬も終わりに近づき、一部の地域では桜も咲き始め春の訪れを予感する今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか? 私は花粉症と付き合い始め最近ではマスクが欠かせなくなってきております。
今回はRPAをお使いのみなさまにはあまり聞きなれないワードかとは思いますが、RPAとは少し違った形で開発プログラミング工程を自動化するという『超高速開発ツール』をご紹介いたします。
実はこの『超高速開発ツール』が最近では一部の大手企業でも注目されはじめてきているようです。
その『超高速開発ツール』とはいったいどういったツールなのか?RPAとの違いはどういった点にあるのか? 株式会社BlueMeme(ブルーミーム)社の代表 松岡さんにご協力を頂きまして、世界で最も勢いのある『OutSystems』というツールについて伺ってまいりました。
会社概要
株式会社BlueMeme社は東京都千代田区に本社があり、京都、福岡を拠点に持ちながら、次世代プラットフォームに特化した業務システムの受託開発業務を事業とされています。
2012年に日本で初めてのOutSystemsを導入後、翌年にはポルトガルのOutSystems社の日本初の総販売代理店として提携をし、販売を始め、受託開発、運用保守、技術者育成、アジャイル開発を専門とした業務システムの導入コンサルティングなど多岐に渡った取り組みを積極的に行っています。
他にも次世代型の認証基盤『Auth0』や、正規化不要のNoSQLデータベース『MarkLogic』など魅力的な製品を扱っており、MarkLogicにおいては、あの米国のオバマケア(米国医療保障制度改革の通称)サイトの「HealthCare.gov」でも活用されているという実績を持つ製品となります。
2017年12月には100%出資子会社の『OpenModels』を設立されており、パートナー会社の「情報技術開発社」と「シグマクシス社」とともに『アジャイル開発を日本に浸透させる』といったビジョンを共有し、現在は開発者を徐々に増やし提案から保守までの一気通貫で提供できる体制を構築しています。
BlueMeme社の企業マインドとしましては以下の3点を軸にされています。
1.『自動プログラミング技術』によるコーディング作業の自動化を実現する。
2.『アジャイル開発手法』による少人数での開発効率化を実現する。
3.『シチズンデベロッパー』増加に向けた業務アプリ開発の簡易化を実現する。
※シチズンデベロッパー = エンタープライズITの領域外でのユーザーの活動のこと。
『日本企業でも世界と渡りあえる次世代のエンジニアを育成しやすい社会作りに貢献していきたい』といった熱い思いを松岡さんからも丁寧にご説明頂きました。
OutSystemsとは?
BlueMeme社はOutSystemsを『世界中で利用されているモデル駆動型開発基盤』と捉え利用してきています。
モデル駆動型開発というのは、システムの設計情報からソースコードなどの実装成果物そのままを自動生成するといった手法のことで、それによってコーディング作業を無くし、人為ミスを減らすといった考え方になります。
従来の開発手法でいう要件定義、設計、開発、検証といったプロセスを必要としていたものを、このOutSystemsでは設計情報さえあれば開発工程はすべてソフトウェア上で完結することができてしまいます。出来上がったものは商用環境へ適用する前にOutSystems上で検証した後に移行することも可能です。これは通常の業務用で用いるWEB上のサイトもモバイルサイトも両方で同じことを実現することができます。
ビジュアル言語を用いたアプリケーション開発
この画面はオブジェクト指向型RPAをお使いの方々は興味を持つ方も多いのではないかと思います。
これがOutSytemsのUI開発画面になり、第5世代のVisual Modelingというビジュアル言語を用いて開発をする点がRPAに非常によく似ています。WEBアプリの塊を繋げて画面中央上部の①というボタンを押すだけで、デザイン性のあるWEB業務アプリがあっという間に出来上がってしまいます。
これは実際の動作している画面を見て頂いた方がよいと思いますのでBlueMeme社で定期的に開催されているOutSystemsのJumpStart無料体験セミナーなどで一度、体験されることをお勧めします。
また、教育コンテンツや資格制度もありますので目標を持ちながら計画的に習得することも可能となっています。
オープンソースモジュールによる機能拡張
OutSystemsでもForgeというコネクタや画面部品等をオープンソースとして利用できるライブラリが豊富に整っています。画面ブラウザに写すデザインにおいてもSILK UIを取り入れることで数多くの美しいデザインテンプレートが活用でき、CSSやHTML5の知識がなくても統一感のある美しいデザインが可能となっています。
安全な本番移行の実現
OutSystemsはモダナイゼーションによる安全な本番移行を実現しています。
モダナイゼーションとは企業の情報システムで稼働しているソフトウェアやハードウェアなどを、稼働中の資産を活かしながら最新の製品や設計で置き換えるということを意味しています。
そのOutSystemsの開発手法である稼働中の基盤を触らずにそのままの情報を活かす点がOutSystemsの大きな強みの部分でもあり、そのため基盤側のバーション変更や環境変更などにおいても柔軟に対応ができるだけでなく、本番適用前段階のPoCなどの機能もソフトウェア上で整っているため、大規模な開発基盤環境に特に導入効果を発揮すると言われています。
OutSystemsは、ソフトウェア上で開発環境が3つに分かれており、デプロイ要求がされると実行中の他のアプリケーションに影響を与えず、そのデプロイが実行できるかが検証されます。影響を与えると判断した場合にはデプロイ実行を自動的に中止してくれます。
- Development環境:アプリケーションを開発する場所
- Quality環境:アプリケーションをテストする場所
- Production環境:エンドユーザーがアプリケーションを使用する場所
この自動デプロイは約10分~30分程度であっという間に完了してしまいます。新しい考え方へ視点を変えることによって、これまで業務用アプリ開発者が数ヶ月かけてきた稼働工数を大幅に削減することが期待できます。
Gartnerでの評価
日本ではまだあまり知られていないOutSystemsですが、実は2017年にはガートナー『モバイル・アプリ開発プラットフォームについてのマジック・クアドラント』の分野でLeaderとして位置づけられています。(*1)
<Source>
(*1) Gartner, Magic Quadrant for Mobile App Development Platforms, Jason Wong et al., 17 July 2018
(*2) Gartner Research Methodologies, Magic Quadrant https://www.gartner.com/en/research/methodologies/magic-quadrants-research
<免責事項>
ガートナーは、ガートナー・リサーチの発行物に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また、最高のレーティング又はその他の評価を得たベンダーのみを選択するように助言するものではありません。ガートナー・リサーチの発行物は、ガートナー・リサーチの見解を表したものであり、事実を表現したものではありません。ガートナーは、明示または黙示を問わず、本リサーチの商品性や特定目的への適合性を含め、一切の保証を行うものではありません。
<参考記事> ~ BlueMeme HP Outsysytemsよくあるご質問 ~
https://outsystems-faq.bluememe.jp/hc/ja/articles/206114844-OutSystemsに対するGartnerとForresterの評価
まとめ
私はこの『超高速開発ツール』というのに出会って衝撃を受けました。正直はじめはあまり実用化されて導入するイメージが沸きませんでしたが、その理由が松岡さんのお話を聞いてようやく理解できるようになりました。
それもそのはずで、従来の開発エンジニアの常識を変えるようなツールだったということを私は感じました。
これまでのRPAのように事務や一般業務の操作を自動化するのではなく、開発エンジニアの業務そのものを自動化(簡易化)してしまい、開発からリリースまでの工程も従来の視点を変えてひとつのソフトウェア上で完結してしまうといった斬新的なアイデアと様々な技術がこのツールの凄いところだと思います。
これはツール開発のみならず運用や保守の在り方すらも変化していくように感じています。
今回、『モデル駆動型』『第5世代のVisual Modeling』『Forge/SILK UI』『モダナイゼーション』などOutSystemsの主要となる新しい考え方などを中心にご紹介させて頂きましたが、これはまだ表面上の一部しかご紹介はできていないと思っています。(それほど深く掘り下げるとご紹介しきれないほどの要素がたくさん詰まっているツールでした)
Cloud、IoT、AI、BPM、ERP、SFA、CRM、BI、Block ChainなどRPAとも繋がる様々なジャンルでの最新技術が日々生まれては騒がれていますが、私は一人のエンジニアとして既にこの『超高速開発ツール』も目が離せない存在のひとつとなっています。これからの次世代エンジニアに求められる『アジャイル開発』。ユーザーで開発する時代の『シチズンデベロッパー』。もう近くまで新しい時代が来ているのかもしれません。
また、機会をつくってはみなさまにもご紹介させて頂きたいと思います。
より詳しい内容に興味のある方は『BlueMeme』社のHPもご覧になってみてください。
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