RPAを自在に駆使して働く障害者の方たちがいるのをご存じだろうか?
2018年9月、WEB・IT分野に特化した障害者の就労移行支援を行う株式会社アーネストが、RPA導入支援を行う株式会社RPA NEXTと提携し、発達障害者の特性を活かしたRPAエンジニアの育成プログラムを開始するというリリースがあった。
・どんな想いでこの事業を始めたのか?
・開始した育成プログラムの状況はどうなのか?
いろいろと聞いてみたいことがあり、株式会社アーネスト代表取締役水野聰さん、管理部責任者吉田岳史さんに教えていただいた。
障害者雇用の現状と課題
就労移行支援事業というものをご存じだろうか?なかなか耳にしない言葉だが、国の支援制度で障害者総合支援法という法律があり、障害を持つ方が働くことができるようにサポートする取り組みである。日本には就労支援事業を行う事業所が3,000以上もあり、一般企業への就職を目指す障害のある方に対して就職に必要なスキルを身に着けるためのトレーニングなどを行っている。
日本の企業(事業主)には法定雇用率という労働者に占める障害者の割合が一定率以上になるよう義務付けられているものがあるが、 民間企業では未だ50%の企業が未達成であるという現状とのこと。また企業が障害者を雇用したきっかけについてアンケートを取ると「法定雇用率を守るため」や「社会的責務」という受け身な回答が目立ち、まだまだ課題が多いというのが現状である。
株式会社アーネスト代表取締役の水野さんは「法定雇用率を当てにした障害者人材の育成ではなく、健常者にも引けを取らない 企業に必要とされるスキルを習得した障害者人材の育成を掲げてIT・WEB関連スキルに特化した新しい就労移行支援事業所を作りました。」と力強く話してくれた。現在は、日本全国から「どうやってITのスキル教育を行っているのか、どんな取り組みをしているのかを教えてほしいといった日本全国からの視察依頼が絶えないのこと。
RPAエンジニア育成プログラム開発の背景
これまで障害者の方々が行ってきた一般的な事務の仕事は、RPAによって自動化される可能性があるものだ。そんな中で今後就労価値の低下が予想される一般的な事務でなく、障害者がRPA自体を操作するエンジニアスキルを身につけ自身の就労価値を上げることはできないか?と考えたことがRPAエンジニアプログラム開発のきっかけとなった。
アーネストではRPA NEXTと提携し9月よりRPAエンジニアの育成プログラムを開始。
サービス管理責任者吉田さんにRPAエンジニアの育成状況を聞くと、「すでに一般企業に就職して活躍している人材がいます。発達障害のある人たちの中には、健常者の3倍以上のスピードでプログラミングを覚える人もいて、戦力となる人材として企業側からの期待も大きいです。」とのことで順調に取り組みが拡がっているとのこと。
RPA NEXT社の持つWinActorエンジニアの教育コンテンツを活用し、質問があったら気軽にチャットで質問できるような環境を作るなどして育成に取り組んでいる。
今後の事業について
アーネストでは、「Win-Actor」の操作方法の習得プログラムや導入企業へのインターンシッププログラムをスタートし、次に「UIPath」の習得プログラムもスタート予定とのこと。
水野さんは、「一人でも多くの発達障害を持つ方にこの取り組みの存在が届き、自分の個性を活かして活躍できるような機会を提供したい。」と語る。
まとめ
アーネストのRPAエンジニア育成の取り組み、今後の成長に注目です。
こういった取り組みがもっともっと社会に知られて、チャレンジしたいと考える人がチャレンジできるようRPA HACKとしても発信していきたいと思います。
発達障害のある方とRPAとの出会いが働くきっかけになるよう今後もアーネストの取り組みを応援していきます。(1人でも多くの人に知ってもらえたらと思うのでよかったらシェアしてください。)
株式会社アーネストHP
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