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「2025年の崖」とは?起こりうる問題や対応策を解説!

「2025年の崖」とは?起こりうる問題や対応策を解説!

「2025年の崖」は、経済産業省の「DXレポート」で国内企業に向けてDXの重要性を訴えかける際に用いられる言葉ですが、意味や課題、背景についてよく知らない方も多いのではないでしょうか。

フリーウェイジャパンによる中小企業などを対象としたアンケートでは、約半数の方が「2025年の崖」について「まったく知らない」と回答していることから、まだまだ「2025年の崖」の深刻さは浸透しておらず、だからこそ適切な対策が取られていないことがうかがえます。

この記事では、経済産業省のDXレポートを元に「2025年の崖」がどのようなことなのか、なぜDXを重要視するのかについて解説します。この機会に、今後の日本経済を踏まえ企業にはどのような革新が求められているのかを考えていきましょう。

関連資料のダウンロードはこちら:2025年問題・業務プロセス可視化_変容する労働市場で企業がとるべき解決策とは

関連記事:業務プロセスの可視化とは?概要やメリット、取り組み方を解説!

参考:フリーウェイジャパン|中小零細企業や個人事業主における「2025年の崖」理解度はわずか1割

「2025年の崖」とは?

「2025年の崖」は、経済産業省による「DXレポート」で使用された言葉で、2025年以降に起こり得る経済問題を表しています。その理由のひとつとして、日本企業における既存システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化が挙げられます。企業がDXを推進する場合、これら1つひとつに向き合い適切な対応を取る必要があります。

その側面で、DXはデジタルツールの導入が伴うため、従業員による理解が得られにくいことや多額の費用が掛かることから、思うように進まないと悩む企業も多く、どのように進めていけばよいのかが国や企業全体の共通課題となっています。

既存システムにまつわる課題解決や変革がなされなかった場合、2025年以降に1年間で最大12兆円、現在のおよそ3倍の経済損失が生まれるとしています。また、市場におけるデジタル競争によって競合他社に負けてしまう可能性など、さまざまなリスクを予測・集約したものを「2025年の崖」としています。

参考:経済産業省|DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開

影響を受けるとされる企業

同レポートによると、影響を受ける企業は大企業に限らず、中小企業、さらには個人事業主にも及ぶとしています。また、現場に従事する従業員の働き方や製品・サービスを利用する顧客といった消費者にまで影響が及ぶ可能性を示唆しています。

2025年頃には数十年と稼動を続けるレガシーシステムが国内企業の6割に到達するといわれています。そのため、創業当初から既存システムを使い続けてきた経営年数の長い企業ほど強く影響を受けやすく、現状の問題・課題解決に掛かる時間も長期化する可能性があると予測されています。

「2025年の崖」による現状の課題

多くの企業で導入されたシステムの問題・課題が解決されなかった場合、2025年以降には1年で12兆円もの経済損失へとつながるとした「2025年の崖」ですが、その原因とする課題にはどのようなものがあるのでしょうか。多くの企業における共通課題としては、下記のような項目が懸念されています。

  • レガシーシステム化
  • 競合とのデジタル競争に差が生まれる
  • IT人材不足による企業の停滞
  • セキュリティ・プライバシーリスクの危険
  • IT市場の変化への対応

どのようなことなのか、ここではそれぞれの概要について解説します。

レガシーシステム化

レガシーシステム化は、企業で古くから使用しているシステムの老朽化や複雑化、ブラックボックス化などあらゆる問題により、経営・事業において足かせとなっていたり、高コスト構造になっていたりするシステムを指します。

創業当初から同一システムの使用を続けていることで起こりやすい問題のひとつで、DXを推進するためにはレガシーシステムにどう対応するべきかが大きな課題となっています。

競合とのデジタル競争に差が生まれる

既存システムに潜む問題や課題を解決せずにいた場合、新しい技術が誕生しても既存システムに取り込めない恐れがあります。技術をシステムに取り込めないままでいれば、変化が進む市場において柔軟に対応することができなくなります。最終的にはビジネスモデルの変更ができないため、市場でのデジタル競争に負ける可能性もあります。

IT人材不足による企業の停滞

日本では高齢化社会に突入したことから、各業界での人材不足が問題視されています。そのなかでもIT関連に精通したIT人材も不足していることから、システムの刷新が思うように進められず、結果的に既存システムのレガシーシステム化につながる企業が増え、企業そのものが停滞する可能性も懸念されています。

セキュリティ・プライバシーリスクの危険

国によるDX推進が始まる前からさまざまな企業ではデジタルツールの導入が増えていますが、IT人材の不足が起因となり、システムの保守運用が思うように進められていない点も課題と考えられています。

デジタルツールはインターネットなどのネットワークを使用する特徴から、適切な保守運用ができる人材の不足により、サイバーセキュリティやシステムトラブルなどさまざまなリスクに迅速に対応しにくい点も指摘されています。

IT人材の不足によっては、既存システムのサポート期間の終了にあわせてシステムの見直しや新規システムの検討が進められないといった企業も多いです。自社に適したシステムとは何か、さらにはどのような運用が望ましいのかについて向き合いきれない状況は、早急に解決へつなげるべき課題ともいえるでしょう。

IT市場の変化への対応

IT市場は現在、デジタル技術のめまぐるしい発展により常に変化しています。経済産業省の資料によると2016年は従来型のITサービスの投資額はクラウドなどの投資額に比べて多かったものの、5Gの普及や実用化やアジャイル開発の主流化により、2020年代後半にはクラウドなどへの投資額がITサービス投資額の過半数を超えるとしています。

このことから、企業はIT市場の変化に対応するための対応策を考えることが不可欠といえるでしょう。

参考:経済産業省|第1回 「第4次産業革命スキル習得講座認定制度(仮称)」に関する検討会

「2025年の崖」への対応策

「2025年の崖」が差し迫る昨今、企業はどのように対応していく必要があるのでしょうか。ここからは具体的な対応策について解説します。

意識改革の実施

大多数の企業に該当するレガシーシステムの深刻化が進む背景には、経営層がレガシーシステムに潜むリスクを十分に理解できていないことが挙げられます。リスクを十分に把握していないために、デジタルツールをはじめとしたDXの必要性を感じられず、システム刷新が後回しにされるケースが珍しくありません。

そのため「2025年の崖」に対応するためには、経営層の意識改革が必要といえます。それと同時に、DX推進を企業の生存戦略および経営戦略のひとつと位置づけること、さらには継続的なITへの投資、人材育成を積極的に行う姿勢も大切です。

DX推進に向けた体制を整備する

経営層における意識改革とあわせて、DX推進に向けた体制づくりも必要です。例えばデジタルツールへの理解が不足しがちな経営層と現場で働く従業員とのパイプ役を担うDX推進部問の設置によって、現場にどのようなデジタルツールが必要でどのような効果が得られるのかが浸透しやすくなります。

また、投資に対する経営層の消極的な姿勢もDXに精通した人材だからこそ高い説得力により導入が進み、企業全体の変革を可能にします。このような体制づくりによって経営層はDXに対する理解が深まり、企業に滞留した課題の解決につなげられるでしょう。

関連記事:DXの進め方完全ガイド|失敗例をもとに解決策やコツを徹底解説

ガイドラインを策定する

自社が抱える問題・課題の洗い出しやDX推進の進捗状況を細かく評価できるよう、ガイドラインも策定しましょう。策定にあたっては経済産業省による「デジタルガバナンス・コード2.0」の活用がおすすめです。この資料には企業が自主的にDX推進を実施するための指針として使用できるよう、経営者に向けた対応策がまとめられています。

「デジタルガバナンス・コード2.0」は下記の要素で構成されています。

要素

概要

ビジョン・

ビジネスモデル

・ビジネスとITシステムには密接な関係性があると捉える

・デジタル技術による社会・競争環境の変化が自社にもたらす影響を考慮し、経営ビジョンの策定や実現に向けたビジネスモデルの設計を行う

・自社完結させるのではなく価値創造ストーリーとしてステークホルダーに示す

戦略

・社会・競争環境の変化を踏まえ、設計したビジネスモデルを実現するための対策としてデジタル技術を活用する戦略を策定する

・策定した戦略方法はステークホルダーにも共有する

成果と重要な成果指標

・デジタル技術を活用する戦略の達成度を測る指標を設定する

・指標に基づいた成果に対する自己評価をステークホルダーに示す

ITガバナンス

※ガバナンスとは、組織が目標を達成し、持続的に成長していくために、その運営や意思決定を適切に管理・統制する仕組みのこと

・デジタル技術を活用する戦略を実施するため、経営者はステークホルダーへ情報発信やリーダーシップを発揮する

・事業部門やIT部門などとも連携し、デジタル技術にかかわる動向・自社ITシステムの現状を踏まえた課題の把握・分析を行い、戦略の見直しに反映させる

・実施の前提となるサイバーセキュリティリスクなどに対する適切な対応も行う

4つの要素にはそれぞれ異なる概要と認定基準が設けられています。詳細については、経済産業省公式ホームページ、または下記リンクをご覧ください。

参考:経済産業省|デジタルガバナンス・コード2.0

既存システムを調査し結果の「見える化」を行う

既存システムの老朽化や複雑化、ブラックボックス化は、DX推進の妨げとなる場合があります。システム刷新を図りレガシーシステムにおける課題解決がどのように進んでいるのかについては、システムの調査をはじめ分析結果の「見える化」を図り、経営者による正確な認識につなげましょう。

一例のフローとしては下記のようなものがあります。

  1. 既存システムの全体像を調査する
  2. サーバー構成などシステム周辺に関する情報を整理する
  3. 稼働率・利便性・機能性などから総合的に評価する

現状把握には経済産業省が策定した「DX推進指標」の活用も有効です。さまざまな手順・ツールなどを活用し、「2025年の崖」に向けて適切な取り組みを実施しましょう。

参考:経済産業省|「DX推進指標」とそのガイダンス

参考:経済産業省|DX推進指標(サマリー)

参考: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|DX推進指標のご案内 | 社会・産業のデジタル変革

ITシステムを刷新する

DX推進の実現には、レガシーシステムの刷新を通じてビジネスモデルの変化に対応するシステム構築が欠かせません。システム刷新にあたっては、コストやリスクを最小限に抑えられるものをリサーチして決めることが大切です。

なお、大規模なシステムであればあるほど、刷新には多くのコストと時間を要するほか、業務がストップするなどのリスクについて対応策を練る必要もあるでしょう。システム刷新にあたっては、DX推進部門の設置や後述するベンダーとの関係構築を図りましょう。

ベンダーとの関係性を構築する

システム刷新を図る上ではベンダーとの関係構築も欠かせません。ベンダーによる必要な支援が受けられれば、レガシーシステムに対して適切な対策を講じることができるでしょう。しかし、ベンダーに丸投げしたままでは、システムの現状把握や改善すべき課題などが把握しにくく、理想的なDXが思うように進められません。

企業力や競争力を高めながら「2025年の崖」を乗り越えるためには、ベンダーと良好な関係構築を図り、自社課題について理解してもらうことが大切です。また、企業・ベンダーの双方が密に連携を取りながら対策を講じていく姿勢も必要になるでしょう。

DX推進に強いサポーターを確保する

DX推進においては、デジタル技術に精通した人材を集めたDX推進部門の設置が効果的です。自社にとってどのようなDXが必要であるかを分析・判断したいときは、PeacefulMorning社の「DX Boost」がおすすめです。

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「2025年の崖」に有効な方法

「2025年の崖」を克服するためには、現在多くの業界で活用が進むAIも有効です。総務省の「令和6年版情報通信白書」では、生成AIの普及と進化が速いことが明記されているほか、OpenAI社の「ChatGPT」は1億ユーザーに達するまで2か月しかかからなかったというニュースも話題になりました。

スタートアップから大企業などでAI開発競争が繰り広げられていることからもわかるように、今後企業が市場で生き残るためにはAI開発をはじめ、導入・活用が欠かせないと考えられます。

AIの活用によって業務の自動化やデータ処理の迅速化が実現し、従来は手作業で行っていた業務も迅速かつ正確に実行できるなどのメリットがあります。AIが不可欠な時代もあり得るからこそ、この機会にAIにできることや効率化につながる業務について押さえておくことをおすすめします。

これらについては以下の記事でまとめていますので、興味のある方はあわせてご覧ください。

関連記事:AIで業務効率化する8つの手順|メリット・デメリットや事例もあわせて解説

関連記事:AIをビジネスで活用するには?活用する上での目的や事例、成功のコツを解説

参考:総務省|令和6年版 情報通信白書|生成AIの急速な進化と普及

参考:日本経済新聞|チャットGPT利用4億人 2カ月で1億人増、日本は600万人に

まとめ

「2025年の崖」に対応するためには、自社に滞留する問題・課題の洗い出しをはじめ、解決へ導くための計画の策定や段階的な取り組みが欠かせません。自社に潜む問題・課題を解決するためにDX推進を目指す際は、経済産業省が策定した「DX推進指標」など、効果的なシステムやツールを活用して適切に対応していきましょう。

また、DX推進を視野にDX推進部門の設立を検討される企業担当者様は、この機会にPeacefulMorning社の「DX Boost」もぜひご活用ください。

参考:経済産業省|「DX推進指標」とそのガイダンス

参考:経済産業省|DX推進指標(サマリー)

参考: IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|DX推進指標のご案内 | 社会・産業のデジタル変革

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