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ボトムアップでRPA推進!開発者が育つ4つのポイントとは?

自社にRPAが浸透していない3年前に先陣を切ってRPA導入と浸透に成功された企業様のご紹介です。

Peaceful Morning代表兼RPA HACK編集長の藤澤が東急カード株式会社プロセッシング企画部情報システム課の山田 優樹(やまだ ゆうき)様と対談をさせていただきました。

(注:この記事は2021年1月に行われたイベントの情報を元に作成されました。)

会社概要


(画像は企業ホームページより引用:
https://www.topcard.co.jp/

東急カード株式会社は東京都に本社を構え、クレジットカードの取り扱いに関する業務、金銭貸付、通信販売等に関する業務、広告、損害保険、生命保険等の斡旋並びに代理店業務、計算代行並びに集金代行業務を行う1983年設立の企業です。

社名

東急カード株式会社

代表取締役社長

梅原 昌弘

設立

1983年 11月

本社所在地

〒158-8534 東京都世田谷区用賀4-10-1 世田谷ビジネススクエアタワー

ホームページ

https://www.topcard.co.jp/

インタビュイー紹介


 

 

 

 

 

藤澤:自己紹介をお願いいたします。

山田さん:東急カードの山田と申します。私は2013年に東急カード株式会社に入社し、最初の2年半はバックオフィス部門の業務を担当してました。その後、情報システムに移動し、2017年の夏頃からRPAを開始しました。初めはWinActor、加えて今はUiPathも扱っていて二刀流の形になっています。その1年後、「WinActor RPA認定技術者 エキスパート」を取得し、ノウハウの発信をして、昨年末に「WinActor アンバサダー」に就任しました。

藤澤:プログラミングは未経験だったそうですが、RPAについてどのように学んでいったのですか。

山田さん:ひたすら趣味のように触り始めました。プログラミングを合わせて話すと4つの流れがあり、1つ目に本やWebで基礎を知るということをしました。覚えようとする訳ではなく、あくまで感覚を知るために行いました。プログラミングなどに興味がありExcelのVBAを書いてみようと思う方は吉田拳さんの「たった1秒で仕事が片づく Excel自動化の教科書」が参考になると思います。2つ目は、「とにかくやってみる」です。自分の業務や他人の業務などをとにかく自動化してみることで、やり方が分かるようになります。3つ目は、分からないことを素直に誰かに聞いたり、検索することです。10分程度考えて分からなければ聞いてみます。4つ目は、作業を進める中で明らかになる自分の改善点を、その場で答えが出るまで調べ続けることです。この順序通りにやっていけばRPAやプログラミングの基本的なことは出来ると思います。

藤澤:RPAの推進業務にはどういったメンバーで取り組んでいますか。

山田さん:私が所属している情報システム部門はシステム部という形で独立していましたが、RPAなどを推進していくにあたりシステムと現場が共同した方が良くなり1つに合体しました。推進していく当時は3~4名いましたが、現在率いているチームでは私とベンダーさんの2人で行っています。大きい組織として動いている訳ではなく、業務改善の一角として動いていくことが前提条件となります。

藤澤:ボトムアップでRPA推進を進めていく担当者の参考にしていただけそうなことがたくさんありそうです。次にRPA導入に関するポイントを伺っていきます。

RPAを浸透させるための4つのポイント

目標設定に関する3つの観点と2つの後悔

藤澤:プロジェクト推進当初、目標設定はどのようにされていましたか。

山田さん:定量的な目標としては「自動化する業務の数」と「業務の削減時間」の二つを設定しました。具体的な数値目標を設定するにあたっては、「最低限達成したい目標」、「ここまで出来れば良いという目標」、そして「理想の目標」の3段階の目標設定を行いました。そして、3年後には全部署回り切っていてここまで出来ているという目標を立て進捗がどのようになっているかを経営陣に話しました。

藤澤:当時を振り返ってこうすればよかったと感じる点があれば教えてください。

山田さん:まず、RPAを開発する視点から、自社専用のフレームワークをもう少し早く作っておけば開発効率が上がったのではないかと思いました。自社専用のフレームワークを作ったのがRPAを導入してから半年経ってからだったので後悔しています。2つ目は、案件管理の視点から言うと、会社としてプランを練ってから行った方が良いと思いました。1部署ずつRPA導入を行ってきましたが、複数部署から早急に対応して欲しいという話が出てきたため途中から一気に拡大していき、案件管理が大変になりました。

「ふ」を解消

藤澤:OCRやRPAの導入によって、どのくらいの効果がありましたか。

山田さん:削減時間は2時間くらいのものが10〜15分程度になりました。ただ時間の改善以上に人間の精神的開放がすごいと言うことがアンケートにより分かりました。業務担当者が抱えている「ふ」(不平・不満・不安)の解消についての事例について話していければと思います。今まではシステムが一定時間操作しないとログアウトしてしまう、BIツールを挟んだりするとデータ抽出に待ち時間が発生してしまうなどの事例があり改善の余地がありませんでした。これらの問題はRPAを使って全て解消しました。これは現場のモチベーションに関わってくるのでこう言う事例を解消するのがRPAの醍醐味なのではないかと思います。

藤澤:RPA導入の成功を計る指標として何を用いていますか。

山田さん:観点として定性面、定量面についてお話しさせていただきたいと思います。定性面は働いている従業員の精神的なものだったり真意的なものだったりするのでアンケートをとるのが一番早いと思います。定量面には収益と費用の面があると思うのですが、収益の面だとサービスの提供がどれだけ早くなったかだと思います。弊社では、1ヶ月かかっていたものが1週間程度に短縮され、お客様に早く提供することが出来ました。費用の面では、システム開発の代替が1点上げられると思います。突発業務の発生時に、派遣さんを呼んで正社員は残業してでも乗り越えようとしていたところにRPAを入れることで残業時間が軽減されました。本来掛かる費用を抑えられ、増えるはずのものを抑えられたという観点だけでも経営側はRPAを導入しても良いのではないかと思います。

RPAを売るな!

藤澤:RPAの利用を促すために実施した工夫や施策を教えてください。

山田さん:RPAを売るな、改善を売れというのが信条です。ここで実施した工夫や施策は3つです。1つ目は、RPAの説明をする際にどういうものかと言う説明を少ししか話さないことです。みなさんが抱えている不平や不満などの「ふ」を解決出来るかのみを伝えます。2つ目は、RPAが向かない業務にも代替の改善策を提示することです。RPA導入を進める際に現場から寄せられる業務改善の要望は、必ずしもRPAで解決できるもの、RPAが最適解となるものではありません。そうした業務に対しては、RPAが適切ではない理由を説明した上で代替案を提示します。3つ目は動画の作成・広報活動を積極的に行うことです。活動例としてダイナックスさんの動画が参考になります。(ダイナックスさん動画:https://youtu.be/WSxjpXbB5bM
もし、現場のRPA開発担当者の苦手意識が働く場合は推進部署が徹底的にフォローしていくしかありません。慣れるまでのフォロー有無で現場の方のモチベーションが違ってきます。自分の業務整理がままならないといった現場の方には日々の業務がどういう作業できているかキャプチャできるツールを活用するのが良いと思います。まとめると、業務改善全般において頼れる存在になるべきだということです。

藤澤:各部署からRPAで代替できる業務を聞き出すためのコツはありますか。

山田さん:RPAと代替という単語を用いると、現場の方に「RPAに自分の業務を奪われる」と思われることが多いです。経験上、話の内容をRPAのみに絞り込むと厳しいと感じます。業務改善の中にRPAを盛り込む形で少しずつ広報を行っていく方が良いいと思います。私も最初はRPAに絞った広報を行っておりましたが、RPAの役割を把握してもらえないことが多かったです。

藤澤:なるほど、ワーディングには気をつけたほうが良いと言う事ですね。

RPA人材を育成するためのフォローアップ

藤澤:本業が忙しい社員にRPAを学んでもらうためにどのような工夫をされましたか。

山田さん:本業と別のことをやっていると肩身の狭い思いをすることがあると思うので、会社がRPAに取り組む時間を認めるなどの制度を制定し、広報などをするのが一番だと思います。ただし、取り組みへのフォローは必ず手厚くやってください。私は対象者10名程に週3時間を3ヶ月くらいみっちり教え込むブートキャンプと呼ばれる取り組みをしています。ブートキャンプではRPAとはや業務選定からフロー作る・検証する、運用までをフォローし続けています。ここまでやると本人もやるし会社としてもやらざるを得ない状況になるのでみなさんやってくれます。
※ブートキャンプ:基本訓練プログラム

藤澤:開発者を育成するに辺り最も重要なことはありますか。

山田さん:フォローすることに尽きると思います。分からないことが分からないと言えて聞ける環境がある事です。話は変わりますが、プログラミングを作るといったことが流行っていますが、その余熱にマンツーマンで対応してくれていつでも聞ける環境があるということが要因としてあると思います。

藤澤:ブートキャンプに参加された方は開発できるようになりましたか。

山田さん:結論から言うとYESですが、向き不向きやその時に携わっている業務内容によって継続できる方できない方がいると思うので受講者全員開発を出来るようになるというのは目指しているわけではありません。開発できるようになることではなく、業務をデザインする力を養うことがブートキャンプの目標であるため、その力が身についていれば問題ないです。ブートキャンプ後に継続的に開発している方は自分の部署で業務改善プロジェクトを立ち上げ、その仕組みを作って取り組まれている方が多いですね。

藤澤:業務改善研修の内容はどのようなことを行っているのですか。

山田さん:研修自体は外注しています。インソース様の業務改善研修を利用しており、内容としてはRPAに特化したものではなく、現場の「ふ」をキャッチアップしてどのように改善していくのかを体系的に学んでいくものです。様々な企業の事例を元にしてどのようにしていくかを話し合うグループワークを7.5時間していくという研修です。
(インソース様業務改善研修:https://www.insource.co.jp/bup/bup_gyoumukaizen.html

今後の展開


藤澤:
最後に、RPAをはじめとする業務改善を活用し、これからやっていきたいことを教えてください。

山田さん:アンバサダーとしてやりたいことは3つあります。1つ目は、非IT系の全てのビジネスパーソンに向けてWinActorをIT教育の入門編の位置付けにしていきたいと思っています。2つ目は、WinActorだけではなく、何かしら関わっている人の不平・不満・不安をかき集めて、WinActorをハイパーオートメーションの製品にするようための原動力にしていきたいと思っています。3つ目は、WinActorを使った面白い取り組みなどを集められる催しを開催したいと思っています。
会社としてやりたいことは2つあります。BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)概念と人材育成です。業務の一部分を自動化するという訳ではなくて全体のフロー見直していきましょう。業務をEnd to Endで管理していきましょう。それをしていく上でPEGAというソリューションの導入言語を行っています。部門の垣根を超えて改善していきたいと思っています。もう1つは、人材育成です。AI関連・業務改善関連・データ分析関連のようにコースを設け、社内留学的に行うこでエキスパートになるような仕組みを行っていきたいと思います。

現場主導でRPAを成功させるには:Robo Runner

山田様は入社当初、バックオフィス業務担当でプログラミング未経験でしたが、独学で趣味のように触り始めることにより、他社学習サービスなどを利用することなく会社にRPAを推進させていくことに成功しました。
ボトムアップでRPAを推進していきたい、RPA導入が成功するか不安といった場合でもRPA推進・導入をすることを可能とする「Robo Runner」というサービスをご紹介します。
「Robo Runner」はRPAツール導入後の開発・運用・保守などの困りごとを専任サポーターと共に解決していきます。RPAツールはUiPath・WinActor・PowerAutomateなどのRPAツールに幅広く対応しています。オンラインミーティングやチャットで気軽に相談することが出来、そして開発進歩をレポートにすることで悩んでいる問題を可視化することが出来ます。
「Robo Runner」では現在、14日間無料トライアルを受け付けておりますので是非お試しください。
Robo Runnerに関する記事はこちら:https://rpahack.com/robo-runner_introduction

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