RPAは「オワコン」といわれることがありますが、結論から言えばオワコンではありません。ただし、導入や運用を誤ると期待した成果が出にくいのも事実です。
実際に「効果が出ない」「コストに見合わない」と感じている企業の多くは、RPAそのものではなく、導入設計や活用方法に課題があるケースがほとんどです。近年では、RPAにAIやBPMを組み合わせた「インテリジェントオートメーション」が登場し、従来の課題を解消する手段として注目されています。
本記事では、RPAがオワコンといわれる理由とその本質、そしてAI時代における正しい活用方法について解説します。

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目次
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアロボットに一定のルールを設計し、定型・反復業務を自動化するシステムのことです。ExcelやGoogleスプレッドシートを使い、同じ作業を繰り返し行うデータ入力やコピー&ペーストで進む作業、レポート作成などを自動化できます。
AIが人間でいう「脳」だとすれば、RPAは「手」と表現でき、業務スピードの向上やヒューマンエラーの削減、これらが実現することで企業全体の生産性向上につながります。なお、RPAについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連記事:RPAとは?仕組みや期待できる効果をわかりやすく事例とともに解説
RPAが「オワコン」といわれる6つの理由
まるで人間が操作するように業務を進行し、効率化をもたらすRPAですが、近年ではさまざまなテクノロジーの進化によって「オワコン」といわれることが増えています。その背景には、主な要因として以下の6つが挙げられます。
1.期待していた効果が得られていない(得にくい)
RPAを導入したものの、期待した効果が得られていない、あるいは得にくいと感じたことで、結果的にオワコンのツールと断定してしまうケースがあります。いくつかの理由がありますが、特に多い傾向として「RPA=便利」など、上澄みの情報だけで導入したことが考えられます。
しかし、RPA単体では数ある業務のなかでも定型・反復的な作業にしか対応できません。多くの業務が効率化・自動化できるなど、誤った判断によっては、期待していた効果が得られず、オワコンと判断する場合があります。
2.費用対効果が見えにくい
RPAが業務にさまざまなメリットをもたらすツールだと理解し導入したものの、期待していた効果が得られない、あるいは得にくいことが理由の1つです。この背景には、費用対効果を深く考えずに導入した可能性が考えられます。
RPAに限らず、社内にツールを導入する上では、効果を正確かつ継続的に評価するための指標設定が欠かせません。ツールの導入・活用・実用化に向けた適切な準備をしないまま導入したことで、どの程度の効果がみられたのかを詳細に評価できず、結果として「期待していた効果が得られなかった」と判断してしまうケースが少なくありません。
3.効果測定が難しい
効果測定とは、企業にツールや新たなルールを導入した後、導入前後の企業の変化について調べることを指します。RPAの場合も、各部署・全従業員にどのような変化がみられたのかを把握するための効果測定が欠かせません。しかし企業の変化は、何をもって「良」「悪」と区別するのかを定義しない限り、正確に判断できないものです。
RPAを導入する前には、企業・部署・従業員など、いくつかの項目に分けた後、それぞれの業務に対する困りごとと具体的な数字を洗い出す必要があります。導入後の効果が客観的に把握できる準備を済ませていないことで、効果が出ているのかを評価できず、オワコンと判断してしまうケースも一定数存在します。
4.予想以上にコストがかかる
RPAは業務の効率化・自動化に期待できるツールの1つですが、導入直後から生産性向上や売上率の増加につながるわけではありません。長年慣例化していた業務プロセスのなかでも定型・反復業務を効率化・自動化するため、中長期的に継続しなければ効果を感じることは少ないです。
導入によって従業員の業務効率化につながり、生産性を向上させると認識されていますが、当初想定していたコストよりも高額となったことで、生産性向上と売上率の増加を迎える前に「導入した意味がない」と判断し、オワコンと決めつけてしまうケースもあります。
5.社内に定着・実用できていない
社内に定着・実用しない理由のなかには、従業員の向き不向きやITツールに関する理解度の差だけでなく、社内の準備不足が要因の場合もあります。
従業員1人ひとりには向き不向きだけでなく、ITツールへの理解度にも個人差があるものです。そのため、RPAを導入したからといって速やかに社内に定着できるわけではなく、中長期的な視点を持って活用し続けることが求められます。
使い方や活用例、比較的起きやすいエラー・トラブルの対処法が記載されたマニュアルの作成・共有が済んでいなければ、準備不足によって実用化はさらに難しくなります。
6.保守運用が難しい
保守運用に難しさを感じると、適切な対応ができず、RPAによる効果を十分に引き出すことができません。例えばDX人材の不足がボトルネックの企業がRPAを導入しても、ITツールに詳しい人材がいないために適切に保守運用ができません。エラーやトラブルが発生しても速やかに対応できないことから、実用化を困難にさせる要因にもなります。
こうした社内課題の頻出によって、RPAの活用に至らず、オワコンと判断してしまうことも少なくありません。

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RPAがうまくいかない本当の理由
ここまでの内容からわかる通り、RPAがうまくいかない原因は以下に集約されます。
- 業務選定が適切でない
- 効果測定の設計がない
- 運用体制が整っていない
つまり、「ツールの問題ではなく、設計と運用の問題」であるケースが大半です。
RPA導入を成功させるポイント
RPAを社内導入する上では、成功に導くためのポイントについて把握することも大切です。単にRPAといっても、以下のように3種類が存在し、社内業務の効率化・自動化を図るのであれば、適切なタイプを選ぶことがポイントです。
- サーバー型
- デスクトップ型
- クラウド型
サーバー型は将来的に大規模展開や部門横断を見据えて導入検討している企業・部署に、デスクトップ型は部門ごと・従業員ごとの個別で自動化を検討している企業に、クラウド型はコストを抑えたい企業やブラウザ業務の自動化を図りたい企業に向いています。
まずは、部署・従業員・全社共通の業務のうち、どの項目を効率化・自動化したいかを明確にすることをおすすめします。成功に導くポイントについてはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。
関連記事:失敗しないRPAツールの選び方|3つの種類と業務別おすすめツールを徹底解説

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RPAはオワコンではない!AIを組み合わせた「インテリジェントオートメーション」とは
RPA単体では、社内に点在する業務のなかでも、定型・反復な一部の作業しか効率化・自動化できません。この部分が「オワコン」といわれる最大の理由ですが、近年、めざましい発展を遂げるAIを組み合わせることで、これまで人間が行ってきた判断・決定を含む一連の業務プロセスの自動化を実現できます。
この技術を「インテリジェントオートメーション(IA)」と呼び、RPAの導入・活用の妨げとなっていた「定型・反復業務の自動化に留まるRPA」という位置づけから、「従来は分断されていた業務プロセスを一気通貫で自動化できる業務用ロボット」として、より多くの業務シーンに活用できます。
ビジネス全体の意思決定を広い範囲でサポートできる特徴から、企業全体の効率化の底上げにつなげられます。
ハイパーオートメーションとの違い
ハイパーオートメーションは、RPAやAIをはじめ、iPaaS、iBPMSなど多様な技術を組み合わせて実現できる業務自動化の仕組みです。複数の業務で成り立つビジネスプロセス全体を自動化する仕組みのため、部門をまたぐ業務プロセスにも対応可能です。
一方、インテリジェントオートメーションは、AIをはじめとするテクノロジーとRPAを組み合わせ、人間のように判断・決定を繰り返しながら作業を自動化する仕組みです。ハイパーオートメーションが最新のハイブリッドカーだとすれば、インテリジェントオートメーションは高性能なハイブリッドエンジンと考えると関係性がイメージしやすいでしょう。
関連記事:ハイパーオートメーションとは?RPAとの違いやメリット、導入方法を解説
インテリジェントオートメーションにできること
インテリジェントオートメーションによって、RPA単体では困難とされていたさまざまな業務の自動化・高速処理を実現できます。具体的には、顧客対応、データ入力の自動化や需要予測に基づいた計画策定などです。
関連記事:Difyとは?主要機能やメリット、具体的な使い方を徹底解説
顧客対応の高度な自動化
インテリジェントオートメーションの活用によって、適切な回答に導くチャットボットの導入が可能になります。すでに、顧客対応や社内問い合わせ業務をチャットボットに代替しているのであれば、問い合わせ内容を迅速かつ詳細に理解した上での応答が実現します。
AI搭載型のチャットボットであれば、24時間365日いつでも対応できる特徴に加えて、多国語にも対応するツールも多いため、幅広いユーザーへの応答が実現し、顧客満足度の向上に期待できるでしょう。
データ入力業務の自動化
RPAとAI-OCRを組み合わせれば、データ入力を自動化できます。例えばAI-OCRで請求書を読み取ったあとRPAで自動入力する仕組みを作ることで、従業員は入力されたデータをチェックするだけでデータ入力業務が完結します。
データ入力にある一連の業務プロセスをより効率的に進めたい方は、RPAを標準搭載したAI-OCRを選ぶことで1つのツール導入で業務の自動化を実現できます。
需要予測に基づいた計画策定
企業や各部署に求められがちな細かな意思決定は、機械学習やデータ分析ツールを活用することでサポートできます。こうした環境もインテリジェントオートメーションの1つで、例えば過去の売上データを取り入れた予測モデルの構築によって、高精度な需要予測を実現し、ムダのない生産計画の立案へとつなげられます。
複雑な計算を瞬時に処理
インテリジェントオートメーションによって、レート計算や支払いに発生する手作業をカットできます。例えば保険業界ではレート計算をインテリジェントオートメーションで自動化し、請求・見積もりなどの事務処理の簡素化につなげています。

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インテリジェントオートメーションの6つのメリット
インテリジェントオートメーションは、RPAだけでは成し遂げられなかったビジネスプロセス全般の自動化を可能にします。
1.業務効率の飛躍的な向上

インテリジェントオートメーションによる処理時間の短縮は、リードタイムの短縮、さらには企業全体の生産性の飛躍的な向上につながります。例えばデータ入力や書類処理、システム間連携などの反復的な作業は、24時間365日休むことなく高速で処理できるようになります。従業員は単純作業から解放されるため、人間でなければ対応できないコア業務に集中できます。
2.AIによる賢い自動判断
RPAとAI、OCRなどをうまく組み合わせることで、非構造化データの本質を理解した判断を実行した上で適切な処理が行えるようになります。
RPAのみの場合、効率化・自動化できる業務が限定的でしたが、インテリジェントオートメーションによってAIで人間の「脳」に変わって適切な判断を、RPAとOCRで人間の「手」として作業できるようになります。そのため、人間の介入を減らしながら、従来よりも高精度な作業を代替できます。
3.複合技術で実現力向上
インテリジェントオートメーションは、RPAをはじめ、AIやOCRなど、複数の先進技術を組み合わせた複合ソリューションです。そのため、月末から月初に多くの対応が求められる請求書の処理も、OCRでデータ化した後、AIで内容のチェック、RPAでシステムに自動入力するといった、複数のビジネスプロセスを一貫して自動化できます。
4.効率・精度・標準化の徹底
従業員の手作業においてヒューマンエラーは避けられません。しかしインテリジェントオートメーションは複数のデジタル技術と連携し、ビジネスプロセス全体を自動化するため、事前に定義されたルール・フローが正確であれば、業務内のエラーをなくすことができます。
ルール・フローが正確に設定されれば、作業品質の均一化につながり、高い精度で維持できます。こうした環境が構築されれば、コンプライアンス強化や監査対応の効率化にも繋げられます。
5.利益を増やす投資ができる
自動化を通じて人件費などのコスト削減ができれば、利益率の改善につながります。このときに、市場調査や新製品・サービスの開発など、企業価値を高める分野・要素に投資できれば、企業力が底上げされ、持続的な経営を実現できます。
6.顧客の「また利用したい」を実現
インテリジェントオートメーションは、単に業務を効率化・自動化するのではなく、AIで適切な判断を行いながら、ビジネスプロセス全体を自動化する仕組みです。例えば物流業界であれば、顧客からの問い合わせ内容を理解した上で適切な回答・案内につなげたり、注文処理を速やかに完了させたりするなど、日常業務を大幅に効率化できます。
複数の部署・システムを隔てた上で処理しなければならなかった業務ほど効率化できるため、素早い商品の手配・配達につながり、顧客体験の向上や顧客の囲い込みにも期待できます。
RPA利用者必見!インテリジェントオートメーションの活用事例
インテリジェントオートメーションは、RPAの限定的な業務の効率化・自動化という課題を、AIなどさまざまなテクノロジーと連携させ、ビジネスプロセス全体の自動化へと導く仕組みです。この画期的な技術は、多くの企業でも注目されており、数々の成功事例を残しています。ここからは、そのなかでも有名な企業事例について解説します。
ワクチン生産|ファイザー社
ファイザー社はインテリジェントオートメーションを活用して、新型コロナワクチンの提供を大幅に効率化させました。臨床試験データの処理時間を最大88%短縮、製品表示の確認作業・症例報告書処理を自動化したことで、年間約50万時間の削減に成功し、より多くの時間を新薬開発などのコア業務に充てられるようになりました。
参考:ファイザーがインテリジェントオートメーションを拡張して患者の生活を変えた方法 | SS&C Blue Prism
区民サービスの提供・業務効率化|東京都港区
東京都港区では、AI-OCRとRPAの組み合わせにより、コミュニティバス無料乗車券の申請処理を自動化しています。住民が提出した手書き申請書をAI-OCRで読み取り、システムへの入力をRPAで自動化することで年間約2000時間の業務削減を見込んでおり、削減された業務時間は区民サービス向上のための業務に充てています。
また、総務省の「RPA導入状況調査」では、同区は「RPAを活用することにより、職員の事務処理効率化と正確性向上を図り、区民サービスに割り当てられる時間とリソースが増加した」と回答していることから、インテリジェントオートメーションで大幅な業務削減に成功していると考えられます。
業務の自動化|昭和リース株式会社
昭和リース株式会社では、複雑で人手の多い業務プロセスの効率化を目的にRPAツールを導入しました。導入によって34業務の自動化を実現し、およそ8,400時間の業務時間削減に成功しています。今後は対象業務のロボット化を目指しており、インテリジェントオートメーションの実現によって年間2,300時間の業務時間が削減される見通しです。
参考:blueprism インテリジェントオートメーション の導入事例一覧
RPAで業務効率化を実現するならPeaceful Morning
すでに社内にRPAを導入し、実用化させているものの、対象業務が限定的という課題に悩んでいる企業担当者の方も多いでしょう。インテリジェントオートメーションという画期的な環境構築を実現させたいときは、Peaceful Morningが提供する各サービスの利用がおすすめです。
Robo Runner|RPA・AI導入の伴走型サービス
Peaceful Morningでは、RPA・AIの導入から開発、運用まで、プロのエンジニアが伴走型でサポートする「Robo Runner」を提供しています。無制限のチャットサポートやWebミーティング、豊富なeラーニングコンテンツを通じて、主要ツールの習得から実際の業務活用まで、企業や部署のDX推進を全面的にサポートします。
RPAをはじめ、生成AIやAI-OCRなど、さまざまなデジタルツールの活用を通じて業務効率化を図りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ
RPAが「オワコン」といわれる背景には、期待していた効果が得られないことや、費用対効果・効果測定が難しいなどがありますが、設計と運用の工夫で解決できることがほとんどです。
また、生成AIやAI-OCRなどの先端技術と連携させ、ビジネスプロセス全体を一貫して自動化できるインテリジェントオートメーションを実現させることで、さらなる効率化や自動化を期待できます。
インテリジェントオートメーションを実現させたい方は、ぜひPeaceful Morningにお気軽にご相談ください。


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