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ECRSとは?業務改善に不可欠なフレームワークを解説します

ECRS

業務改善とは、より少ない資源(ヒト・モノ・カネ・情報)でより質の高い商品・サービスを顧客に提供することを実現することです。

近年、労働人口の減少や女性活躍推進により多くの企業でテレワーク導入などの働き方に大きな変化がありました。さらに新型コロナウイルスの感染拡大により働き方改革に拍車をかけたことでしょう。第7波を迎え、withコロナ生活に慣れてきた今、会社組織の仕事効率や生産性を今一度考える時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

そこで、業務改善を効率よく遂行するためのフレームワークがECRSです。このフレームワークは製造業はもちろん、オフィス業務など全ての現場に当てはめることができます。本記事ではECRSについてわかりやすく解説していきます。
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業務改善に不可欠なフレームワークECRSとは

ECRSとはE(Eliminate):排除、C(Combine):結合と分離、R(Rearrange):再配置、S(Simplify):簡素化の4つの頭文字を改善効果の大きい順番に並べたものです。

それぞれの内容を詳しく整理していきます。

E(Eliminate):排除

業務改善を行う上で、1番最初に検討すべき点が「排除」です。そもそも、その作業は不要ではないか、無駄なことではないかを検討します。
そのためにはまず、その工程はどのような目的・意味があるのかを考えます。目的や意味が曖昧になってしまっている工程がないよう、工程を今一度見直しましょう。また、他の簡単な方法に置き換えることで工程が排除できるケースもあります。

C(Combine):結合

次に、検討すべき点は「結合・分離」です。ここでは、類似・重複したり分担して行ったりしている作業を一つにまとめたり、反対に工程を分離することで工程内容をシンプルにわかりやすくします。工程や作業者によって分断されていたものをまとめて連続的に行うことでスムーズに作業を進めることができたり、作業内容を把握しやすくなったりします。反対に一つの工程・一人の作業に偏ってしまっては作業効率は悪くなります。そのような場合は分離することで作業内容をわかりやすくします。

R(Rearrange):再配置

3番目に検討すべき点は「再配置」です。ここでは、排除や結合が難しい業務のを順序を変更することで、移動や停滞といった余分に生じている時間や労力を見直します。簡単な一例として、作業動線を見直すことが挙げられます。動線に配慮してものを配置するだけでも作業効率化を図ることができます。

S(Simplify):簡素化

最後に検討するべき点は「簡素化」です。ここでは複雑化した作業を誰でも行うことができるようにします。ここでの代表例がITシステム化・自動化です。今ではITが進化し、多くのことがITシステムに代用できるようになりました。単純作業はITシステムに任せ、難しい判断のみ作業者が行うようにすれば作業効率も向上します。他にも作業のマニュアルなどを作成することで作業を簡単にすることができます。

自動化ツールの一つであるRPAについては他の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

RPAについて詳しくはこちら

ECRSの活用例

この章では次のような具体例に対してECRSを活用し、業務改善を実際にしてみましょう。

架空の企業Aでは、以下の流れで書類を作成する業務を行っています。

内容を考える→書類を作成する→上司のチェックを受ける→修正する→上司からハンコをもらう→提出(共有)する

ここで自分ならこの業務をどう改善するかシミュレーションをしてみてください。このとき、E→C→R→Sの順に考えるのがポイントです。

E:Eliminate/排除の具体例

まずは、この業務が本当に必要か、書類を作成する目的が明確かを考え、そうでなければ思い切ってこの業務そのものを無くしてしまいましょう!
例えば、書くことだけが習慣化して、誰も読んでいないような日報や報告書の作成は廃止してよいでしょう。
また、確認として上司からハンコをもらう工程は本当に必要でしょうか?押印を無くせば、上司が不在でハンコをもらえないために書類の提出ができないなどといった、待ち時間を減らすことができます。

C:Combine/結合・分離の具体例

取引先ごとに内容を分けて作成していた書類を、ひとつの形式にまとめる、完成する毎に提出していた書類を、1日の終わりにまとめて提出する、複数人で項目ごとに分担していたが、1人で1つの書類全体を担当することにする、といったことなどが改善例として挙げられます。
このような改善を行うことで、合間合間に生じていた余計な時間や手間を省くことができます。

R:Rearrange/再配置の具体例

例えば、上司による確認作業を書類の内容を考えた後に実施することで、書類作成者と上司との間に書類の目的について認識の違いがないか確かめることができます。
現状の作業工程では、認識に差があった場合、一度作成した書類を一から書き直す必要があります。

S:Simplify/単純化の具体例

会議の報告書や毎日送られてくるデータの入力といった、繰り返しの作業はテンプレートを予め作成したり、自動化ツールを活用したりすることで、作業時間を大幅に減らすことができます。また、書類の共有をGoogle Drive等のサービスを通じて行うことで、いつでも書類の閲覧・編集が可能になります。

ECRSを使用するメリット

ECRSを用いた業務改善に取り組むことで以下のようなメリットが挙げられます。

1.金銭的・人的・時間的コストの削減

特にEliminate(排除)の段階で、改善前の業務自体を削除することでそれまでに費やしていた金銭、労働、時間をカットすることができます。

2.認識の統一化

オンライン上でのコミュニケーションツールを取り入れることで、多くの人と情報共有が同時に行うことができるようになるため認識のずれが起こりにくくなります。

3.属人化の解消

Simply(簡素化)の段階で業務内容を誰でも行えるようにマニュアルやオペレーションを定めることで属人化を解消することができます。

4.働きやすい組織へ

ECRSを用いて業務改善をすることで、個人の業務が明確になったり、情報共有をしやすい環境になったり、マニュアルにより業務内容がわかりやすくなることで組織全体が働きやすい環境になります。

ECRS注意点

反対に、ECRSを用いた業務改善をすることでの注意点も存在します。

小さなことから着手すること

無理して大きなフローを変えてしまうと混乱が起きてしまいます。そこでミスが増えれば意味がありません。細かなタスクから見直し、段階的に変えていきましょう。

業務改善の明確なゴールを決め、組織全体で共通認識を持つこと

管理者の方とその元で働く方の業務改善でのゴールを明確に持つことで初めて業務改善のスタートラインに立つことができます。現時点での課題をいつまでに(期限)どのように行い(方法)何を達成するか(成果)を具体的に示してから着手するようにしましょう。
また、簡素化の段階で属人化を解消することにより古参の立場の人から反感を買わないように注意する必要があります。

成功事例〜無印良品の業務改善 S(簡素化)


ここではECRSを用いた業務改善に成功した企業である無印良品をご紹介します。
無印良品はかつて「無印良品の時代は終わった」と囁かれるほど業績が悪化した時期がありました。当時、仕事のスキルやノウハウを蓄積する仕組みがなかったため、担当者がいなくなったらまた一からスキルを構築しなくてはならなかったのです。
しかし、当時の社長である松井忠三さんが細かい業務までマニュアルを作成し、仕組み化したことで、ECRSのSに当たる簡素化を徹底的に強化され業績はV字回復を遂げました。
無印良品には店舗で使っているマニュアル「MUJIGRAM」と本部の業務をマニュアル化した「業績基準書」という2つのマニュアルがあります。

2つのマニュアルには経営から商品開発、売り場のディスプレイや接客まで、全ての仕事のノウハウが書かれています。
マニュアル作りなどの仕組みづくりによってどのような業務改善ができたのでしょうか。

①業務を標準化することで属人化を防ぐ
細かな業務までマニュアル化することでその業務に慣れていない人でもうまく行うことができるようになりました。また、どの店舗でも同じサービスを受けられます。

②人材育成を効率的に行うことができる
新入社員が見てもわかりやすい徹底した具体的なマニュアルを作ることで、教える側に差がなくなり、100人いたら100人同じ仕事ができるようになります。

③仕事の生産性が上がる
例えば、名刺の管理を共有することや提案書のハンコは三つまでなどと仕組みを作ることでそれまでにかかっていたコストを削減することができたり、即決定し即実行に移すことができたりします。また、プレゼンテーションなどで使用する資料のフォーマットを作成することで時間短縮にもなります。

④情報共有がしやすくなる
社内ネットワークシステムを使用することで違う部署の情報も見ることができ、コミュニケーションが盛んになります。

引用・参考文献 無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい 著者 松井忠三 出版社 角川書店 発行年 2013年

ECRSの4つの原則を意識しよう


本記事ではECRSについて、メリット、注意点、成功事例を用いて解説してきました。

E(Eliminate):排除

C(Combine):結合と分離

R(Rearrange):再配置

S(Simplify):簡素化

の4つの原則で現在の業務に改善の余地はないか新たな視点を持って見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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