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ECRSとは?業務改善に役立つフレームワークを解説!

業務改善とは?

近年、働き方改革や企業のテレワーク推奨により、「いかに一人一人が生産性高く働けるか」ということが重要になっています。また、少子高齢化が進む日本ではこの先、労働人口が減っていくことが予想されます。働く上での効率性や柔軟さが重視される現代において、「企業の業務改善」が今後さらに重要なテーマとなります。

業務改善とは、無駄な業務を減らし、業務を効率化することを指します。業務改善をすることで、「労働者の負担削減」「生産性の改善」につなげることが目的です。

業務改善と聞いて、トヨタ生産方式を思い浮かべる方もいるかもしれません。トヨタ生産方式の、生産現場の「ムダ・ムラ・ムリ」を徹底的になくし、良いものだけを効率良く造ることを目指す姿勢は世界中で研究されています。
この記事では、そんなトヨタ生産方式とも関わりのある「ECRS(イクルス)」に焦点を当てて解説していきます!

その他の業務改善のステップやECRS以外のフレームワーク、役立つツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

業務改善に役立つフレームワーク「ECRS」

フレームワークとは?

フレームワークの本来の意味は枠組みや骨組みのことを指します。ここではそこから発展して「問題解決を図る際に基準となる考え方の枠組み」といった意味合いで使用しています。フレームワークで示された方法に沿って問題を分析していくことで、簡単に効率よく解決策を探していくことができます。

ECRSのフレームワーク

ECRS(イクルス)は、業務改善におけるフレームワークであり、E(Eliminate):排除、C(Combine):結合、R(Rearrange):再配置、S(Simplify):単純化の4つの頭文字からこのように呼ばれています。改善における障壁は小さく、その効果は大きくなるようE→C→R→Sの順に業務内容の問題点を探し、改善していきます。これら4つの視点の詳細は次の節で説明します。
ECRSは工場の生産現場でしばしば用いられており、オフィス業務でもその考えを適用することで、生産性を向上させることができます!

E:Eliminate/排除

E(Eliminate)とは、ECRSにおいて最初に考えるべき「なくせないか」という視点です。業務や作業を思い切って排除してしまうことで、それに取られていた時間や労力を別のものに当てることができ、生産性が向上します。さらに、無くすという行為にはコストや手間を必要としない場合が多いという利点があります。そのため、ECRSではEを1番目に考えます。
移動や停滞といった付加価値を生まない行為、目的や意味が分からない作業は無くしてしまいましょう!

C:Combine/結合

次にCombine「組み合わせられないか」という視点を導入します。ここでは類似・重複したり分担して行ったりしている作業を一つにまとめます。工程や作業者によって分断されていたものをひとまとめにし連続的に行うことで、スムーズな流れが生まれ効率を高めることができます。

R:Rearrange/再配置

3番目に着目するのがRearrange「順序を変えられないか」という考え方です。順序を変更することで、移動や停滞といった余分に生じている時間や労力を無くします。再配置をする対象には、作業手順、作業場所、作業者などが含まれます。例えば、右利きの人であればデスクの右側によく利用するものを置くといったこともRearrangeの簡単な一例です。
改善したい工程の目的を予めはっきりさせ、それを最も効率的に実行させるにはどうすればよいか考えることが大切です。

S:Simplify/単純化

最後にSimplify「簡単にできないか」について考えていきます。一連の工程を作業ごと、動作ごとに分解していき、それぞれに再度ECRSを適用することでそれぞれの動作をより単純に実行できないか分析します。
Simplifyの代表例が、機械化・自動化です。自動化ツールの一つであるRPAについては
他の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

ECRSの活用例

書類作成業務を改善!

この章では次のような具体例に対してECRSを活用し、業務改善を実際にしてみましょう。

架空の企業Aでは、以下の流れで書類を作成する業務を行っています。

内容を考える→書類を作成する→上司のチェックを受ける→修正する→上司からハンコをもらう→提出(共有)する

ここでいったん、自分ならこの業務をどう改善するかシミュレーションをしてみてください。このとき、E→C→R→Sの順に考えるのがポイントです。

E:Eliminate/排除の具体例

まずは、この業務が本当に必要か、書類を作成する目的が明確かを考え、そうでなければ思い切ってこの業務そのものを無くしてしまいましょう!
例えば、書くことだけが習慣化して、誰も読んでいないような日報や報告書の作成は廃止してよいでしょう。

また、確認として上司からハンコをもらう工程は本当に必要でしょうか?
押印を無くせば、上司が不在でハンコをもらえないために書類の提出ができないなどといった、待ち時間を減らすことができます。

C:Combine/結合の具体例

取引先ごとに内容を分けて作成していた書類を、ひとつの形式にまとめる、
完成する毎に提出していた書類を、1日の終わりにまとめて提出する、
複数人で項目ごとに分担していたが、1人で1つの書類全体を担当することにする、
といったことなどが改善例として挙げられます。このような改善を行うことで、合間合間に生じていた余計な時間や手間を省くことができます。

R:Rearrange/再配置の具体例

例えば、上司による確認作業を書類の内容を考えた後に実施することで、書類作成者と上司との間に書類の目的について認識の違いがないか確かめることができます。
現状の作業工程では、認識に差があった場合、一度作成した書類を一から書き直す必要があります。

S:Simplify/単純化の具体例

会議の報告書や毎日送られてくるデータの入力といった、繰り返しの作業はテンプレートを予め作成したり、自動化ツールを活用したりすることで、作業時間を大幅に減らすことができます。また、書類の共有をGoogle Drive等のサービスを通じて行うことで、いつでも書類の閲覧・編集が可能になります。

ECRSの4つの視点を持とう

いかがでしたでしょうか。業務改善を実施したくても、どうすればよいのか分からなかった方でも、ECRSのフレームワークの手順に従うことで、思ったよりも簡単に取り組めそうと感じたのではないでしょうか。

ECRSでは、E→C→R→Sの順に排除、結合、再配置、単純化を考えました。繰り返しの作業ほど、業務改善を実施したときの効果は大きくなります。
日々行っている業務をECRSの視点で見つめ直してはいかがでしょうか。新たな発見があるかもしれません。

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