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OCRの精度を上げる7つのコツ|認識率が下がる原因・測り方・AI-OCRとの違いを解説

OCRの精度を上げる7つのコツと文字認識に影響を与える要素を解説

OCRを導入したものの、「文字を正しく読み取れない」「数字や記号だけ間違える」「帳票によって精度にばらつきがある」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

OCRの認識精度は、OCRツールそのものの性能だけで決まるものではありません。読み込む画像の解像度や傾き、文字のかすれ、帳票レイアウト、手書き文字など、さまざまな要素によって変化します。

OCRの精度を高めるには、「読み取り画像を整える」「帳票に合ったOCRを選ぶ」「読み取り結果を検証する」という3つの視点が重要です。

本記事では、OCRの文字認識精度に影響する要素と、精度を上げる7つのコツを解説します。OCRの精度を測る方法や、従来型OCRで改善しない場合にAI-OCRを検討するポイントも紹介します。

関連記事:OCRにはどんな機能がある?AI-OCRとの違いや導入手順について解説

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OCRの精度とは?認識率はどう考える?

OCRの精度とは、画像や紙書類に記載された文字を、どれだけ正しくデータへ変換できたかを表すものです。

たとえば、100文字の文書をOCRで読み取り、そのうち98文字を正しく認識できた場合、単純な文字単位で考えると高い認識精度で読み取れているといえます。

ただし、実際のOCR精度を評価する際は、「正しく認識できた文字数」だけを確認すればよいとは限りません。

文字が別の文字へ置き換わっただけでなく、本来ある文字が抜けたり、本来ない文字が追加されたりするケースもあるためです。

OCRの精度を測る代表的な考え方

OCRを評価する際には、文字や単語単位のエラー率を確認する方法があります。

指標概要見方
文字認識率正しく認識できた文字の割合を確認する高いほど精度が高い
CER(文字エラー率)文字の置換・欠落・追加などの誤りを文字単位で評価する低いほど精度が高い
WER(単語エラー率)単語の置換・欠落・追加などを単語単位で評価する低いほど精度が高い
項目単位の正答率氏名・金額・日付など必要な項目が正しく抽出できたか確認する業務利用時に重要

業務でOCRを利用する場合は、文書全体の認識率だけでなく、業務上重要な項目を正しく取得できているかを確認することが重要です。

たとえば請求書の場合、会社住所の1文字を誤認識するケースと、請求金額を1桁間違えるケースでは、業務への影響が大きく異なります。

そのため、「全体で何%読めたか」だけではなく、金額・口座番号・日付・顧客番号など、重要項目ごとに精度を確認しましょう。

「OCR精度99%」だけで製品を判断しない

OCRサービスによっては、高い文字認識率を訴求している場合があります。

ただし、OCRの精度は読み込む文書の種類や画質、言語、手書きの有無、レイアウトなどによって変わります。

そのため、異なる条件で算出された認識率を単純に比較することは適切ではありません。

導入を検討する際は、自社で実際に使用する帳票を使って読み取りテストを行うことが重要です。

OCRが文字を認識する仕組み

OCRの認識精度を改善するためには、どのような流れで文字を読み取っているのか理解しておくと原因を特定しやすくなります。

一般的なOCR処理は、以下のような流れで行われます。

1.画像を読み込む

まず、スキャナーやスマートフォン、デジタルカメラなどで文書を画像データとして取り込みます。

PDFやJPEG、PNGなど、対応するファイル形式はOCRツールによって異なります。

2.画像を前処理する

読み取った画像に対して、文字認識しやすい状態へ整える処理を行います。

代表的な処理には以下があります。

  • 傾き補正
  • ノイズ除去
  • コントラスト調整
  • 文字領域の抽出
  • レイアウト解析

3.文字を認識する

画像内にある文字の形を分析し、「あ」「A」「1」など、どの文字に該当するかを判定します。

この段階では、「1」と「I」、「0」と「O」、「工」と「エ」のように形が似ている文字で誤認識が発生することがあります。

4.前後関係などから補正する

OCRツールによっては、辞書や前後の文字などを利用して認識結果を補正します。

AI-OCRでは、AI技術を利用して文字や文書構造を判断する製品もあります。

5.テキストデータとして出力する

最後に、認識した内容をテキストやCSV、Excelなどの形式へ変換します。

ツールによっては、文字列を抽出するだけでなく、「会社名」「金額」「日付」などの項目に分けて出力できる場合もあります。

OCRの認識精度が下がる主な原因

OCRの精度は、主に「入力する画像」「文字」「帳票」「OCRツール」の4つの要素から影響を受けます。

要因具体例
画像品質低解像度、ぼやけ、影、ノイズ、傾き
文字小さい文字、かすれ、崩れた手書き、特殊文字
レイアウト複雑な表、複数段組、文字と画像の混在
OCRツール対象言語・手書き・非定型帳票に対応していない

画像の解像度や画質が低い

読み込み画像がぼやけていたり、文字が潰れていたりすると、OCRは文字の形を正しく判別しにくくなります。

特に小さい文字や画数の多い漢字では、画像品質による影響を受けやすくなります。

スマートフォンで撮影する場合も、ピントが合っていない、暗い、手ぶれしているなどの状態では精度が低下する可能性があります。

文書が傾いている・歪んでいる

文書を斜めから撮影した場合や、スキャン時に原稿が傾いていた場合も、文字認識に影響します。

スマートフォンで撮影した画像では、台形状に歪むこともあるため注意が必要です。

文字と背景のコントラストが低い

薄いグレーの文字や、色のついた背景の上に文字が記載されている場合は、文字と背景の境界を認識しにくくなります。

印刷が薄くなった古い文書やFAXなども同様です。

文字がかすれている・潰れている

紙の劣化や印刷品質によって文字の一部が欠けている場合、OCRが別の文字として認識することがあります。

たとえば、「8」と「3」「6」と「0」などの数字は、一部が欠けることで誤認識につながる可能性があります。

手書き文字や特殊なフォントを使用している

手書き文字は、人によって文字の形が異なります。

また、装飾の多いフォントや極端に細い・太いフォントなども、一般的な活字と比べて読み取りにくい場合があります。

帳票のレイアウトが複雑

罫線が多い表や複数段組、画像・文字・図形が混在している文書では、「どこからどこまでが文字なのか」を判断しにくくなる場合があります。

読み取り対象が非定型帳票の場合は、単純なOCRではなく、帳票解析に対応したAI-OCRを検討する方法もあります。

OCRツールと文書の相性が合っていない

OCR製品によって得意な文書は異なります。

活字に強い製品もあれば、手書き文字や請求書など特定の帳票に強い製品もあります。

読み取り画像を何度調整しても精度が改善しない場合は、OCRツール自体が対象文書に適していない可能性もあります。

OCRの精度を上げる7つのコツ

OCRの精度が低い場合は、すぐにツールを変更するのではなく、まず読み込み条件を見直してみましょう。

1.読み取り画像を鮮明にする

最初に確認したいのが、OCRへ入力する画像の品質です。

文字がぼやけている場合は、スキャン設定を見直したり、より高い解像度で取り込み直したりしましょう。

スマートフォンで撮影する場合は、以下も意識します。

  • 十分な明るさを確保する
  • ピントを文字に合わせる
  • 手ぶれを防ぐ
  • 文書全体が画面に収まるようにする

ただし、解像度を上げれば必ず精度が向上するとは限りません。必要以上に画像サイズを大きくすると処理時間やファイル容量が増えるため、利用するOCR製品の推奨条件も確認しましょう。

2.傾き・歪みを補正する

文書が斜めになっている場合は、傾きを補正してからOCRへ読み込ませます。

スマートフォンで撮影した書類では、画像が台形状に歪んでいないかも確認しましょう。

OCR製品やスキャンアプリに自動補正機能が備わっている場合は活用します。

3.文字と背景のコントラストを調整する

OCRが文字と背景を区別しやすい状態に整えることも重要です。

背景と文字の色が近い場合は、グレースケール化や二値化などによってコントラストを調整すると改善する場合があります。

特に以下のような文書は注意しましょう。

  • カラー背景に文字が記載されている
  • 紙が黄ばんでいる
  • 裏面の文字が透けている
  • 印刷が薄い

4.ノイズや影を減らす

書類とは関係のない点や線、影などが画像へ入り込むと、OCRが文字として認識する場合があります。

スキャンする前に原稿台の汚れを取り除いたり、撮影時に影が入らないようにしたりしましょう。

既存画像を使用する場合は、画像編集機能によるノイズ除去やシャープ処理が有効な場合もあります。

ただし、強く加工しすぎると細い文字まで消してしまう可能性があるため、加工前後で読み取り結果を比較しましょう。

5.必要な文字領域だけを読み取る

読み取り対象以外の画像や装飾、罫線などが多い場合は、必要な領域だけに絞ってOCRを実行する方法があります。

たとえば、請求書から「請求金額」だけを取得したい場合、帳票全体を読み込ませるよりも、対象領域を指定できるOCRの方が安定するケースがあります。

「文書全体を完全に文字起こしする必要があるのか」「業務で必要な項目だけ取得すればよいのか」を整理することも重要です。

6.文書に合ったOCR・AI-OCRを選ぶ

画像品質を改善しても精度が上がらない場合は、利用するOCR製品を見直しましょう。

文書ごとに適したOCRは異なります。

読み取り対象検討したいOCR
印刷された定型帳票一般的なOCR・定型帳票OCR
手書き文字手書き認識に対応したAI-OCR
フォーマットが異なる請求書非定型帳票に対応したAI-OCR
スマートフォンで撮影した文書傾き・歪み補正に対応したOCR
大量の帳票を後続システムへ登録するAPI・RPA連携に対応したAI-OCR

関連記事:AI-OCRとは?OCRとの違いやメリット・デメリット、製品の比較ポイントを解説

7.実際の帳票で精度を検証し、人による確認基準を決める

OCRの精度を上げるうえで重要なのが、実際に業務で使用する帳票による検証です。

サンプル文書だけで高い精度が出ても、自社の帳票で同じ結果になるとは限りません。

導入前には、以下のような複数パターンでテストしましょう。

  • きれいに印刷された帳票
  • FAXで受信した帳票
  • 手書きが含まれる帳票
  • 文字が薄い帳票
  • 取引先によってレイアウトが異なる帳票

また、OCR製品によっては認識結果に対する信頼度スコアを取得できる場合があります。

その場合は、「信頼度の高いデータは自動処理」「一定基準を下回るデータは人が確認する」といった運用も検討できます。

100%の認識を前提にするのではなく、どこまで自動化し、どこから人が確認するかを決めることが実務では重要です。

OCR精度を確認するときは「重要項目」を分けてテストする

OCRの導入テストでは、文書全体の文字認識率だけでなく、業務上重要な項目ごとに結果を確認しましょう。

たとえば請求書であれば、以下のように整理できます。

項目重要度確認内容
請求金額高数字・桁・カンマなどを正しく取得できるか
取引先名高会社名を正しく認識できるか
請求日高日付形式が異なっても取得できるか
請求書番号高英数字・ハイフンを正しく認識できるか
住所中漢字・数字を正しく取得できるか
備考業務による自由記述・手書きにも対応できるか

特に金額や顧客番号など、1文字の誤りでも後続業務へ大きな影響を与える項目は重点的に確認します。

OCRの精度を実際に検証した例

BUSINESS HACKでは、生成AIをOCRとして使用し、活字や手書き文字の読み取り精度を検証しています。

活字データでは全体として多くの文字を読み取れた一方、郵便番号など一部の数字で誤りが確認されました。

また、手書きのアンケートや行動予定表では文字を読み取れるケースがあったものの、読み取った内容の位置がずれるなどの問題も確認されています。

この検証からも、見た目として高精度に読み取れていても、数字や項目位置など業務上重要な部分で誤りが生じる可能性があることがわかります。

関連記事:【GPT-4o】RPAと連携して業務に活用しよう!【OCR精度検証:手書きの日本語も読める?】

OCRの精度が改善しない場合はAI-OCRを検討する

画像の補正や読み取り範囲の調整を行っても認識精度が改善しない場合は、AI-OCRを検討する方法があります。

AI-OCRとは、OCRによる文字認識にAI技術を組み合わせた仕組みです。

製品によって異なりますが、従来型OCRでは対応しにくかった手書き文字や、レイアウトの異なる帳票などに対応できる製品があります。

OCRAI-OCR
活字・定型帳票に向いている製品が多い手書き・非定型帳票に対応する製品もある
読み取り位置を事前設定するケースが多い帳票や項目をAIで判定できる製品もある
比較的シンプルな文字認識に向く文書構造を踏まえた情報抽出に対応する製品もある

ただし、AI-OCRを利用すれば必ず100%正しく認識できるわけではありません。

対象となる帳票や手書き文字、画像品質などによって結果は変わるため、AI-OCRでも事前テストは必要です。

関連記事:AI-OCRは実務で使えない?導入後の課題をクリアするポイントを解説!

OCR・AI-OCRを導入するときの精度チェック方法

OCRの製品選定では、機能一覧やベンダーが公表する認識率だけでなく、実際の業務を想定して検証することが重要です。

1.実際に使用する帳票を用意する

きれいなサンプル帳票だけでなく、実務で発生するさまざまな状態の帳票を用意します。

取引先が複数ある場合は、レイアウトが異なる帳票も含めましょう。

2.正解データを用意する

OCRの読み取り結果と比較できるよう、正しい文字・項目をあらかじめ用意します。

テスト件数が少なすぎると実際の運用時に問題が見つかる可能性があるため、可能な範囲で複数パターンを確認します。

3.重要な項目を決める

すべての項目を同じ重要度で評価する必要はありません。

請求金額や顧客番号など、間違えると後続業務へ大きな影響がある項目を明確にしておきましょう。

4.修正にかかる時間も測る

OCRの目的は、認識率を高めることだけではありません。

認識結果の確認・修正に手作業が多く必要であれば、OCRを導入しても十分な業務効率化につながらない可能性があります。

そのため、以下も含めて比較しましょう。

  • OCR処理にかかる時間
  • 誤認識の件数
  • 人による確認時間
  • 修正時間
  • 後続システムへの登録時間

「何%読み取れるか」だけでなく、「最終的に業務時間をどれだけ削減できるか」を評価することが重要です。

OCRで読み取ったデータはRPAと組み合わせて自動処理できる

OCRで書類をデータ化しても、その後に人がシステムへ転記していては、十分な業務効率化につながらない場合があります。

OCR・AI-OCRとRPAを組み合わせることで、以下のような一連の処理を自動化できます。

  1. 帳票や画像を取得する
  2. OCR・AI-OCRで文字や項目を読み取る
  3. 必要に応じて人が確認・修正する
  4. RPAで基幹システムへデータを入力する
  5. 処理済みファイルを保存・移動する

特に大量の請求書や申込書、注文書などを扱う業務では、OCR単体ではなく、前後の業務プロセスまで含めて設計すると効率化の効果を高めやすくなります。

AI-OCRを比較・検討したい方へ

画像品質やスキャン方法を改善してもOCR精度が安定しない場合は、対象帳票に合ったAI-OCRを比較してみましょう。

「AI JIMYサービス資料」では、AI JIMYのサービス内容や料金プラン、AI-OCRツールとの比較について紹介しています。

無料で試せるAI-OCRを比較したい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:【2026年最新】無料で使えるAI-OCR10選|無料範囲・選び方・注意点を比較

まとめ

OCRの認識精度は、OCRツールそのものの性能だけでなく、画像品質や傾き、文字の状態、帳票レイアウトなど、さまざまな要素によって変化します。

OCRの精度が低い場合は、以下の7つを確認してみましょう。

  1. 読み取り画像を鮮明にする
  2. 傾き・歪みを補正する
  3. 文字と背景のコントラストを調整する
  4. ノイズや影を減らす
  5. 必要な文字領域だけを読み取る
  6. 文書に合ったOCR・AI-OCRを選ぶ
  7. 実際の帳票で精度を検証し、人による確認基準を決める

OCRでは「認識率を100%にすること」だけを目標にするのではなく、重要な項目を正しく取得できるか、人による確認をどこまで減らせるかまで含めて評価することが重要です。

従来のOCRでは手書き文字や非定型帳票の読み取り精度が安定しない場合は、AI-OCRも選択肢に入れましょう。

自社帳票にAI-OCRが適しているか確認したい方は、以下の資料もご活用ください。

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