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iPaaSとは?概要やメリット・デメリット、選び方を解説!

iPaaSとは?概要やメリット・デメリット、選び方を解説!

DX推進を筆頭にデジタル化が進む現代ビジネスでは、それぞれのシステムをスムーズに活用するための連携が欠かせません。システム間のスムーズな連携を目的としてSaaSがあるものの、企業内部には多数のサービスが点在していることも多く、1つひとつを連携することは容易ではないでしょう。

そのようなときに活用したいものがiPaasです。この記事では、iPaasの概要と注目される理由をはじめ、大まかな種類とメリット・デメリットについて解説します。

iPaaSとは?

iPaaSは、組織に点在したクラウドサービスやオンプレミスで管理されたデータを一元連携できるソリューションのことです。一言でいうと、システムやアプリケーションをつなぎ、データをスムーズにやり取りできるようにする橋渡し役です。「Integration Platform as a Service」の頭文字を取った略称で、アプリケーションやプラットフォームなど種類・環境を問わず連携でき、1つのデータにまとめられます。

なお、 iPaaSの具体的なツールは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。

関連記事:今話題のiPaaSとは?ツール一覧を紹介

注目される理由

iPaaSが注目される理由は点在したデータを連携できる点です。部署や業務によってクラウドサービスやソフトウェアを独立して使用する機会が増えていますが、そのためにデータが点在するといった課題が生まれています。データの点在はリアルタイムな連携を困難にさせることから、業務効率の低下や管理コストの増加といった別の問題も生じています。

データ連携におけるさまざまな課題を解決できると注目されているものがiPaaSであり、主にAPIを使って連携し、業務の効率化・自動化を可能にします。

iPaaSの4つ種類と特徴

iPaaSは下表のように4つに大別されます。

種類

概要

レシピ/

テンプレート型

・あらかじめ用意されたテンプレートを活用し、スムーズなデータ統合やシステム連携を可能にするプラットフォーム

ETL/ELT型

・「Extract(抽出)」「 Transform(変換)」「 Load(ロード)」の頭文字を取った略語

・ELT型と呼ばれることもある

・異なるデータソースからデータを収集し、必要な形へと加工後、必要な場所に移動できるプラットフォーム

EAI型

・「企業内アプリケーション統合」を意味する「Enterprise Application Integration」の頭文字を取った略語

・企業内にある多数のアプリケーションをつなげ、業務プロセスの自動化・効率化を図るサービス

ESB型

・「Enterprise Service Bus」の頭文字を取った略語

・多様なソフトウェアを相互に接続し、効率的にデータのやり取りができるプラットフォーム

 

種類によって異なる性質を持つことから、企業や部署、業務のニーズや目的に応じて選べます。最適なプラットフォーム・サービスの利活用によってシステム統合の効率化やビジネスプロセスの最適化が実現できます。

iPaaSとRPAの違い

RPAは、パソコン上のツール内で作業手順を作り自動化へつなげる技術を指します。そのためRPAは業務の自動化に、iPaaSは多様なシステムにおけるデータ統合を目的としているといった違いがあります。RPAについては以下の記事でまとめているので、興味のある方はこちらの記事もご覧ください。

関連記事:【完全版】RPAとは?わかりやすく仕組みや期待できる効果を事例とともに解説

SaaSやIaaSなどとの違い

iPaaSと混同しやすい言葉としてSaaSやIaaSなどがありますが、それぞれの概要は下表の通りです。

種類

概要

SaaS

・「Software as a Service」の頭文字を取った略語で「サーズ」「サース」と呼ばれる

・クラウドを通じてソフトウェアアプリケーションを提供するサービス

・周辺機器にインストールして使用する手間がなく、いつでも手軽に利用できる特徴がある

IaaS

・「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った略語で「イアース」「イアーズ」と呼ばれる

・インターネットを介し、必要に応じてサーバー、ストレージなどを利用できるサービス

PaaS

・「Platform as a Service」の頭文字を取った略語で「パース」と呼ばれる

・ソフトウェアの開発環境をクラウドを通じて利用できるサービス

・アプリケーションの開発、テストなどに利用可能

DaaS

・「Desktop as a Service」の頭文字を取った略語で「ダース」と呼ばれる

・クラウド上でデータ提供を行うサービスで、ストレージや管理、配信が可能

BaaS

・「Backend as a Service」の頭文字を取った略語で「バース」と呼ばれる

・クラウドを通じてアプリケーション開発におけるデータベースや認証、ストレージなどを提供するサービス

 

いずれも非常に似た言葉ではありますが、目的や使い方に大きな違いがあります。それぞれの特徴を押さえ、自社に最適なサービス・プラットフォームを選びましょう。

iPaaSの機能

iPaaSの基本機能のひとつであるデータの統合をはじめ、ここでは利活用する前に把握しておきたい機能について解説します。

データの統合

iPaaSでは、多様なシステムからデータを収集し1つの場所にまとめることができます。一例としては、顧客管理と販売管理に関する各システムのデータを統合できるなどです。バラバラになっていた業務に必要な情報も、データの統合によって閲覧・編集・管理がスムーズに行えます。

業務フローの自動化

これまで手動で行ってきた反復作業の自動化にも対応しています。例えば「ファイルがアップロードされたとき」「メールが届いたとき」など、業務のきっかけをトリガーとし、これらの業務にまつわる作業を設定することで自動化できます。

注文メールが届いたときや新しい商品が取り扱われたときなどに必要な業務をフロー化し、自動実行できるように設定することで、作業効率の向上につなげられます。

リアルタイムでのデータ処理

リアルタイムでのデータ処理にも対応しています。結果の反映も迅速に処理される特徴から、例えばECサイトを運営している場合、注文を受けた数と在庫数の更新もスムーズに更新されます。

iPaaSによって注文数や在庫数をそれぞれで管理できるのは、大量の商品を取り扱う企業にとっては業務において頼もしい存在となるでしょう。

API管理

APIを活用してシステム間のデータ連携をスムーズにすることも可能です。APIを使えば、仮に異なるソフトウェアやアプリケーションでも相互にデータ共有が可能になり、導入の際の作業も容易に行うことができます。

iPaaSのメリット

iPaaSの利活用においてはメリットが多く享受できる魅力があります。多様なサービス・プラットフォームが展開しているなかで、代表的なメリットは下記の通りです。

最低限のコード入力で利用できる

iPaaSの使用にあたっては、統合するためのプラットフォームを開発・用意する必要があります。開発や用意と聞くとどこか難しいイメージがありますが、近年ではローコードまたはノーコードに対応したシステムが幅広く展開されているため、プログラミングコードを知らない方でも安心して導入できます。

ノーコードの場合、連携させたいサービスやプラットフォームをドラッグ&ドロップで組み立てる仕様であることが多く、難しい操作が不要といった特徴があります。一方ローコードは最低限のコードを要しますが、社内にエンジニアがいるのであれば細かく設定することはもちろんカスタマイズもできるので、社内の利便性に応じたシステム構築を実現できます。

クラウド上での操作が可能

近年展開されるシステムやプラットフォームの多くは、クラウドでの利用に対応していることが一般化しています。いつでもどこからでも使えるメリットがある一方で、だからこそデータがサイロ化しやすいという懸念もあります。その際にiPaaSを利用することで、データを統合しながらサービスを利用できます。

いずれもサーバーや周辺機器の環境に依存しにくいため、サービスを契約したあとはスムーズに利活用できるメリットがあります。

多角的な分析を実現

iPaaSによって社内全体のデータを1つのプラットフォームで閲覧・編集・管理ができるため、いつでも各部署のデータを必要に応じて閲覧できます。その結果、経営戦略などに要する多角的な分析も実現できます。

サービスやプラットフォームは、各部署がそれぞれの業務に適したものを選ぶことが多く、その結果データのサイロ化が進行し必要なときにデータが見られないといった事象が起きやすいです。

しかしiPaaSの導入によって企業に関するあらゆるデータを集約できるので、必要なときに必要なデータを使用し、企業や競合、顧客ニーズといったさまざまなデータを活用した分析が可能になります。

既存システムとの利便性が高い

iPaaSはAPIの使用により、容易にシステムの連結・統合が行える特徴から、社内のシステムとの利便性が高い点もメリットです。新しいシステムとの利便性も高いので、既存システムを新しいシステムへと交換・追加したいときでもスムーズに行えます。

iPaaSが登場する前からクラウドサービスを連携する方法は存在していましたが、開発におけるコストや時間の問題から、エンジニアがいない企業にとっては導入に対する壁がありました。

エンジニアがいない企業にとってiPaaSやAPIの存在は、企業の市場競争力の強化にも貢献すると考えられるでしょう。

iPaaSのデメリット

iPaaSにはデメリットも存在します。代表的なものとしては、APIが公開されていないツールとの連携が難しい点です。ごく一部ではありますが、ツール・システムのなかには、APIが公開されていないものもあります。iPaaSの利点であるAPIによる連携がツール・システムによっては制約される点はデメリットに感じる方もいるでしょう。

さらに、運用においては専門知識を要する場合もある点もデメリットになり得るでしょう。iPaaSにはさまざまなメリットがある一方で、設定が複雑化していたり連携作業が必要だったりすることも多く、ツールやシステム、使用環境においては高度なデータマッピングやセキュリティ設定を伴う場合があります。

専門知識を持つ従業員が在籍しているのであれば適切に対応できますが、在籍していない場合、外部ベンダーへ依頼する可能性もあることから、外注費用をはじめコストの問題も浮上するでしょう。また、組織における業務・作業の効率化・自動化を図るときは、DXをはじめとした専門知識を有する従業員の育成や確保などの社内整備を視野に入れる必要もあります。

iPaaSの選び方

iPaaSの利活用においては、これから紹介する選び方を参考にすることをおすすめします。

理想的な機能が搭載されているか

自社にとって理想的なiPaaSであるかを確認しましょう。iPaaSは多様なシステム・プラットフォーム・アプリケーションとの連携によって、サイロ化したデータ統合が実現できるものです。しかし、なかには集約・加工機能が少ないものや、海外製のiPaaSだと海外のビジネス習慣に基づいた機能が搭載されていることも少なくありません。

導入後に不便さを感じる可能性もあることから、導入前に1度、各部署で利用中のサービス・プラットフォームや業務フローの洗い出しを行いましょう。洗い出したサービスなどを把握することで、自社に必要なiPaaSであるかを判断しやすくなります。

ローコードまたはノーコードか

プログラミングの知識・技術を持たなくても利用できるiPaaSであるかについても確認しましょう。エンジニアが在籍する企業であれば適切な手順・操作での導入・対応ができますが、在籍しない場合、外部ベンダーに依頼する必要があるためです。

どの従業員でも比較的容易に操作できるものを求めるのであれば、最小限のコードで操作可能なローコード、ドラッグ&ドロップで操作できるノーコードタイプを選ぶことをおすすめします。

セキュリティ対策は万全か

iPaaSはクラウド上での操作が一般的です。インターネットを介した使用形態であることから、セキュリティ機能が整備されているかについても確認しましょう。使用するデータによっては、企業や個人にまつわる情報を取り扱うこともあります。その際、データが暗号化されるよう構築されている、もしくはアクセス制御があると安心して使用できます。

サポート体制はあるか

iPaaSの導入に当たっては、不明点について質問したいときや導入におけるサポートを受けたいときもあります。そのようなときでも安心を確保できるよう、サポート体制が整っているかについても確認しましょう。特にはじめてiPaaSを利用する企業であれば、分からない点が多いからこそサポートの必要性を感じやすいです。

充実したサポート体制によって迅速な問題解決をはじめ、早期の利活用へとつなげられることから、iPaaSの導入にあたってはサポートの内容や範囲、対応時間などについても細かく目を通しておきましょう。

まとめ

iPaaSは、組織内でのサイロ化したデータの統合を可能にするツールです。部署ごとのデータを1つに集約できるので、情報のやり取りが円滑になり業務の効率化につながる特徴があります。

ノーコードタイプのiPaaSを導入することでドラッグ&ドロップによる操作でデータの共有・管理が行えるため、iPaaSの利用を検討する際はどのようなタイプが自社に適しているかを熟考することをおすすめします。

なお、自社にとって最適なiPaaSを導入・利活用を希望する際は、この機会にDX推進を見据えた部署の発足や適切な人材確保を検討しましょう。

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