今回、Peaceful Morningに新しく入社したクスノキが、UiPath Training Partner of the Year受賞に関して、代表の田中にインタビューをしました。
今回のインタビューを通して、本来のRPAの魅力や業界の実情、また、弊社で提供させていただいているサービス内容について具体的にみなさんにお伝えするとともに、私自身もさらに理解を深めることができればと思います。よろしくお願いいたします。
目次
大手SIerに並び2年連続の受賞。作成・運用に悩む現場のリアルに直面し、Robo Runnerを通して本来の価値を伝えていく。
・4月のことではありますが、改めて、UiPath Training Partner of the Yearの受賞おめでとうございます。今回の受賞に関してお伺いさせてください。
まず、Robo Runnerをお使いいただいている皆さま、そしてRobo Runnerを支えてくださっている皆さまにお礼を申し上げます。
他の受賞企業様は、導入実績や開発実績に優れる大手SIer様がメインでしたが、トレーニング領域やRPA市場の裾野の開拓において、まだまだ規模の小さい弊社が2年連続で評価いただけたことをうれしく思います。
・そもそも、今回の受賞の理由となった「Robo Runner」とはどういうサービスなのでしょうか?
一言で言えば、プロのエンジニアが、RPA開発のつまづきや社内展開の伴走をするサービスです。
RPAは、2016年ごろから日本国内で急速に注目されてきました。PCで行う処理を自動化できる、というだけでなく「ローコード、ノーコードだから、プログラミング経験のない現場の方も作成して運用できる」という形で注目されたことを、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
ただ、実際には、ハードルを感じたり挫折してしまう方が数多くいらっしゃいました。
RPAを多くの企業様に導入してきたり、研修・学習コンテンツを作成・実施してきたりした我々の知見からすると、現場の方がつまづくポイントは、まず要件定義やシナリオ作成の部分でした。ここは、作成に慣れていけば、徐々に出来るようになるものです。
しかし残念なことに、現場の方も出来るとうたっていた「作成」と「運用」の部分でのつまづきは、思った以上に多かったのです。
・RPAツール開発企業の想定と違っていたのでしょうか。
確かに、RPA作成時にコードを書く必要はあまりないので、プログラム経験がない人でも作りやすいというのは事実です。しかし「if分岐」や「PC画面に表示される内容の構造」など、プログラミングで利用する知識を知らないと、実際に作成・運用するのは難しいのです。
また、社内で活用するとなると、RPAを利用する担当者それぞれが、RPAの要件やシナリオを理解し、どうすれば運用が上手く行くかを知っていなければならなかったのです。RPAの導入が急速に進むにつれ、RPAが思ったより運用負荷の高いツールであることが明らかになってきました。
RPAが市場から注目されていたタイミングで、業務効率化を目指し、開発者・エンジニアが作ったRPAは、日本国内に大量に存在しています。しかしそのRPAが現場の運用とマッチせずに使われなくなり、あるいは保守できる人が現場にいなくて動かなくなり、今や見向きもされないRPAが数多く存在している。残念ながら、それが実情です。
そのような事態にならないよう、RPAの特性や理解を深めたり、あるいは開発でつまづいた点をすぐに聞けたりするサービスが、Robo Runnerです。おかげさまで、ご利用いただいているお客様も順調に増えてきております。
・なるほど…。RPAが世の中に取り上げられてから8年以上が経過しています。最近、生成AIに押されているだけでなく、そもそも市場から注目されていない、広がっていないという声もありますが…。
これは我々自身に対する自戒も込めて、なのですが、市場が広がっていないのではなく、RPA事業者全体が市場を広げられていないだけなのでは、という危機感を持っています。
何が出来るようになるのか、どんな楽しさがあるのか、使うことでどこまで業務が効率化されるのか、私たち含めて発信しきれていないと考えています。
例えば、RPAが実際に動く様子を見たことがありますか?
これはExcelのデータをフォームに入力するという簡単な例で、初心者でも2時間くらいで作れる。こんな感じでPCが動かせるので、本当に業務効率が上がります。
・すごい速度…。これは人間だと無理ですね…。
RPAが動いている様子を初めて見た方もきっと多いと思います。RPAが世に取り上げられて10年近くが経つのに、実際にお客様にお見せしたら「始めて動いているところを見た」「こんな面白いツールなんだ」という声をいただくのです。
伝わってよかったという想いもある一方、世の中にはなかなか広まっていないのだと痛感するばかりです。
最近出たChatwork株式会社の調査によれば、DXという言葉を知らないと回答した中小企業は、55.9%に上るそうです(https://corp.chatwork.com/ja/document/pressrelease/Chatwork_research_industry_01_2404.pdf)。
このデータを見たとき、RPA業界やDX業界は、本当に必要としている人たちを置き去りにしてしまっているのだと衝撃を受けました。そもそも一部の人たちにしか伝わっていないのに、RPAにかかわっている我々事業者が、RPAは広まっていない、と言うのは間違っている。
それこそ、我々のようなRPAを現場に使ってもらうための研修・内製化支援サービスを提供している人間が、まだRPAやDXという世界に触れていないお客様に対して、その価値を伝える努力を怠ってはいけないと、改めて思い直しています。
「絶対に効果がある。」残業時間30%削減を実現した、RPAの効果を保証する導入実績。
・一方で、RPAの限界も言われています。
確かにRPAは定型的な業務が得意で、非定型的な処理は苦手な側面もあります。
しかし業務を整理し、定型的な作業を切り出せば、PCのポテンシャルを最大限に発揮しながら、勝手に仕事が進むようになります。
さらに、最近はUiPathに生成AIが組み込まれました。自動で請求書の記載情報を判別して、使いやすいデータの形にしたり、さらには個人情報を判別して自動でマスキングするなど、これまでRPA単体ではできなかった非定型業務も可能になってきています。
生成AIが急速に注目を集め、産業革命と同等に扱われるような中、今こそITやDXの導入をしなければ、あっという間に競争力を失ってしまうと思います。
・すでに使っているところはどんなところがあるのですか?
とある地方銀行では、元々窓口社員だった方が、リスキリングを通じてRPAの推進者として業務改善に取り組んでいるそうです(日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC225YQ0S3A121C2000000/)。
Robo Runnerのお客様でも、最初は社員3名で導入を始めたが、今や社員30名近くがRPAで業務効率化が可能な状態になったお客様だったり、そもそもITツールやDXに怖さを感じていた方が、自らRPA推進者として社内勉強会を開くまでになったお客様もいらっしゃいます。
例えば毎年5%ずつ効率化や改善が進めば、3年後には16%の効率改善、5年後には28%の改善です。いきなり30%近い改善は難しくとも、着実に進めることで、数年後には大きな差が生まれています。
今使い始めているところと、使わないところの差は広がるばかりだと思っています。
・実際にRPAの効果は出るのでしょうか?そもそもどんな効果が出るのでしょうか?
絶対効果はあります。それは我々の導入実績からも自信を持って保証いたします。
例えば、15,000枚の紙の発注書を自動処理することで、2人月分の工数を削減し、残業時間も30%削減した、大きな開発事例があります。これは弊社エンジニアの小漉が開発マネジメントを行いながら、現場の担当者と議論を重ねて生み出した成果です。
▼事例はこちら
Robo Runnerの事例としては、法務担当の現場従業員が作ったRPAで、毎日5件程度発生する契約書保存・リネーム・保存・比較チェックの時間を、1件当たり30分→5分にした事例があります。
先の事例に比べるとインパクトは小さいかもしれませんが、概算で25分×5件×20営業日 ≒ 40時間/月が節約できています。
この小さな成果のポイントは、4つ集まれば1人月分(160時間換算)となることです。
その方は、この契約書比較RPA以外の他のRPAも作成しており、既に部内で約1人月分の工数削減が見込めるところまで来たそうです。今は捻出した時間を有効に使い、法務の更なる効率化企画に邁進されています。
大きな成果を残すためには、プロのエンジニアが要件定義〜開発方針を司りながら、現場の利用しやすいロボットにすることが重要ですが、小さい成果は現場の社員でも比較的簡単に残せます。もちろんリスキリングは必要なのですが、プロのエンジニアに相談することで、その道が開けていくのは事実です。
小さくとも面倒で手間のかかる業務が、PCによって自動的に行われる。そういう世界が当たり前になってほしいと思っています。
「もっと早く出会いたかった」Robo Runnerが提供する3つのサポート内容と、サポーターへの感謝。
・ちなみに、改めてRobo Runnerはどんなサポートをしているのでしょうか?
まずは、我々がメンタリングと呼んでいるサポートです。オンラインMTG形式で、直接エンジニアと会話しながら、課題や不明点を解決する形でのサポートを行っています。
我々はこのメンタリングに自信を持っています。
実際にサービスを利用した方たちからは「こんなサービスほしかった」「もっと早く出会いたかった」「RPAやDXツールが怖くなくなった」というありがたい言葉をいただいています。そしてメンタリングの良さにご満足いただき、契約延長をしていただけるお客様が多数いらっしゃることを、本当にありがたく思っています。
現在Peaceful Morningでは、メンタリングを担当しているエンジニアに、30分直接相談できる窓口を設けているので、お気軽にお問い合わせをしてもらえればと思います。
導入しようか迷っている、少しでも業務効率化をしておきたい、以前作成されたが今は全く動いてないRPAが動くようになればいいのに、などの気持ちがあれば、いったん担当エンジニアに相談してみてほしいです。
2つ目のサポートは、無制限のテキストチャット(画像添付可能)でのサポートです。他社様はチケット課金制だったり、質問内容・回数制限があったりしますが、我々は一切制限を設けていません。画像も自由に貼れるので、エラー画面や作成に悩んでいるポイントを、そのまま質問できます。これまで回答評価にBadが1件もついていないことも、自慢できるポイントです。
RPAのエンジニアコミュニティには、技術を教えたいという人が多くいらっしゃいます。自分たちの本業を行いながら、困っている人たちに手助けをしたいという意思のあるサポーターが集まってくれているからこそ、このサービスは成立していると思っています。
もちろん報酬はお支払いしていますよ!(笑)
実際、今回の受賞も、サポーターの皆様の協力なくしてはありえませんでした。この場をお借りして感謝申し上げます。
また、Robo Runnerにお申込みいただいた場合、弊社CTOを中心に作成し、プロのエンジニアが監修した、RPAのe-learningコンテンツを全て無料で利用できます。
グループ会社のクラウドワークスでは、従業員の約25%、85名がこのコンテンツを受講しております。人材情報の整理や案件情報の整理、先ほど話した契約書の比較の作成など、さっそく業務に応用して成果を出してもらっています。
・エンジニアに相談できるだけでなく、自己学習もできるのですね。ぜひ使ってみてほしいと私も思いました。
まずは気軽に相談してみてほしいです。プロのエンジニアが相談に乗ることで、一気に社内活用のアイディアが出てくる場面を何度も見ています。
約30名の現場の方がRPAを使えるようになったり、300本のロボットが現場ベースで稼働するようになったり、あるいはトップダウンで降りてきた導入プロジェクトが400人単位のRPA利用者を生むに至ったり、など…。日次60分の作業が30分になるロボットが複数動けば、ちりも積もれば…という形で、確実に効果が出てきます。
仮に毎日1人30分節約すれば、30分×20営業日 = 10時間/月の時間が新たに生まれます。
もし従業員が50名なら、月次500時間、約3人分の時間が新たに生まれます。3人×年収400万円 = 1,200万円。50名規模なら、かなり大きな成果と言えるのではないでしょうか。
PCだけでは売上も利益も生むことはできない。RPA導入を進めるべき社会的背景とは
・なるほど、社員が開発できるようになり、小さいロボットが複数動くと、積み上げで数値的な成果が出るのですね。
はい。その一方で、数値的な成果だけでなく、今の社会的な背景からも、RPAを始めとしたDXツールの導入は進めるべきだと考えています。
PCの普及により、手書きだったデータの管理効率や業務効率が上がったことは疑いようがありません。一方で、データを入力しなければならない、管理しなければならない、という事態にもなってしまっています。
特に2024年の改正電帳法施行に伴い、検索可能な状態で帳票データ、例えば発注書や請求書が存在しないと、中小企業でも罰金が生じることはご存じでしょうか。その対策のため、利益を何も生み出さないデータ整理のために、貴重な人と時間を使わなければならなくなったお客様もいらっしゃいました。
今の日本は、本来的な業務効率化、つまり売上を上げてコストを下げるという目的に対して、本末転倒な事態になってしまっているのが実情です。
もちろん事務作業を否定するものではありません。しかし、利益を生まない仕事は人間がするのではなく、PCが勝手にやってくれるほうがいいはずです。
・効率化とは何か、DXとは何か、考えさせられますね…。
そもそもPCは売上も利益も生みません。利益を生むのは人の行動です。
PCに現場で釘は打てないし、PCに社内・社外の折衝は出来ません。
生成AIによる効率化もそうですが、もっとPCに頼って、もっとPCに仕事をしてもらっていいのではないでしょうか。仕事をスムーズに終えたり、楽しい仕事に目を向けたり、自分たちが本来向き合うべき顧客や技術に目を向けたり…。そういう目的のために、PC、そしてRPAをもっともっと使ってほしいと思います。
もしRPAが出来ることを体感したければ、実際の使い方を弊社エンジニアと一緒に探ってみてほしいです。ぜひRPAを少しでもいいから使ってみてください。
最後になりますが、ご利用いただいた皆様に満足いただけるサービスを、これからもご提供できるよう努力してまいりますので、引き続きのご愛顧を何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました!
今回のインタビューで、自分が想像していた以上にRPAには大きな可能性があるということを感じました。特に、田中の「利益を生むのは人の行動」という言葉が非常に印象的で、私自身もRPAなどを上手に頼りながら、最大限に利益を生むことができる仕事をしたいと思いました。
なお、Robo Runnerは、今回賞を授与いただいたUiPath社製品「UiPath」だけでなく、Microsoft社が提供している無料RPAツール「Power Automate」「Power Autodesktop」にも対応しております。また、生成AIのサポートも開始をしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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