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RPAとは
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略称です。ソフトウェアによるロボット化でホワイトカラーの仕事を効率化する業務自動化技術、またはその業務自動化ツールやソフトウェアロボットそのものを意味します。
ロボットといっても人型のロボットではなく、パソコン内やサーバー内で働くソフトウェアがRPAです。18世紀半ば~19世紀ごろには職人(ブルーカラー)が手作業で行っていた業務が産業機械(ロボット)により代替されたように、現代ではRPAのような新たなテクノロジーがホワイトカラーの業務を代替し生産性の向上をもたらしています。
RPAツールの種類
現在数多くのRPAツールが提供されていますが、RPAツールの種類は大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2つのタイプに分類され、オンプレミス型を更にデスクトップ型とサーバ型に分類することができます。
- オンプレミス型
- デスクトップ型
- サーバ型
- クラウド型
これらの違いは提供形態とロボットのいる場所です。
RPAに限らずハードウェア(サーバ機器)やソフトウェア(アプリケーション)などを自社に設置して管理・運用を行う方式を「オンプレミス型」、外部に設置されたハードウェア・ソフトウェアをインターネットを経由することで利用する方式を「クラウド型」といいます。
「オンプレミス型」の中でも、ロボットがパソコンのデスクトップ上で働くものを「デスクトップ型」、自社のサーバ上で働くものを「サーバ型」と分類することができます。
機能面や導入の敷居の低さなどに違いがあるため、それぞれ説明していきます。
オンプレミス型
上記の通り、RPAを自社サーバもしくはパソコンにインストールして利用するRPAです。RPAの稼働する場所で以下の「デスクトップ型」と「サーバ型」に分類出来ます。
「クラウド型」との差異は「外部のサーバを使用するかしないか」にあります。「オンプレミス型」の2つはどちらも外部のサーバにデータをアップロードしないためセキュリティ面で「クラウド型」より優れています。
デスクトップ型
「オンプレミス型」の1つである「デスクトップ型」は1台のパソコンに対して1台のロボットを稼働させます。そのためパソコン1台からの導入(スモールスタート)が可能で、導入の敷居が「サーバ型」に比べて低く、ライセンス価格も安い傾向にあります。
対象業務が1台のパソコンで完結する業務に限られる点がデメリットでもありますが、自動化したい業務が小規模なものであれば問題ありません。
サーバ型
もう1つの「オンプレミス型」である「サーバ型」は自社サーバ上でロボットを稼働させます。管理機能を有しているものが多く、複数のパソコンで働くロボット・業務の横断的な管理が可能です。
サーバ内で約100体のロボットが働けるため、大量のデータの処理にも対応しており、企業・組織全体でRPA導入を進めていきたい企業に向いています。
クラウド型
「クラウド型」はRPAをインターネットを経由して利用しクラウドサービスのように活用できる点が特徴です。それにより生じるメリット・デメリットについては以下で詳しく述べていきます。
クラウド型RPAツールのメリット
「クラウド型」を選ぶべきメリットは以下の3つです。
メリット①:導入に時間やコストがかからない
「クラウド型」は自社サーバの構築やインストールが不要です。そのため、ネット環境さえあればすぐに導入・運用を開始できます。
時間の面でスムーズなのはもちろん、サーバ構築等によって初期費用が高額になるオンプレミス型と比べて導入費用が安価もしくは無料で、導入後も月額料金で利用できる点も魅力的です。
メリット②:アップデートの必要がない
前述した通り、外部にあるサーバを利用するため、ベンダーがアップデートやメンテナンスを定期的に行ってくれます。
自社で何も行わなくても月額料金を払い続けるだけで最新のバージョンや機能に更新されるので、企業・企業内のIT人材の有無に関わらず一定水準のツールを利用できます。
メリット③:フロー実行中に他の操作ができる
「デスクトップ型」のデメリットとしてRPAを稼働させている間は他の業務ができないことが挙げられます。
しかし「クラウド型」では外部にあるサーバ上でRPAが稼働してくれるため、パソコン上で他の操作を同時進行できます。
クラウド型RPAツールのデメリット
ここでは「クラウド型」のデメリットを2つご紹介します。
デメリット①:Web上の操作に限定される
一番のデメリットは対象業務がWeb上・クラウド上の操作に限定されることです。
「オンプレミス型」で対象となる個人のパソコンにインストールされているアプリケーションや保存されているファイル、社内システムなどは自動化の対象外となるため、自動化対象業務からどちらの提供形態(オンプレミスかクラウドか)を選択する必要があります。
しかし最近では、エージェントを利用することによってローカルネットワーク内に存在するWebシステムやWebデバイスの自動化を実現できるツールも存在します。
デメリット②:セキュリティ面に注意が必要
「クラウド型」ではインターネットを通じてデータを外部サーバにアップします。サイバー攻撃や不正アクセスなどによりデータを盗まれるリスクがありますので注意が必要です。
パスワードの強化等の自社で出来る対策だけでなく、ツール選定の際からサキュリティ対策に力を入れているベンダーを選ぶなどの工夫をしましょう。
「クラウド型」を選ぶべき人の特徴
これらのメリット・デメリットを踏まえ、クラウド型のRPAを選択すべき人は以下の要件を満たしている人と言えるでしょう。
- なるべく早くRPAを導入したい
- なるべく安くRPAを導入したい
- RPAの管理を長期的に行うリソースが社内にない
テレワークへの移行が進み迅速なDXが必要視される現在、RPAに関わらず様々なサービスで外部からでも利用可能で導入が容易な「クラウド型」の人気が高まっています。流行りに流されるのではなく、デメリットも正しく把握して自社に最適なものを選んでください。
おすすめツール紹介
メリット・デメリットや特徴を把握した上で「クラウド型」RPAの導入を考える方へおすすめのRPAツールを紹介します。
UiPath Automation Cloud
UiPath Automation Cloudは世界的なRPAベンダーであるUiPathが提供するクラウド型RPAツールです。 AI関連製品からOrchestratorまでの様々な製品・機能をクラウド環境で利用することができます。
ハードウェアやインフラの準備が不要で、登録からすぐに使用を開始できるため、短期間で本稼働を始められます。導入前に安心なトライアルも用意されています。
クラウド型のデメリットとして先述したセキュリティ面に関する不安も、こちらのUiPath Automation CloudはVeracode およびSystem and Organization Controls 2(SOC 2) Type 1、 ISO 27001 認証が付与されており、アップタイムと障害復旧も保証されているので安心して利用することができます。
UiPath Automation Cloudについてはこちら
クラウドBOT
クラウドBOTは株式会社C-RISEが提供する国産のクラウド型RPAツールです。普段の操作を行うだけで手順が自動記録されロボットが作成されるため、一般的なRPAツールと違いワークフローを作成する必要がありません。
マルチデバイスにも対応している為、WebブラウザさえあればMacはもちろん、iOS(iPhoneやiPad)、android端末でも自動化を実現できます。
「クラウド型のデメリットはセキュリティ」と先述しましたが、こちらのクラウドBOTは情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格『ISO27001』とISMSクラウドセキュリティの国際規格『ISO27017』を取得しているため、セキュリティを重要視する社内業務であっても安心して利用することができます。
期間の制約のない無料プランも用意されているのでこちらも併せてご覧ください。
Robotic Crowd
Robotic Crowdは株式会社チュートリアルが提供するクラウド型RPAツールです。ソフトウェアのインストールが不要でGoogle Chromeさえあれば自動化を行えるので、現在使用しているOSや環境に関わらず手軽に導入することができます。
無料トライアルや体験会を実施しており、使い勝手を確かめてからの導入が可能な他、RPA導入にまたツール使用中に生じた疑問はチャットサポートで解決できるため、プログラミング知識がなくても勤怠システム管理やレポーティング業務、Web上の情報収集など多岐にわたる業務をRPAで自動化できます。
BizteX cobit
BizteX cobitはBizteX株式会社が提供する日本初のクラウド型RPAツールです。プログラミング知識がなくても容易に操作できる直感的なUIデザインは2018年度にグッドデザイン賞を受賞するなど高く評価されており、組織のITリテラシーに関係なく自動化を推進できます。
BizteX cobitにはライセンスという概念がなく、1つの契約でアカウント数・ロボット数の制限なく利用可能なので規模の大きい企業・組織に魅力的なRPAツールです。
7日間の無料トライアルも実施しています。
自社に応じたツール選定を
いかがだったでしょうか。オンプレミス型とクラウド型はどちらが優れているとは一概に言えず、RPAで自動化したい業務や組織の環境に応じて適切な方を選択する必要があると分かりました。
むやみに自動化を推し進めるのではなく自動化対象業務の洗い出しを徹底し、適切なRPAツールを選択してください。
既存業務の洗い出しはなぜ重要?導入前に知っておきたいRPA導入ステップ
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