採用業務は、企業の成長に不可欠な重要なプロセスですが、多くの工数がかかるため、効率化が求められています。求人募集から面接調整、内定者フォローまで、細かい業務が多く、担当者の負担が大きくなりがちです。さらに、複数の採用手法を併用することで管理が煩雑になり、適切な人材確保が難しくなるケースもあります。
本記事では、採用業務の課題を整理し、効率化のメリットを解説したうえで、具体的な効率化方法を6つ紹介します。採用業務の負担を軽減し、より戦略的な採用を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
採用業務とは?
採用業務とは、企業が必要な人材を確保するために行う一連の活動を指します。具体的には、採用計画の立案、求人情報の公開、選考プロセスの管理、内定後のフォロー、効果検証までの流れを含みます。これらの業務を適切に進めることで、企業は優秀な人材を確保し、組織の成長につなげられるでしょう。
採用業務の課題とは?
採用業務の課題は以下の3つが挙げられます。
- コミュニケーションをとる機会が多い
- 情報管理に慎重さが求められる
- 複数の採用手法による工数の増加
それぞれの課題について解説します。
コミュニケーションをとる機会が多い
採用業務では、多くの関係者と連携する必要があります。社内では、人材を採用する部署や面接官とのやりとりが求められ、社外では、人材紹介会社や求人媒体との調整が欠かせません。特に求職者とのやりとりは多岐にわたり、面接日程の調整や選考結果の通知、内定後のフォローまで幅広く対応しなければなりません。
また、求職者によって希望する面接時間や入社時期は異なります。たとえば、在職中の求職者は平日昼間に面接を受けられないため、夜間や土日に対応するケースもあります。加えて、入社意欲の高い人もいれば、他社と比較しながら慎重に決断する人もおり、それぞれに適した対応が必要です。
情報管理に慎重さが求められる
採用業務では、多くの個人情報を扱います。応募者の履歴書や職務経歴書には、氏名や住所、勤務先の情報などが含まれており、慎重な取り扱いが求められます。特に中途採用では、求職者が在職中の企業に転職活動を知られたくないケースもあり、細心の注意が必要です。
情報の管理が適切でないと、情報漏えいや誤送信などのトラブルが発生する可能性があります。別の応募者に誤って他人の選考結果を送信してしまうと、企業の信用問題に発展することも考えられます。そのため、情報の取り扱いルールを明確にし、適切な管理体制を構築することが重要です。
複数の採用手法による工数の増加
近年、採用手法の多様化が進み、従来の求人掲載だけではなく、さまざまな手法を活用する企業が増えています。たとえば、社員の紹介によるリファラル採用や、SNSを活用したダイレクトリクルーティングなどが一般的になってきました。
また、採用活動は単に応募者を集めるだけではなく、転職を検討している潜在層にもアプローチする必要があります。そのため、自社の採用ページやパンフレットの作成、SNSを活用した情報発信を継続して行うことが重要です。特にSNSを活用する企業では、社内の雰囲気や社員のインタビューを動画や記事で発信し、企業の魅力を伝える取り組みが増えています。
しかし、これらの施策を並行して進めるには、多くの時間と労力がかかります。どの採用手法が効果的かを分析し、ターゲットに適した手法を選定しなければいけないため、チーム内で適切な役割分担をする必要があるでしょう。
採用業務を効率化するメリット
採用業務を効率化するメリットは以下の3つです。
- コスト・工数削減につながる
- 業務負担軽減によりコア業務に注力できる
- 採用スピードが向上する
それぞれのメリットについて、解説します。
コスト・工数削減につながる
採用業務を効率化すると、作業時間が短縮され、人件費や広告費などのコスト削減につながります。無駄な業務を見直し、効率化できる部分をシステムに任せることで、より戦略的な採用活動にリソースを集中できるでしょう。
また、採用にかかる工数が減ることで、担当者の負担が軽減され、より質の高い採用活動を実現しやすくなります。コストを抑えながら、必要な人材を確保するためにも、採用プロセスの最適化を進めることが重要です。
業務負担軽減によりコア業務に注力できる
担当者の負担を軽減できれば、より重要な業務に時間を割くことが可能になります。特に中小企業では、採用担当者が他の人事業務と兼務しているケースも多く、業務負担の軽減は生産性向上に直結するでしょう。
例えば、応募者対応や面接スケジュール調整を効率化すれば、担当者は採用戦略の立案や企業ブランディングに時間を使えます。このように、限られたリソースをコア業務にあてられれば、採用の質を高めることができます。
採用スピードが向上する
採用業務を効率化することで、採用にかかる時間が短縮され、優秀な人材を迅速に確保しやすくなります。特に人気のある職種では、競争が激しく、採用プロセスが遅れると他社に人材を奪われてしまう可能性が高まるでしょう。
また、業務の効率化により、応募者とのコミュニケーションがスムーズになり、面接の調整や内定通知までの期間を短縮できます。迅速な対応を行うことで、求職者に良い印象を与え、内定辞退のリスクを減らすことにもつながるでしょう。
採用業務を効率化させる方法6選
採用業務を効率化させる方法を6つ紹介します。
- 採用フローを見直し優先順位をつける
- コミュニケーションを自動化する
- 採用評価シートのフォーマットを作成し評価基準を統一する
- 面接はオンラインで完結させる
- システム・ツール導入する
- RPO(採用代行サービス)に採用業務を任せる
それぞれ解説します。
採用フローを見直し優先順位をつける
採用業務の効率化には、現状の採用フローを把握し、優先順位を決めることが重要です。特に時間や人手を要する業務を洗い出し、改善すべき箇所を明確にすることで、業務の最適化が進みます。
例えば、歩留まり率を算出し、求職者がどの段階で離脱しているのかを把握することで、面接調整の遅れや情報提供不足といった課題を発見できるでしょう。
◆面接通過の歩留まり率を算出 歩留まり率(%)=「通過者数」÷「面接者数」×100 |
上記の計算式で例を上げると、一次面接を受けた人数が40人で、二次面接に進んだ人数が20人だった場合「20÷40×100」という計算になります。歩留まり率は50%です。この場合、応募受付の自動返信や面接日程のスムーズな調整といった対策をとることが効果的と考えられます。
コミュニケーションを自動化する
求職者とのやり取りは、採用業務の中で最も時間がかかる業務のひとつです。対応が遅れると、他社へ流れてしまう可能性もあるため、迅速な対応が求められます。
そのため、応募受付の自動返信や面接日程の調整ツールを導入することで、求職者との連絡をスムーズに進めることができます。また、RPAやチャットボットを活用し、求職者の質問に自動で対応できるようにすれば、採用担当者の負担も軽減できるでしょう。
参考:職白書2022 就職活動・採用活動の振り返りと今後の見通し
採用評価シートのフォーマットを作成し評価基準を統一する
採用の評価基準が統一されていないと、面接官ごとに判断基準が異なり、採用の質にばらつきが出てしまいます。これを防ぐためには、評価シートのフォーマットを作成し、共通の基準を設定することが有効です。
たとえば、求職者のスキルや経験を数値化することで、主観的な判断を減らし、客観的な評価が可能になります。加えて、チェックリストを活用すれば、面接官が異なっても統一した基準で評価できるため、採用の精度を高めることができるでしょう。
面接はオンラインで完結させる
オンライン面接を導入することで、移動の手間を省き、日程調整の柔軟性を高められます。特に、遠方の求職者は負担を軽減できるため、応募のハードルが下がるでしょう。
また、オンライン面接には、資料共有機能や録画機能などの利点があります。面接の内容を記録することで、社内での情報共有がスムーズになり、より公平な採用判断が可能になります。このように、オンライン面接を活用することで、採用業務の効率化が進むでしょう。
システム・ツール導入する
採用管理ツールを導入すると、応募者の情報管理や面接日程の調整を一元化でき、業務の手間を大幅に削減できます。これにより、採用担当者の負担を減らし、より重要な業務に集中できる環境が整うでしょう。
また、Web面接ツールを活用すれば、面接のスケジュール調整や面接内容の記録が簡単に行えます。これらのツールを組み合わせることで、採用プロセス全体を効率化し、スムーズな採用活動を実現できるでしょう。
RPO(採用代行サービス)に採用業務を任せる
採用業務の一部または全部を採用代行サービス(RPO)に委託することで、採用担当者の負担を軽減し、より戦略的な業務に専念できます。特に、採用のノウハウが不足している場合、専門家のサポートを受けることで、より効果的な採用活動を進めることが可能です。
また、RPOは求人広告の運用や応募者対応、面接調整などを代行するため、採用フロー全体の最適化が期待できます。自社の採用課題に合わせて適切なサービスを選び、活用することで、より効率的な採用活動を実現できるでしょう。
採用業務を自動化させるならRoboRunner
採用業務を自動化させるなら「RoboRunner」がおすすめです。ここでは以下の2点にフォーカスして解説します。
- RoboRunnerとは?
- RoboRunnerを活用した採用業務の成功事例
RoboRunnerとは?
RoboRunnerは、Peaceful Morning株式会社が提供するRPA・AIの活用サポートサービスです。業務効率化にあたり自動化を検討している企業におすすめです。RoboRunnerには以下のような特徴があります。
- サポーターとの無制限チャット
- 直接相談できるWebミーティング
- 豊富なeラーニングコンテンツ
eラーニングやオンラインサポートを活用することで、RPAをスムーズに導入・活用が可能になります。実際に、未経験者が短期間で複数の自動化ロボットを開発し、成果を上げた事例もあります。
Robo Runnerを活用した業務効率化の成功事例
株式会社クラウドワークスでは、フリーランスエージェント業務の効率化にRPAを導入しています。その際Robo Runnerを活用し、開発経験のない担当者様でも2ヶ月で6つの自動化に成功しています。
結果として、稼働状況の取得を自動化することで、面談時間の確保といったコア業務への注力に使える時間を増加させました。また、日々のルーティン業務をRPAに任せることで、担当者の負担削減にもつなげています。
関連記事:クラウドワークス社のエージェント業務でPower Automate活用!プログラミング未経験で挑む業務改善事例
まとめ
採用業務の効率化は、コストや工数の削減、採用スピードの向上、コア業務への注力といった多くのメリットをもたらします。採用フローの見直しや評価基準の統一、オンライン面接の導入など、適切な対策を講じることで業務負担を軽減できます。
また、採用管理ツールやRPAを活用すれば、手作業を減らし、よりスムーズな採用活動が可能になります。自社に合った方法を取り入れ、採用業務を効率化することで、優秀な人材の確保につなげましょう。
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