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RPAに割く時間はRPAで捻出、多忙な情シス担当者が教える業務改善の進め方

Peaceful Morningでは、RPA導入企業担当者をお招きして、対談形式でRPA導入・運用のノウハウを本音で伺うウェビナーを企画しています。

2021年7月に行われたウェビナーでは、情報システム部門で他の業務を抱えながら3名の担当者を中心にRPA導入、開発者育成、そして全社展開を行っている株式会社ユーエイ 経営企画部 経営企画課 情報システム係的場 祥仁さんをゲストにお迎えします。

本記事では的場さんからお話しいただいた開発担当者のフォローアップ方法や自動化対象業務の集め方などを対談形式で皆さんにお伝えしていきます。導入されているRPAサポートサービス「Robo Runner」の活用方法にも注目です。RPAの専門部隊を設置する余力が無いからと、RPA導入もしくは全社展開を諦めていませんか。そういった方は是非的場さんのお話から効率の良い運用方法を習得して下さい。

▼ユーエイ様のRPA導入のきっかけについてもっと詳しく知りたい方はこちら▼

企業紹介:株式会社ユーエイ

(画像は企業公式サイトより引用:https://www.yuei-group.com/

大阪府東大阪に本社を構える株式会社ユーエイは、高品質のキャスターをカスタムメイド中心に製造・販売するキャスター事業部と工作機械や工具の販売・金属加工などを行うO.T.ファティック事業部からなる従業員470名(2021年4月現在)の企業です。
1977年に産業用キャスターの製造・販売を開始し、半世紀にわたり新たな材料研究と最先端の製造技術を幅広く蓄積してきました。

社名:株式会社ユーエイ
代表者:代表取締役会長 雄島 大貴、代表取締役社長 雄島 耕太
本社所在地:大阪府東大阪市本庄西1丁目8-39
公式サイト:https://www.yuei-group.com/

登壇者紹介

的場祥仁氏
株式会社ユーエイ 経営企画部 経営企画課 情報システム係
2019年頃よりRPAについて興味を持ち、個人的に情報収集を開始。
2020年4月より情報システム部門にてRPAを試験導入。
2021年現在は自部門(3名)で開発を行いつつ、業務部門自らRPA構築が出来るように、社内研修・開発補助等の推進活動を行っている。

きっかけは些細なことから。新しい物好きの性格が功を奏した

導入の経緯

藤澤:RPA導入を進めようと考えたきっかけを教えてください。

的場さん:私、新しいものが好きなんですよね。(笑)2019年頃でしょうか、通勤時にニュースサイトを見ているのですが、RPAという単語がよく目に止まる時期がありまして、気になって個人的に調べてみたのが1番最初のきっかけです。当時は「自動化できるロボットがあるんだ、自社に導入してみたら面白そうだな」程度だったのですが、社内でポロっと話を出したところ上長が食いついてきたんです。丁度、コンプライアンスチェックを強化したいけれどその件数が多くて手動では難しいという悩みを抱えている時期だったのでRPA導入の検討に至りました。

藤澤:なるほど、ありがとうございます。RPAの導入はどういった時系列で進められたのでしょうか?

的場さん:個人的には情報を収集していたのですが、業務として本格的に検討を始めたのは大阪で開催された展示会がきっかけですね。展示会の時期が丁度、翌年度の予算取りの時期と重なったので試しに1本、来年度の予算に組み込んでみようということで導入を始めました。当時、まずは1本導入して自分の業務自動化を進めながら1年ほど様子を見る予定でいました。しかし2020年6月ごろからコロナの影響を受けて「残業時間の抑制」が叫ばれるようになり、社長からRPAの全社展開を今すぐにでも進めてくれという強い要望がありました。それを受け、急ピッチで社内体制の構築を進める運びとなりました。

目標設定のこだわり

藤澤:RPA導入時にプロジェクトの目標設定というのは何かされましたか。

的場さん:目標設定に関しては上長より費用の2倍の効果を出してくれと指示が出ておりました。例えばライセンス費用が100万円であれば200万円相当の削減効果を出すという目標になりますね。

藤澤:具体的にお伺いしたいと思います。その目標の場合、削減時間を金額ベースで換算されていると思うのですが、どういった計算の仕方をされているのでしょうか。

的場さん:まず、ライセンス費用が年間の支払いになりますのでそれを月ベースで割り、その月までに投入経費がいくらかかったのかを算出します。そして実際にRPAを稼働させ、削減した時間×社内の人件費の単価という計算で金額ベースに換算しています。社内人件費の数字を管理会計で1人当たり単価を算出しているため、それを単純にかけ合わせる形になります。

藤澤:RPAの実稼働ベースで効果を算出されているということですね。単純に費用対効果を大きくするためには無料RPAツールやより安価なRPAツールに切り替えるという手もありますが、そうされないのは何故でしょうか。

的場さん:無料の範囲でどこまで出来るのかというのがポイントですが、RPAが属人化してしまうのを防ぎたいので管理体制を重視していまして、無料だとその点があまり強くないのかなという認識でいます。安価なRPAツールに関しても、価格だけで判断するのではなく操作面との兼ね合いですね。他のツールだと2ステップ以上かかる処理がUiPathだと1工程で済んだりしますし、切り替えることになると現場の担当者に負荷がかかりますので余程大きなメリットがない限りは切り替える予定はありません。

藤澤:そうですね。RPAのプロジェクトのコスト面を考える際にライセンス費用に目が行きがちですけれど、それ以上に開発にかけるコストであったり、開発者育成のトレーニングコスト、ロボットが稼働した後の保守・メンテナンスコストといった後工程のコストにも目を向ける必要があると思います。その点、UiPathはトレーニングプログラムが非常に充実していたり、ネット上に情報も多いのでそういった後工程のコストはかなり抑制される印象があります。

自動化対象業務の集め方

藤澤:次にRPA導入後の話に移ります。RPAの自動化対象業務はどの様に社内から集められましたか?

的場さん:社員に対して2種類のアプローチを行いました。1つ目は社内で希望者を募り2.5時間×2回程のRPA社内研修を行い、その研修が終わった担当者から実際に拾い上げていくというものです。2つ目は私から現場の担当者に業務の自動化を提案していくアプローチです。弊社は私が入社してから基幹システムのリプレイスをかけていまして、その中で要件定義に関わってきたので社内の業務の流れをある程度把握していました。それをメリットとして活用し、自動化できそうな業務を取り上げ、直接提案しました。

藤澤:前者の2.5時間×2回のRPA研修はどの様な内容の研修になるのですか?

的場さん:UiPathStudioの操作だったり、プログラミング的な考え方を取り扱っています。変数だったり、繰り返し分岐処理といった基本的な内容をレクチャーしています。

藤澤:最終的には開発者になってもらうことをゴールとして見据えつつ、その手前の段階でRPAを理解してもらい自動化できるような対象業務を吸い上げるイメージですか。

的場さん:そうですね。実際研修の中でRPAに触ってもらって、どんなことが自動化できるのか、対象になるのかをある程度意識づけてもらうのを目的にしています。

藤澤:なるほど。後者の業務の流れを理解している的場さんから直接アプローチを行う際、実際見つけた自動化対象業務はどんな業務がありますか?

的場さん:お客さんからEDIのデータで注文が来た際の販売管理システムへの入力処理ですね。今までは担当者が手動で入力していましたがRPAによって自動化することが出来ました。

RPAに割く時間をRPAで捻出、多忙な情シス担当者伝える好循環の生み出し方

効率の良い社内推進とは

藤澤:次に的場さんがどの様に社内推進を進められてきたのかお聞きしたいと思います。RPAとは別の担当業務と並行し幅広い業務を行いながら、RPA開発能力を伸ばしつつメンテナンスや社内推進を行ってこられたそうですが、具体的にどうやって進めてきたのか教えてください。

的場さん:個人的には専門部隊や専任できる体制が望ましいと思っています。しかしながら現実的にはそこが実現できなかったので、まずは自宅での学習などを活用して個人的な開発スキルを身に付けました。その後、自分の抱えているRPA以外の業務を自動化して、浮いた時間をRPA推進活動に充てるという形をとりました。例を挙げますと、私の業務の中でシステムのマスター登録作業に占める時間が多かったので、最近はそれを自動化できるRPAを開発して時間を短縮しています。

藤澤:自身がRPA推進活動を行う時間をRPAで捻出されていたんですね。時間の捻出という点で通じる質問なのですが、ユーエイ様には2020年9月のタイミングで当社よりUiPathのライセンスを購入いただき、合わせてRoboRunnerの導入もいただきました。なぜRobo Runnerを導入いただいたのか、使ってみて良い点があれば教えていただけますでしょうか。

的場さん:開発していると疑問点が多く出てきます。その点、UiPathはWeb上に多くの情報があるので知らべれば当然出てくるのですが見つけるのに時間がかかってしまうんですよね。その時間をロスと考えていたので、困ったときにチャットで気軽に疑問を投げればパッと回答を返してくれるRobo Runnerのサービスを非常に魅力的に感じました。時間短縮だけでなく、例えばUiPath OrchestratorのようなWeb上にあまり情報の無いツールに関しても、Web面談を通じて相談に乗ってもらったり、提案・情報を得られたりするのが役に立ちました。

ライセンス購入経緯

藤澤:続いて、どんなペースでライセンスを何本購入いただいているかなどライセンス購入経緯を教えて頂けますか。

的場さん:導入する部門においてどれくらいの削減効果を出せそうか洗い出して、ある程度効果が出ることを確認してから発注させていただいているので、まずは1本買って、2.3ケ月したらまた1本買ってといった徐々に増やしていく形になりますね。それに加えて開発のフォローに入る頻度というのも裏事情としてあります。実際社内研修を終えて最初は付きっきりで週に1度2~3時間をとって担当者と一緒に開発をしている状態なので、3名でフォローを行っている以上一気に購入してもそこのフォローに手が回りません。なのでフォローが出来る範囲で進めている感じですね。

藤澤:以前からユーエイ様を見てじわじわと購入ライセンスを増やしていく良い買い方だなと感じていたのですが、ある程度効果が出るのを部署単位で確認してからライセンスを購入していらっしゃったという訳なんですね。付きっきりのサポートというのは具体的にどんなことをされているのですか。

的場さん:まずどういった業務を自動化するかというネタを業務の担当者から出してもらいます。次にそれが本当に実現できそうかというのを情報システムの方で案を絞って、出来そうであれば簡単な設計を頭の中で作ってそれを実際一緒にStudioの画面で1工程ずつ作っていくような流れをとっております。また、プログラミング的な考え方で躓く人もいますので、そういう人にはこの過程で嫌というほど慣れてもらっています。担当者がプログラミング的な考え方で躓く場合の解消法は徹底的な慣れとそれを支える付きっきりのフォローに尽きますね。

藤澤:実際Studioの画面で1工程ずつ作っていくときは付きっきりで隣に座って教える感じなのですか?

的場さん:そうですね。同じ建物内の人間であればそういった形です。最近では中部支店や東京支店にもリモートでサポートしたりしていますね。

あえて現場開発を行う理由。小回りの利く体制を目指す長期戦略

現場開発のメリット

藤澤:実際そういったフォローアップが大変という理由で現場開発を敬遠されている担当者さんも実際いらっしゃいますが、的場さんとしては現場開発はやって良かったと思われますか。

的場さん:そうですね。現場主導で開発を行った方がちょっとしたメンテナンスを自部門で対応できるようになるので、情報システム部門のパンクを防ぐことが出来ます。簡単な画面の構成の変更くらいであれば部門でそれぞれ直せるような体制が理想だと思いますね。

藤澤:なるほど、最初のフォローアップには工数がかかるけれども、メンテナンスまで長期的に視野に入れると現場に任せた方が結果的に工数が減るのではということですね。

現在の開発推進体制

藤澤:現在の開発推進体制はどういった感じですか。

的場さん:情報システム部門の3名でそれぞれの部門の担当者の開発フォローを行っているのですが、それを0から行うのは負担が大きいかなと感じましたので、共通で使用できる開発のテンプレートファイルを情報システム部門であらかじめ作って、それをベースに展開・変更して作ってもらっています。後は共通で使うようなライブラリの開発も情報システム部門で行っていますのでそれを活用して余分なものを作らなくていいようにしています。

藤澤:用意されている共通のライブラリというのは基幹システム周りのログインとかそういったライブラリでしょうか。

的場さん:そうですね、現状で申し上げますと、基幹システムのログイン関係であったり、マスターの内容を内部的にデータベースから直接SQLでとってくるようなものを作っていたり、後は営業日の検索というのを頻繁に使用するので指定した日付を入れれば何営業日後の日付を返してくれるといったものを作っていますね。

藤澤:手厚いフォローアップをされている的場さんですが開発者の育成手段としてはどういった方法を活用されましたか。何かサイトであったりe-learningを利用されたのであれば教えて頂ければと思います。

的場さん:実は2.5時間×2回の研修やその後の付きっきりのフォローアップの中では外部のサイト等を何も利用していませんでした。ただ、研修の内容に関しては定期的に見直しを行っていまして、その際にRobo Runnerなどの外部のサービスから新しい情報を貰ってそれを研修内容に反映させたりはしていました。あと、社内のグループや開発者用のフォーラムを作りそこで意見交換を出来るような体制作りも合わせて進めていました。

藤澤:次に、RPAが基幹システムや会計システムを操作する場合、どの様な考慮をされていますか。重要なシステムをロボットに操作させる為に社内で安全性や有効性を説明するために工夫された点があればお聞かせください。

的場さん:私もまだ手探りの状態なのですが、今実施していることとしてはRPA専用の基幹システムのアカウントを発行しています。それにより、RPAで処理した伝票がどれなのかをきちんと切り分ける形をとれています。基幹システムの操作においてコアな入力の部分などは情報システム部門の方で代行して開発しています。ですので、例えば営業の方の受注の入力であれば入力のコアな部分に関しては、情報システム部門が開発を行い、そこに投入するデータの一覧表を営業の方に作ってもらうといった分担を行っています。これによりクリティカルな部分でのエラーを極力減らしています。

藤澤:UiPathのOrchestratorを導入されていますが権限の割り当ては行っていますか。

的場さん:現状Orchestrator上の割り当てとしてはモダンフォルダを部署別で分けているくらいのレベルですね。営業部門で使うもの、製造部門で使うもの、情報システム部門でつかうものというざっくりとした形で分けています。

今後は他の自動化ツールの導入も検討。RPAと組み合わせ自動化の可能性を広げていく

今後の展望

藤澤:ありがとうございます。次に今後の方向性についての質問に移りたいと思います。自動化によって浮いた時間を今後どの様に活用される予定ですか。

的場さん:情報システム部門では、先に述べました導入当初のように空いた時間を使って更に開発を進めていく予定です。現場のほうでは、空いた時間を是非考える時間に充ててほしいと思っています。既に、どうしたら受注の数字を伸ばせるか考える時間に充てている動きがあると聞いています。

藤澤:RPA以外の自動化ツールの導入は検討されていますか。

的場さん:最近Power Queryに注目しています。RPAと組み合わせれば色々出来るのではないかと思い、個人的に学習を始めました。また、AI-OCRもまだ導入に至っておりませんのでそういったツールをRPAと組み合わせて範囲を拡大していきたいと思っています。

AI-OCRについて詳しくはこちら↓


RPA導入・全社展開を目指す担当者の方へメッセージ

藤澤:最後にRPAの導入を考えているもしくは既に導入されて奮闘中の担当者様にお言葉を頂ければと思います。

的場さん:導入前には導入前の、導入後には導入後の悩みが必ず出てくると思うんですよね。そういった際に、社内だけで解決しようと思うとなかなか難しいですし、弊社はRobo Runnerに助けて頂いている部分がありますので、私も何か役立てることは無いかなと思い、今回インタビューに協力させていただきました。今後も社外に目を向けてRPA導入活性化に貢献できればと考えていますのでよろしくお願いします。

藤澤:ありがとうございました。

効率的に時間を捻出し業務改善を実現

今回インタビューをさせていただいた的場様は、RPA推進業務に割く時間をRPAによって捻出されるなど効率的に業務改善を進めていく姿勢が印象的でした。従業員数他の業務に追われRPAの導入を諦めている企業様には是非今回のインタビューを参考にしていただければと思います。

RPA内製化を目指す方へRobo Runnerのご紹介

小回りの利く運用形態を目指し、自身で社内のRPA人材を育成された的場様。他の業務を抱えながら少ない人数でRPAを社内展開するための1つの工夫として、サポートサービスを利用していました。

インタビュー中で登場したサポートサービス「Robo Runner」は経験豊富なサポーターによるオンライン面談やチャット相談サービスを月額9.5万円から受けることの出来る伴走サービスです。

RPAツールの設計・開発・保守に関する困りごとを抱えている方は是非ご検討ください。

 

▼お問合せ先

Peaceful Morning株式会社

Robo Runner運営事務局

問い合わせフォーム

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