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Grok(グロック)とは?特徴や使い方、注意点を解説

Grok(グロック)とは?特徴や使い方、注意点を解説

AIの進化によって、OpenAIのChatGPTやGoogleのGemini、MicrosoftのCopilotという主力生成AIが注目を集めるなか、イーロン・マスク氏が率いるAI企業「xAI」が開発した「Grok(グロック)」が話題となっています。

Grokはほかの生成AIとは違いユニークな特徴を持ち、X(旧Twitter)ユーザーに限らず、ビジネスパーソンにとっても強力な情報収集ツールとして活用され始めています。

そこでこの記事では、Grokの概要から具体的な活用例、使用における注意点について解説します。多様な生成AIを使いこなす知識と技術を身につけ、AI時代を生き抜く人材を目指しましょう。

Grok(グロック)とは

Grok(グロック)とは、イーロン・マスク氏が率いるAI企業「xAI」によって開発されたLLM(大規模言語モデル)のことです。

X(旧Twitter)に投稿されたさまざまな情報を学習データとして活用する特徴により、ほか生成AIではタイムラグが起きやすい最新のトレンドやニュースなども、いち早くデータ生成することに対応しています。

Grokの特徴|具体的な活用例

Grokが注目を集める理由はどのような部分にあるのでしょうか。ここからはGrokならではの特徴について、具体的な活用例とあわせて解説します。

最新情報を取得できる

Grokはマスク氏が買収したX(旧Twitter)に組み込まれた生成AIです。そのため、Xに投稿されたあらゆる情報を素早く生成データに取り込める特徴があります。

例えば「セブン-イレブン・ジャパンの新製品『○○』に対するSNSでの反応は?」といった焦点を絞った質問も、インターネット上で検索・閲覧できる情報に加え、Xユーザーのさまざまな投稿を参考にしながらデータを生成するため、Grokならではの情報を手に入れることができます。

X上には真偽が不明な情報が投稿されることがありますが、報道機関や公共機関などの公式アカウントも多数存在するため、ほかの生成AIが参考にするデータ範囲を考えると、市場調査や競合分析にかかる時間を大幅短縮できる可能性が高いといえます。

分析機能を利用できる

Grokは単なる情報収集に留まらず、分析機能も活用できます。X上に投稿された膨大なデータを基に、特定のトピックやキーワードにまつわるユーザーの感情やトレンドまでを分析し、レポート作成に役立てることができます。

例えば「○○社の『○○』という製品に対する世間の反応を分析して?」と依頼すると、ポジティブ・ネガティブ双方の意見を洗い出すことができるため、マーケティング戦略の策定に役立ちます。

不適切なコンテンツにも回答可能

ChatGPTやGemini、Copilotではポリシーにより生成が制限されるいわゆる不適切なコンテンツも、Grokなら回答を得られる場合があります。この特徴は従来のAIに組み込まれた倫理的な制約をあえて排除し、AIとのより自由な対話を実現するためにxAIが行っているものです。

しかし、使い方によっては過激な表現が生まれることもあり、第三者を傷つけるなど思いがけないトラブルにつながりかねません。生成したデータの取り扱いにあたっては、慎重に検討することをおすすめします。

ソースコードを使った改変も可能

Grokのモデルはオープンソース公開されている部分が多く、ソースコードにアクセスすることで改変も可能です。Grokのカスタマイズによっては、よりパーソナライズ化された回答にもつながります。

例えば社内問い合わせの業務対応に時間がかかる点が業務課題だった場合、Grokのソースコードを変更することで社内用チャットボットを開発・導入できます。

ほかの生成AIと異なる部分

Grokの特徴が理解できたところで、次はほかの生成AIと異なる部分について見ていきましょう。具体的には、口調や個性、政治的バイアスなどが挙げられます。

口調・個性

Grokはほかの生成AIと違い、人間らしいユーモラスな口調です。楽しい会話が楽しめることに加え、皮肉など人間の日常会話に潜む工夫にも対応しています。Grokの口調や個性は、プロンプトに指示文を加えることでビジネスシーンに通用するトーンへと調整可能です。

例えば、人見知りの方が就職活動を通じて内定を受けた場合、これから社内でどのような会話を心がければよいか不安に感じたときに、ほかの生成AIではビジネスシーンに適した会話を、Grokではユーモアを含んだ日常会話のヒントを得ることもできます。

どの生成AIも、提示する情報すべてが正しいわけではないため、あくまでひとつの例ではありますが、使い分けによってGrokの特徴や個性を大いに実感できると考えられます。

政治的バイアス

Grokは中立性を志向する設計方針が掲げられている生成AIとされており、政治的に中立な出力を目指すスタンスが示されています。こうした取り組みによって本来、人間が持つ多角的な視点を維持できると考えられます。なお、各モデルには出力の傾向が指摘されることがあり、比較時は最新の仕様やポリシーを確認することが重要です。

Grokでは以前、システムプロンプトが改ざんされ、偽情報の出力が繰り返されるといった障害が発生しました。このときxAI社はシステムの修正を実施するとともに、システムプロンプトを公開し、あくまで政治的に中立で居続けると定義しました。

こうした対応は同社の透明性と信頼性を高める取り組みとして、多くのユーザーから評価されました。公開されたシステムプロンプトは現在も閲覧でき、Grokの動作原理や方針について理解を深めることができます。

同調的な視点に偏りがちな風潮を、Grokの多角的な視点によって打破できる可能性もあると考えられます。

参考:https://x.com/xai/status/1923183620606619649

参考:Grokを制御する指示を記したシステムプロンプトをxAIがGitHubで公開、「極めて懐疑的」「主流の権威やメディアに盲目的に従わない」 – GIGAZINE

参考:GitHub – xai-org/grok-prompts: Prompts for our Grok chat assistant and the `@grok` bot on X.

コーディングなど専門的な回答

GrokにはX(旧Twitter)に投稿されたさまざまな情報をリアルタイムに収集し、データ生成へとつなげる独自のメリットともいえる特徴がある一方で、プログラミング言語などを中心とするコーディングや、専門分野にまつわる回答の品質は、ほか生成AIと比較してやや劣勢です。

このほか、ユーモラスな会話ができるというGrokの個性ともいえる特徴も、ビジネスや学術的に関する情報収集には不向きであるため、プロンプトには常にトーンダウンさせるための指摘文章を交える必要もあります。

ほかの生成AIと比べてやや型破りなAIと対話している感覚を抱くことも多いため、情報収集の際にはデータを使用するシーンをよく考えることが必要になるかもしれません。

Grokの使い方と実際に使用した感想

Grokの特徴やほかの生成AIと違う部分について理解を深めた後は、実際にどのように使うのかをみていきましょう。検索エンジンを使い「Grok」と入力するとオープンソース型のGrokを使用できますが、今回はX(旧Twitter)での使い方について解説します。

X(旧Twitter)にアクセスする

まずは自身のX(旧Twitter)アカウントにアクセスしましょう。Xアカウントをお持ちでない方はWebサイト版のGrokを使う、あるいは必要に応じてXアカウントを作成しましょう。

Grokのアイコンをクリックする

X上でGrokをクリックする

Xアカウントにログインしたら、ホーム画面の左側に記載されたアイコンから「Grok」をクリックします。

Grokのトップページ画面

 

「Grok」のアイコンをクリックすると、他の生成AIと同じようなトップ画面が表示されます。

プロンプトを入力する

Grokにプロンプトを提示している

プロンプト入力部分に質問したい文章を入力しましょう。今回は「AI知識に関する資格を無料で取ることはできますか?その際、どのような資格がありますか?参考サイトのURLと合わせて共有してください」といったプロンプトを提示しました。

Grokに質問した内容の回答結果

プロンプトを送信後、ほどなくしてさまざまな資格に関する情報が抽出されました。口調もどことなく知人と話しているような感覚があります。

Grokの回答結果
ChatGPTやGeminiなどの生成AIでは、共有されたURLに誤りが多いこともあるため、Grokでも確認してみると、「Introduction to Artificial Intelligence (AI) by IBM」のURLに誤りがあることが確認できました。

必要に応じてプロンプトを改変する

URLに誤りがあったのでその部分を指摘するプロンプトを提示してみましたが、やはりいくつかのURLが異なっていたため、名称をコピーし検索エンジンにペーストして自分で検索しました。

Grokへプロンプトを調整して再度指示している様子

生成AIにしばしば見られる誤情報の生成は、Grokでも発生することがあります。この点を踏まえ、Grokを使用する際も、ファクトチェックが必要であることは念頭に置いておくとよいでしょう。

Grokの使用における注意点

Grokはほかの生成AIとは違い、XというSNSのあらゆる情報をリアルタイムに収集しデータを生成する特徴から、多角的なデータ抽出を可能にするといえます。しかし生成AIという性質に違いはないため、Grokならではの欠点と注意点に留意することをおすすめします。

生成画像に漢字を挿入できない

Grokでは画像生成が可能であるものの、生成した画像内に漢字を挿入できない欠点があります。理由としては、漢字に関する学習が不十分である可能性が考えられます。アップデートを重ねることで対応範囲は広がる可能性があるため、使用においては漢字の挿入はできないことを念頭に置きましょう。

著作権・個人情報の取り扱い

Grokに限ったことではありませんが、生成したデータを使用する際は、著作権や個人情報にも注意しましょう。学習したデータには、すでに著作権で保護されている画像や文書、情報が含まれている場合があります。そのため、そうとは知らずにSNSやブログなどで投稿すると、思わぬ場所で著作権侵害を引き起こし、訴訟トラブルに発展する可能性があります。

また、特定の人物に関するデータを生成し、SNSなどで投稿した場合も、プライベートな情報を漏洩あるいは侵害したとして、トラブルに発展するリスクもあります。

Grokなどの生成AIを使用する際は、生成された内容に著作権侵害や個人を特定する情報、傷つけるような情報を含んでいないか確認を徹底しましょう。

誤情報の抽出

Grokなどの生成AIはデータ生成の際、インターネットで検索・閲覧できる情報をデータソースとして活用することが主です。そのため、参照した情報に誤りがあれば生成されるデータにも誤情報を含むことがあります。

特にGrokは、Xに投稿された情報もデータソースとして活用しているため、ユーザーの主観に基づくポストや真偽不明なポストなども参考にする場合があります。こうした情報によって抽出されたデータは、使い方によっては多くの人を混乱させたり不安にさせたりする可能性があるため、情報の正確性を確認した上で使用することが大切です。

AIリテラシー

Grokを安全かつ適切に使用するためには、AIリテラシーを高めることも欠かせません。AIが万能ではないこと、AIが提示する情報すべてが正しいわけではないこと、優れた技術を活用し人間をサポートするためのツールであることを理解しましょう。

AIリテラシーについてはこちらの記事で解説しています。AIリテラシーがどのようなものかを詳しく知らない方や、自身がどれだけ身についているかを知りたい方は、この機会にあわせてご覧ください。

関連記事:AIリテラシーの概要や注目される理由とは?向上するためのポイントやおすすめの資格も解説

まとめ

GrokはXに投稿された膨大な情報をリアルタイムで学習し、生成データに最新のトレンドやニュースを効率的に取り込む新たな生成AIです。

マーケティング戦略の策定やピンポイントの情報収集を行う上では有効活用に期待できる一方、ほかの生成AIと同様に誤情報を生成したり、多角的な視点ゆえに意図せず第三者を傷つけてしまったりする可能性がある点に注意が必要です。

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