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データセットとは?概要や種類、作り方や注意点を解説

データセットとは?概要や種類、作り方や注意点を解説

データセットという言葉を見聞きしたことはあっても、詳細について理解している方は少ないかもしれません。データセットは、一定の形式に揃えられたデータの集合体を指し、データ収集や分析技術の進化に伴い、多様な業界で活用されています。

この記事では、データセットの概要と注目を集める理由、種類や作り方、作る際のポイントについて解説します。

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データセットとは

データセットとは、特定の目的で集め、それぞれを一定の形式に揃えたデータの集合体のことです。データセットと一口にいっても、画像や動画、音声、テキストなどに加えて、経済・金融、医療、観光など、多様なジャンルが存在します。

なお、データセットを構成する1つのデータを「データポイント」や「レコード」と呼び、機械学習では収集したデータセットからレコードを1つずつシステムに学習させることで、対象に関するモデルを構築します。

注目を集める理由

データセットが注目を集める理由は、データ分析や機械学習の性能・品質に深く関わっているためです。データセットは、モデルのトレーニングやテストに用いられ、用意したデータの品質が高ければ高いほどモデルの性能が向上する仕組みです。

つまり、データを使って優れた意思決定を実現する、さらには自社システムに含まれる機械学習の性能を高めたいといった目的を達成するためには、適切なデータセットの準備が不可欠ということになります。

データベースとの違い

データセットと類似する言葉のひとつにデータベースがありますが、こちらはデータの永続的な保存・管理を目的としたものです。

データセットは、特定の課題・プロジェクトに関するデータを一時的に保存し、解析やモデル構築に用いるものです。一方データベースは、企業がビジネスに関するデータを管理し、必要なときに速やかにアクセスできるようにすることが目的です。

データセットは柔軟性に優れさまざまな形式のデータを保存できるものの、データベースは構造化データを格納し、関連性や整合性を維持する必要があります。

データセットの種類

AIや機械学習の学習プロセスでは、目的別に以下3つのデータセットを分けて使用します。ここからは、トレーニング、バリデーション、テストの3つのデータセットについて解説します。

トレーニングセット

トレーニングセットは、主に生成AIモデルの構築に使う学習用データセットです。トレーニングセットには「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3種あり、それぞれ下表のような特徴があります。

教師あり学習教師なし学習強化学習
正解のわかるデータを取り込み、AIがそのデータに基づいて正しい結果を出せるようにする方法正解を示していないデータを使用し、AI自らがデータのなかからパターン・関連性を見つけ、正しい結果を導き出す方法特定の結果に対して適した行動をAI自らが学習する方法

生成AIは基本学習を済ませたあと、さらに精度を高めるためファインチューニングを行います。その際は別のデータセットを使い、すでに学習した内容を調整しながら精度を高めていきます。

バリデーションセット

バリデーションセットは、トレーニングセットを通じて生成AIモデルの性能を向上させたあと、ハイパーパラメーターを調整するために使うデータセットです。推論や予測の結果そのものではなく、手動設定が必要なパラメーターを調整・検証するためのデータという位置づけになります。

テストセット

テストセットは、トレーニングセットおよびバリデーションセットを通じて構築した生成AIモデルの性能について、最終的に検証するために使うデータセットです。生成AIモデルの性能を確認する際に使うデータであることから、これまで使用したものとは異なるデータセットを使います。

データセットの作り方

生成AIモデルや機械学習の性能向上に有効なデータセットは、独自に作ることが可能です。ここからは、データセットの作り方について解説するので、どのような方法で作るのか、その手順について見ていきましょう。

課題を明らかにする

データセットを作る最初のステップでは、モデルを使って解決する課題を明らかにします。ビジネスで生成AIや機械学習を使用する予定であれば、日常的にどのようなデータを抽出することになるのかについて考えることで課題を明らかにできます。

たとえば自社製品の売り上げ予測に対応したモデル構築を行いたい場合、対象期間や精度に関する要件を決める必要があります。課題を細分化しながら決めていくことで、必要なデータの特定につながり、その際の準備もスムーズに進みます。

データを集める

次に、明らかにした課題に適したデータを集めます。データ収集については、内部データベースや外部データソース、オープンデータセットの活用など、必要に応じて最適な方法を選ぶことが推奨されます。

独自で集める

データを独自で集める場合は、ビジネスに関する過去の販売・取引に関するデータや顧客情報など、組織に蓄積されたデータを選ぶことをおすすめします。

なお、独自で集める場合は、データの品質や信頼性の確保を目的とした品質管理プロセスを具体的に決めながら進めることが望ましいです。また、関連するデータが膨大であるほど収集・管理に時間を要するため、適切なツール・システムの導入も検討するとよいでしょう。

外注する

データ収集を外注することで、社内従業員の作業負担を軽減させながら迅速かつ膨大なデータを手に入れることができます。

ただし、外部の専門家あるいはチームの活用になるため、委託先を慎重に決める必要がある点や契約条件の明確化など、データ収集とは別の作業が伴うことを念頭に置きましょう。また、社内の機密情報をある程度提供する必要性から、情報の取り扱いに関するルールを定める作業も伴うでしょう。

オープンデータセットを利用する

オープンデータセットとはインターネット上で公開されたデータのことを指し、公共機関をはじめとした一次情報も取得できるため、高精度なデータ収集に期待できます。オープンデータセットは基本的に無料で利用できるメリットがある一方で、データの信頼性や品質はダウンロードするユーザーが確認する必要があるといった懸念もあります。

アノテーションを付与する

機械学習の「教師あり学習」の場合は、アノテーション作業が必要です。アノテーションは「注釈」といった意味があり、機械学習のモデルに学習させるさまざまなデータに正解ラベルを付与することを指します。アノテーションによって1つひとつのデータにおけるルールやパターンを覚え、モデルの性能向上につながります。

関連記事:AI開発に欠かせないアノテーションとは?種類・方法・メリット・活用事例まで徹底解説

データセットを作るときの3つのポイント

データセットを自身で作成する際は、以下3つのポイントを参考にしてみましょう。

CSVファイルで作成することを心がける

データセットはxlsx形式でも作成できますが、データ解析や機械学習の際に手間が生じることがあります。内容の確認や修正作業をスムーズに進めたいのであれば、CSVファイルでの作成をおすすめします。

ファイル名・変数に関するルールを決める

データセットの作成にあたっては、膨大なデータを管理しながら状況や作業に応じて速やかに取り出す必要があります。データセット作成を効率的に進めたいのであれば、データのファイル名や変数に関するルールは事前に決めておき、チーム内で徹底することをおすすめします。

空セルの意味を決める

データセットを作成するなかでは、なにも入力していないセルが現れることがあります。空セルそのものは問題ではありません。しかし、そのセルが測定を済ませていないものなのか、測定した結果ゼロと判断されたものなのかが判断できないと、作業がストップする原因になります。空セルがどのような意味を持つのか、チームや部署で明らかにしておくことをおすすめします。

データセットを使うときの注意点

データセットを使う上では、これから解説する5つの注意点に留意しましょう。

自社に適しているかを確認する

データセットを選ぶ上では、自社のビジネスニーズに合っているかを確認しましょう。そうすることで、自社ニーズにマッチしたモデル構築を実現できます。たとえば自社製品の領域に特化したデータセットを選ぶことで予測精度の向上だけでなく、的確な意思決定につながります。

不要なデータは取り除く

独自でデータを集めたときやオープンデータセットを使った場合、ビジネスには不要な情報が含まれていることがあります。不要なデータをそのままにしておくと、分析精度が低下したりモデリングに混乱を招いたりする可能性があるほか、処理コストが増えることにもつながります。

不要なデータはノイズになるため、できる限り取り除くことをおすすめします。なお、データを排除するときはビジネス目標や事前に明らかにした課題を基準に進めることで、データの品質向上や分析結果の信頼性確保につながります。

PDCAサイクルを回す

PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Act(対策)」の頭文字を取った、社内の課題解決やプロセス改善に利用される手法のことです。

データセットに関するPDCAサイクルの例:

「Plan(計画)」データセットを使って成し遂げたい目標や計画を立てる
「Do(実行)」事前に決めた計画を実行しながらデータの収集・整理・分析を実施する
「Check(確認)」分析結果の評価を行い、目標の進捗状況を確認する
「Act(対策)」分析結果の評価をもとに改善策を決め、次のPDCAサイクルに役立てる

PDCAサイクルを回すことで、ビジネスニーズに沿ってデータ活用や分析プロセスを効率的に進められます。

バイアスを確認する

独自で集めたデータのなかには、特定のバイアスが含まれている場合も少なくありません。たとえばインターネット上で入手できるデータのなかに性別に関するバイアスが含まれていると、モデルが差別的な判断を下す恐れがあります。収集したデータに特定のバイアスが含まれていないかについては、事前に確認することをおすすめします。

著作権に配慮する

収集したデータが著作権に触れていないかについても確認するようにしましょう。特に外注を活用したりオープンデータセットを使う場合は、利用条件範囲、ライセンスについて確認し、ルールが定められているのであれば遵守する必要があります。著作権に反するデータ・コンテンツを無断使用すると、法的な問題に発展し、多額の損害につながる恐れがあります。

データセットを使用する場合は、著作権に関するルール・法規制を遵守し、正しい権利処理を行うよう留意しましょう。

まとめ

高品質なデータセットは、生成AIモデルや機械学習の精度向上や検証に不可欠な存在です。しかし、不適切なデータセットを用意した場合、モデルの性能が低下するだけでなく、思いがけない場所で著作権を侵害するなどトラブルに発展するリスクがあります。

AIモデルの精度は、どれだけ質の高いデータセットを準備できるかに大きく左右されます。しかし、現場では「データ収集に手が回らない」「アノテーションが追いつかない」「分析できる人材がいない」といった課題を抱える企業が少なくありません。

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