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「“現場発”の自律型DXが加速」──ヤンマー建機が実践する、内製化×プロ人材活用によるDX推進の仕組み

「“現場発”の自律型DXが加速」──ヤンマー建機が実践する、内製化×プロ人材活用によるDX推進の仕組み

Peaceful Morning株式会社では、RPA・DXのスペシャリストによる社内での推進を支援するサービス「DX Boost」を提供しています。本インタビューでは、「DX Boost導入事例」として、実際にサービスをご利用いただいている企業様の取り組みを紹介します。

ヤンマー建機株式会社では、市民開発の推進から社内コミュニティの構築、さらに外部プロ人材の活用まで、段階的かつ戦略的なDX推進を実践しています。今回は、同社DX推進グループ課長の田中重信氏と、Peaceful Morningから同社にジョインしたフリーランスの神戸氏に、その取り組みの全貌と成果について詳しくお話を伺いました。

■インタビューにご協力いただいたご担当者様

<写真右>ヤンマー建機株式会社 経営戦略部イノベーション推進部 部長 田中 重信 様

<写真左>フリーランスエンジニア 神戸氏
・note: https://note.com/kambekinu
・X: https://x.com/kambekinu
・linkedin: http://linkedin.com/in/kin-pancake

市民開発とコミュニティ構築──現場主導のDX推進を選んだ理由

ーDX推進グループが主導して、RPAの市民開発や社内のDXコミュニティの推進に取り組まれてきたと思います。まずはこの点について、どのような課題や狙いがあったのかお聞きできますでしょうか

田中氏:実は、外部のSIerさんに開発を任せるという選択肢もあったんです。でも、現場の本当のニーズを正確に把握するのが難しいという課題がありました。

私たちDX推進グループは、システム部門のような開発・保守・運用が主業務ではありません。あくまで「社内にDXを根付かせる」のが目的です。そう考えたとき、市民開発を広げていくアプローチが最適だと判断しました。

業務のことを一番よく知っているのは、やはり現場の担当者ですからね。現場で自らDXを進めてもらい、私たちがそれをサポートしていく。ただし、RPAツールなど全社で統一すべきものは、きちんとDX推進グループで管理しています。

ーなるほど、現場主導でありながら、必要な部分はしっかり統制を効かせているわけですね。社内コミュニティについてはいかがですか

田中氏:コミュニティの狙いは大きく2つです。まず、メンバー全体のスキルアップ。そして、RPA推進のスピードと質の向上ですね。質というのは、開発技術の高さではなく「実業務にフィットした開発をする力」のことです。

2022年1月にDX推進グループを発足して以降、社内のDXのマインドが上がってきている時期でした。個人レベルでデジタルツールを使って生産性を上げている事例も増えてきていました。

コミュニティを作ることで、そうしたDXに積極的な社員を見つけて組織化できます。情報交換や学びの場を提供し、部門を超えた協力関係も生まれます。個々の取り組みを見える化することで、全社的なDXの盛り上がりを作ることができました。

社外コミュニティで磨く視野──多角的な学びと出会いの価値

ー田中さんといえば、社外のRPAやDXツールのコミュニティにも積極的に参加されていますが、そこではどのような狙いがあったのでしょうか

田中氏:他社の優れた取り組みから学ぶことは本当に大切だと思っていて、積極的に社外コミュニティにも参加しています。

コミュニティには本当にいろんな方がいらっしゃるんです。私たちのようなユーザー企業のDX担当者もいれば、ツールのファンのエンドユーザー、SIerの方、ツールメーカーの方も参加されています。それぞれ違った立場の方からお話を聞くことで、多面的な学びやヒントが得られるんです。

ーPeaceful Morningとの出会いも社外コミュニティでしたね

田中氏:そうですね。あのときがきっかけで、今こうしてご支援いただいています。現在弊社の業務に携わっていただいている神戸さんも、以前からRPAのコミュニティで運営に携わっておられて、お付き合いがありました。業界で影響力のある方々がPeaceful Morningに登録されているというのは、御社の大きな強みだと感じています。

プロ人材を迎えた背景──現場課題を言語化する壁をどう越えるか

ー現在、弊社から神戸さんというRPAのプロ人材にジョインしてもらっていますね。外部人材を受け入れることになった背景を教えてください

田中氏:市民開発や社内コミュニティの推進を続けていく中で、一つの壁にぶつかりました。それは、現場の課題や要件を正しく把握することの難しさです。

市民開発のメンバーには、若くて向上心もあり技術力もある人材がいます。でも、現場の方は自分たちの課題や希望をうまく言葉にするのが苦手なケースが多いんです。

そこで、プロ人材の必要性を感じました。求めていたのは単なる開発力の高さではありません。現場の人たちの言葉の裏にある本当のニーズをくみ取り、根本的な課題を見つけて、適切な解決手段を提案できる力です。

そのためには、社内に入り込んで現場メンバー一人ひとりの性格も理解しながらコミュニケーションを取ってもらう必要がありました。だから、SIerへの請負発注ではなく、外部のプロ人材を業務委託で「社内メンバーのような形」で受け入れることにしたんです。

Peaceful Morning活用の強み──契約から技術支援まで安心の仕組み

ー外部人材の受け入れでPeaceful Morningを活用したメリットはありましたか?

田中氏:神戸さんとは元々コミュニティで知り合いでしたが、Peaceful Morningさんにフリーランス登録されていたおかげで、契約まわりの煩雑な手続きも含めてスムーズにジョインしていただけました。

ー神戸さんはフリーランスの立場としていかがでしょうか

神戸氏:フリーランスが一人でクライアント先に入るとき、どうしても孤独感や不安がつきまといます。でも、Peaceful Morningさんがついていると安心です。Slackでいつでもマネジメントと連絡が取れるので、常に誰かが見守ってくれている感覚があります。

今回「Autopilot for Everyone」を使った開発をする際も、テスト環境の準備や技術的な相談をすると、すぐに環境を整えてくださいました。技術サポートの方との連携もスムーズで、回答も早い。おかげで実務に集中できる環境が整っています。

技術面でも人間関係の面でも、フリーランスが安心して力を発揮できる環境を作ってくれる、本当に頼れるパートナーです。

プロ人材ジョインの成果──開発力以上に評価される“仕事の質”

ー神戸さんがジョインしてから約1年経ちますが、活躍ぶりはいかがですか

田中氏:本当に素晴らしいです。開発力はもちろんですが、それ以上に評価しているのは、社内メンバーに寄り添いながら根本的な課題を把握し、どう自動化すべきかを丁寧に考えて実現まで導いてくれることです。

「RPAでは難しいからできません」といったことは一切ありません。常に「どうすればできるか」を考え、あきらめずに取り組んでくれます。必要に応じて現場担当者のメンタル面もケアしながら進めてくれるんです。

現場担当者の意図や要望をスムーズに汲み取っていただいているので、現場メンバーからの信頼が厚いです。

加えて、相談・報告の質も非常に高いです。自走力があるので安心してお任せできますが、適切な頻度と内容で相談・報告をしてくれるということもその背景としてあります。RPAのプロである前に、ビジネスパーソンとしての仕事の質がとても高いと感じています。

ー神戸さんは、ヤンマー建機様での活動を通じてどんな経験が得られましたか

神戸氏:社内で推進されていた「StudioX」を使った開発案件を担当させていただき、大きな学びがありました。これまでStudioXはプレゼンでしか使ったことがなかったのですが、実際の現場業務で活用することで、このツールの可能性と限界を肌で感じることができました。これは貴重な体験でしたね。

また、OrchestratorやStudio関連の問い合わせ対応、「一日でロボットを作ってみよう」といった企画にも携わらせていただき、現場が本当に求めているものを直接感じることができました。そこで身につけたスピード感のある対応力や実践的なスキルは、今の業務にも活かされています。

ヤンマー建機様はDX推進にとても積極的で、AI活用プロジェクトにも参加させていただいています。こうした最先端の取り組みに関われることは、モチベーション向上にもつながり、とてもやりがいを感じています。

そして何より、フリーランスとしての価値を高められたと実感しています。現場のリアルな課題と向き合いながら技術と対応力を磨けた経験は、今後どんな案件でも強みになると確信しています。

今後の展望──ヤンマーグループ全体へ広がるDX推進と柔軟な人材活用

ー今後に向けての展望をお聞かせください

田中氏:ヤンマー建機でのDX・RPA推進をさらに加速させたいですし、神戸さんやPeaceful Morningのプロ人材にはますます期待しています。社内での評判をもっと高めていきたいですね。

実は、ヤンマー建機でのDX推進の取り組みが事例となって、ヤンマーグループ内の他の会社でも同様の動きが広がっています。そこでも神戸さんをはじめ、Peaceful Morningの人材をもっと活用できればと思っています。

正社員だと柔軟な配置転換は難しいですが、業務委託の方なら、プロジェクトに合わせてグループ内での異動もしやすい。そういった点でも大きなメリットを感じています。

ー神戸さんはいかがでしょうか

神戸氏:RPA分野は日々進化していて、年齢を重ねてもその流れに乗って新しい技術や経験を積極的に取り入れていきたいと考えています。これまで培ったUiPathやVBAのスキルを活かしつつ、現場の声にしっかり耳を傾け、お客様に寄り添った業務改善・自動化を提案し続けたいです。

単なる技術提供で終わらせるのではなく、「その人の仕事がどう変わるか」「どんな負担が減るか」という視点を大切にしながら、実践的で効果的なソリューションを届けることが私の目標です。これからも柔軟な対応力と好奇心を武器に、RPAの可能性をどんどん広げていきたいと思っています。

ーーインタビューにご協力いただきましてありがとうございました。

いかがでしたでしょうか。

ヤンマー建機様の事例から分かるのは、DX推進成功の鍵は「技術力」だけでなく、「現場理解力」と「コミュニケーション能力」にあるということです。

市民開発の推進、社内コミュニティの構築、社外コミュニティへの参加、外部プロ人材の活用という段階的なアプローチで、同社は「現場のニーズを正確に把握し、実業務にフィットしたDXソリューションを提供する」理想的な形を実現しています。

本インタビューでは、「DX Boost導入事例」としてヤンマー建機様のリアルな声をお届けしました。

Peaceful Morningでは、企業様の課題を踏まえ、目標の実現に向けたRPA・AIの開発や伴走のサポートを行っています。ご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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