従業員の労働負担やミスを防ぐ必要性から精神的負担もかかりやすい定型・反復業務は、RPAで自動化できます。また、あらかじめ業務プロセスを登録してしまえば、誰でも操作でき、人的リソースは人間でなければならない作業に注力することも可能です。
そこでこの記事では、業務効率化を検討する方へ業務のRPA化について解説します。RPAとはどのようなツールなのか基本的な概要をはじめ、代替可能な11種の作業、実現に向けた具体的なステップについて解説しているので、本記事を参考にしながら非効率業務を自動化し、効率化を図りましょう。

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RPA化とは?
RPA化とは、社内に点在するさまざまなルーティン業務をRPAツールを使い自動化することです。RPAツールに業務プロセスを設定することで、定型的・反復的な作業をロボットに代替し、既存従業員は人的リソースが必要な業務に従事できる環境に導きます。
そのため、社内全体に業務効率化や生産性向上といった大きなメリットをもたらし、企業競争力の強化につなげることができます。
RPAとは
RPAは「Robotic Process Automation」の略語で、日本語に訳すと自動化ツールといった意味があります。多くの企業には一定のルールがあるなかで1つひとつ進める必要がある業務や、同じ作業を繰り返す必要がある業務が各部署に点在しています。
このような定型的・反復的な業務は、従業員の労働負担やミスを防がなければならないといった精神的負担だけでなく、体調やモチベーションによる作業品質や作業速度のばらつきが生じやすく、企業のボトルネックと考えられています。こうした業務に最適なツールとして注目を集めているのがRPAツールによる自動化です。
関連記事:自動化ツール(RPA)とは?おすすめの16種類や選び方、導入の注意点を解説!
RPAに代替可能な11種の作業
RPAは、多様な業務の中でも特にバックオフィスにおける定型作業の代替に適しています。ここからは、RPAに代替可能な代表的な11種類の作業について解説します。
| カテゴリ | 具体的な作業内容 | 導入のメリット |
|---|---|---|
| 調査・収集 | 1. 競合調査 / 2. 情報収集 | 24時間リアルタイムでの市場監視が可能 |
| 集計・報告 | 3. レポート作成 / 5. データ転記 | ヒューマンエラーを排除し、正確な数値を担保 |
| 管理・事務 | 4. 各種情報管理 / 6. 定型書類発行 | 事務工数を80%以上削減した事例も多数 |
| 経理・バックオフィス | 7. 入金消込 / 11. 受注・在庫確認 | 繁忙期の残業をゼロにし、ミスによる精神的負担を解消 |
| 連携・配信 | 8. 問合せ対応 / 9. アプリ操作 / 10. メール配信 | システムを跨ぐ複雑な操作を24時間自動実行 |
上記の作業はいずれもパターン化しており、反復性が高いといった共通点があります。
1.競合調査
Webサイト上の競合他社の製品価格やサービス内容、キャンペーン情報などを定期的に収集し、自動でExcelやスプレッドシートにまとめて分析する作業はRPAツールでRPA化できます。手作業で行っていた場合にかかっていた膨大な労働時間を削減し、常に最新の市場動向をタイムリーに把握できるようになります。
また、取得したデータから自動でグラフを作成し、視覚的に分析することにも対応可能です。
2.情報収集
ニュースサイトやブログ、SNSといったさまざまな媒体から特定のキーワードに関する情報をリアルタイムで収集し、自動でデータベースに蓄積する作業もRPA化できます。たとえば自社や競合他社の評判、業界の最新トレンド、規制情報の変更などは効率的にモニタリングできます。
特定の情報が更新された場合、業務担当者へメールで通知するといった設定も可能なので、迅速な対応が求められる業務に最適です。
3.レポート作成
複数のシステムやデータベースから必要なデータを自動で抽出・集計・分析し、事前に設定されたフォーマットに沿って日報や週報、月報などのレポートを自動で作成する作業もRPA化できます。複雑なデータ加工やグラフ加工もRPAに代替できるため、手作業によるミスを防ぎながらレポート作成にかかる労働時間の削減につなげられます。
また、作成したレポートは自動で関係部署にメール送信することも可能です。
4.勤怠・在庫・顧客情報の管理
従業員の勤怠データをはじめ、自社製品の在庫データ、顧客情報などを各自社システムから取得し、一元的なデータベースに自動で入力・更新する作業もRPA化できます。手作業による入力漏れや転記ミスを防ぎつつ、常に最新かつ正確な情報をリアルタイムで把握できます。
たとえば顧客情報が更新された際に、関連部署のシステムに自動で反映させるといったシステム間および部署間の連携が実現可能です。
5.データの転記作業
ExcelやPDF、紙媒体による書類など、異なる形式のデータから必要な情報を抽出し、別のシステムや台帳に自動で転記する作業もRPA化できます。特に複数のシステムを横断してデータを入力するような煩雑な業務に有効で、従業員は単純なコピペ作業から解放され、より人的リソースが必要な作業やクリエイティブな業務に時間を充てることができます。
6.定型書類の発行
請求書や契約書、発注書に見積書など、企業間取引が多ければ多いほどその処理業務に困惑することもあるでしょう。このようなテンプレート化した書類に顧客情報や金額などのデータを自動で入力し、PDF化して発行する作業もRPA化できます。
テンプレート化した書類における業務の自動化によって、書類作成にかかる時間を大幅に削減し、迅速な顧客対応や業務フローの円滑化に期待できます。また、発行した書類を自動特定のフォルダに保存したりメール送信したりする作業にも対応しています。
7.入金消込
銀行口座の入金データと社内の売掛金データを自動で照合し、消込作業を自動化することも可能です。入金確認から消し込みまでの一連の作業をRPAに代替することで、経理担当者の負担軽減につながります。また、消込作業におけるミスや漏れといったヒューマンエラーも未然に防ぐことができるため、経理業務の正確性の向上に期待できます。
8.問い合わせ対応
顧客からの定型的な問い合わせメールに対して、件名や本文に含まれるキーワードを分析し、FAQデータベースから最適な回答を検索・自動返信するといった環境構築もRPA化できます。顧客からの問い合わせに速やかに対応できることで、顧客満足度の向上につながります。また、複雑な問い合わせは従業員へ自動で振り分けることも可能です。
9.社内アプリの操作・実行
特定の社内アプリケーションを自動起動し、指示されたデータ入力や操作、処理実行なども自動化できます。たとえば販売管理システムに日々の売上データを自動で入力する、人事システムから従業員情報を自動抽出し、給与計算ソフトに連携するといった仕組みを構築できます。
10.メール配信
顧客リストや名簿からメールアドレスを自動抽出し、指定されたテンプレートで新製品の案内やキャンペーン情報を一斉送信することも可能です。RPAは配信後のエラーメール処理や開封・クリック率の集計作業も自動化できるため、マーケティング担当者はより戦略的なコンテンツの企画立案に集中できます。
11.受注情報の確認・在庫確認業務
ECサイトやオンラインプラットフォームからの受注情報を自動取得し、在庫管理システムと照合して在庫の引当や不足の通知を行う作業も自動化できます。一連の業務プロセスをRPAに代替することで注文から発送までのリードタイムを短縮し、ヒューマンエラーによる欠品・過剰在庫を予防できます。

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RPA化を実現するための3ステップ
RPAを導入するには、事前の準備と適切な設計、運用が重要です。特に、業務フローを明確にし、トラブルを防ぐためのテストや定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは、RPA化を成功させるための3つのステップを詳しく解説します。
ステップ1:対象業務を選定し手順を洗い出す
まずは「どの業務をRPA化するか」を明確に定義しましょう。RPA化の候補となる業務としては、繰り返し作業と明確なルールが決まっていることの多い定型・反復業務です。業務フローを可視化し、特に工数がかかる、あるいはミスが生じやすい業務を選定しましょう。
業務の選定が終わった後は、RPAツールの選定です。種類や機能、コストやサポート体制といった多角的な要素を考慮しながら自社ニーズに最適なツールを選びましょう。
ステップ2:業務フローをもとに設計・テスト・検証をする
RPA化する業務と最適なRPAツールの選定・導入が終わった後は、次にRPAツールに具体的なシナリオを設計します。業務の開始から終了までのプロセスを詳細に洗い出し、ソフトウェアロボットに適切な操作方法を反映します。
ステップ3:運用開始
設計したシナリオをRPAツールに組み込んだ後は、実際に業務で活用します。スモールスタートで小さな成功体験を積み重ねながら適用範囲を広げていくことが一般的です。運用開始後は業務内容の変更にあわせてシナリオを修正するなど、継続的なメンテナンスを実施します。

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RPA化による5つのメリット
RPAを導入することで、業務効率化やコスト削減などのさまざまなメリットを得ることができます。特に、単純作業を自動化することで、人手不足の解消や業務負担の軽減につながる点が大きな魅力です。ここでは、RPA化による5つのメリットを詳しく解説します。
人手不足解消と業務負担の軽減
少子高齢化により、労働力不足が深刻な課題となっています。RPAを導入することで、単純作業を自動化し、人の手を必要としない業務を増やすことが可能です。
例えば、データ入力や経費精算といった事務作業は、従業員が行うと多くの時間がかかります。しかし、RPAを活用すれば、人が介入しなくても正確かつ素早く処理できます。また、従業員はより高度な業務に集中できるため、業務負担の軽減にもつながるでしょう。
コスト削減による経営効率の向上
RPAを導入すると、人件費や採用費、教育費などのコストを削減できます。特に、繁忙期に臨時のスタッフを雇用する必要がある企業では、RPAによる自動化がコストカットに大きく貢献します。
請求書の処理やシフト管理などをRPAに任せれば、追加の人員を確保せずに対応可能です。また、単純作業の削減により、従業員の負担が減り、離職率の低下にもつながります。これにより、新たな人材採用にかかる費用を抑え、経営の安定化と効率向上を実現できます。
作業の効率アップと生産性向上
RPAを活用すると、作業のスピードが向上し、業務効率が大幅に改善されます。例えば、データ収集や書類作成を自動化することで、手作業による処理時間を短縮できます。
また、始業前にRPAが必要なデータを整理しておけば、従業員はすぐに業務に取り掛かることが可能です。こうした時間の有効活用により、業務全体の生産性向上や企業の競争力強化にもつながります。さらに、従業員がより創造的な業務に集中できる環境を整えられる点も、大きなメリットでしょう。
ヒューマンエラーを最小化し品質を安定化
人が業務を行う場合、集中力の低下によるミスが発生する可能性があります。請求書の入力ミスや誤ったデータ送信は、取引先の信頼を損なう原因となり得ます。
しかし、RPAを活用すれば、設定通りに処理が進むため、入力ミスや作業漏れを防ぐことが可能です。また、ヒューマンエラーが減少することで、取引先とのトラブルを防ぎ、業務品質の向上にも貢献します。さらに、ミスの対応にかかる時間を削減できるため、より重要な業務に集中できる環境を整えられるでしょう。
働き方改革を促進しワークライフバランス向上
長時間労働の改善は、企業の重要な課題のひとつです。特に、深夜や休日対応が必要な業務は、従業員の負担を大きくし、ワークライフバランスの乱れを引き起こします。
RPAを導入することで、時間に縛られず業務を遂行できる環境を整えられるため、従業員の負担を軽減できます。例えば、RPAが24時間体制で稼働し、シフト調整や在庫管理を自動で行うことで、従業員の勤務時間を短縮できます。これにより、仕事とプライベートのバランスを改善し、働きやすい職場環境を実現できるでしょう。
RPA導入前に知っておくべき3つのリスクと対策
RPAは多くの定型業務を救ってくれる強力なツールですが、残念ながら「導入すればすべてが解決する魔法の杖」ではありません。導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、RPAが抱えるリスクを正しく理解し、事前に対策を講じておくことが重要です。
ここでは、特に注意すべき3つのデメリットを文章で詳しく紐解いていきます。
1. 管理不能な「野良ロボット」の発生
RPAは現場主導で手軽に作成できる反面、作成した担当者が異動や退職をした途端に誰も中身を修正できないブラックボックスと化すリスクがあります。これが、いわゆる野良ロボット問題です。
誰が、どの業務のために、どのようなルールで動かしているのかが不明確なロボットが放置されると、エラーが発生した際に業務が完全にストップしてしまいます。これを防ぐには、導入初期から開発ルールの共通化を行い、ロボットの稼働状況を一元管理するガバナンス体制を整えることが不可欠です。
2. システム変更に伴う「停止リスク」への脆弱性
RPAは、あらかじめ設定された画面上の位置やボタンの名前を忠実に守って動作します。そのため、操作対象のWebサイトや社内システムのレイアウトがわずかに更新されただけで、ロボットは指示を見失い停止してしまいます。
こうした「システム変更に弱い」という特性は、外部サイトを頻繁に利用する業務において特に顕著です。対策としては、ロボットが止まることを前提とした運用設計を行うことが大切です。
不測の事態にも迅速に対応できるよう、「Robo Runner」のような変化に強い伴走型支援サービスを活用し、即時修正できる体制を構築しておくのが賢明です。

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3. 業務プロセスの「再ブラックボックス化」への懸念
RPA化を進めるステップとして「事前の業務可視化」は欠かせませんが、自動化が成功し運用が長期間にわたると、せっかく可視化したプロセスが再びブラックボックス化してしまうという可能性があります。
たとえば、数年後に業務内容を見直そうとした際、ロボットの設定(シナリオ)を読み解かない限り正解がわからないという本末転倒な事態を招くなどです。
これを防ぐには、導入時の可視化を一度きりで終わらせず、業務変更のたびにフロー図やドキュメントを更新し続けるルール作りが重要です。常に人間がプロセスを支配している状態を維持することで、技術継承の断絶を防ぎ、健全な自動化を継続できます。
RPA化に成功した企業事例
テクノロジー技術が進化したことで、現在では多くの企業でRPA化を図り、業務効率化に成功しています。ここでは具体的な成功事例について解説します。
シミックソリューションズ株式会社
臨床試験支援サービスを提供するシミックソリューションズ株式会社では、PDFデータをテキスト変換後、Web情報に適合させて外部サイトへの掲載用フォーマットに変換する作業を自動化しました。これまで手作業で行っていた作業を自動化し、作業時間の削減を果たしています。従業員は顧客対応など付加価値の高い業務に集中できるようになりました。
関連記事:【RPAを全社展開へ】業務効率化を「当たり前」にするためのRobo Runner活用事例|シミックソリューションズ株式会社
ウォンテッドリー株式会社
ビジネスSNSの1つである「Wantedly」を運営するウォンテッドリー株式会社では、業務の見直しで作業の短縮・削減を実施後、残った業務をRPA化しました。その結果、記事公開時点で約40人のビジネスメンバーの業務を自動化し、十分な費用対効果を得ています。
関連記事:ウォンテッドリーで実践するベンチャー企業のRPA活用術 – BUSINESS HACK
堀場製作所(HORIBA)グループ
精密計測機器メーカーの堀場製作所グループでは、マクロでは対応しきれない複数のアプリケーションにまたがる細かな業務を効率化するべくRPA化を図りました。
その際、Peaceful Morningが提供する伴走型RPA・AI支援サービス「Robo Runner」を活用し、親会社と同じUiPathを導入したところ、独学にかかる時間・費用を抑え、効率的な知識習得を実現し、担当者の技術向上や高度なロボット開発につなげ、業務効率化を成功させています。
RPAツールの導入に踏み切っても、デジタル人材が不足していては適切な運用が見込めません。Robo Runnerでは月4時間の画面共有を用いたオンライン面談に加えて、操作方法に困ったときにいつでも利用できる無料のチャットサポートをご用意しています。
伴走型のため、RPAの導入・運用を適切にサポートし、社内に存在するデジタル人材の知識・技術を向上させることができます。RPA化の検討におけるデジタル人材の不足に懸念がある企業担当者様は、お気軽にPeaceful Morningまでご相談ください。
関連記事:全社の業務改革に少数精鋭チームが挑む、堀場エステック流「Robo Runner」の活用方法とは?
まとめ
RPA化は、業務の自動化にとどまらず、人的ミスの削減やコスト削減、生産性の向上など、さまざまなメリットが期待できる取り組みのひとつです。なかでも、本記事で解説した11種類の作業は定型的な業務であるため、非効率な業務フローに課題を感じている企業にとって、特に有効だといえるでしょう。
一方で、RPA化を進めるうえで多くの企業が直面するのが「開発人材の不足」という課題です。この課題を解決するのが、伴走型支援サービス「Robo Runner」です。専任のサポーターが実業務の相談に対応しながら、実践的なスキルを直接伝授するため、社内にRPA開発のノウハウを着実に蓄積できます。
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