Generic selectors
Exact matches only
Search in title
Search in content
Post Type Selectors

AIOpsとは?概要や用途、ビジネスにおけるメリットを解説

AIOpsとは?概要や用途、ビジネスにおけるメリットを解説

世界的に飛躍的な進化を続けるAIにより、企業が使用するITシステムはさらに複雑化しています。導入したAI技術を十分に活用するためには、効率的な運用が必要です。このようなときに注目されているものがAIOpsと呼ばれる手法です。

この記事ではAIOpsの概要と機能を中心に、メリットや注意点、さらに、混同しやすい言葉であるMLOpsやDevOpsとの違いについて解説します。

DXboost

AIOpsとは?

AIOps(エーアイオプス)は、「Artificial Intelligence for IT Operations」の略称で、IT運用にAIを活用する技術を指します。具体的には、AIや機械学習(ML)などを含めた高度な技術を駆使し、IT運用を自動化および最適化する手法のことです。

IT環境が大きく進化したことにより、IT環境におけるシステムの複雑化が懸念されています。取り扱うデータの量も膨大に増え、これまでの運用方法では対応しきれなくなっているのが現状です。

AIOpsは、AIがいくつものパターンを解析しインシデントの予測・異常検知を行う能力を持ち合わせています。AIOpsの活用によって、これまでの運用方法では発見できなかった脅威を見つけられるほか、既知のトラブルにも迅速に対応できるようになります。

AIOpsの機能

AIOpsでは、主に以下5つの機能が利用できます。

  • データの収集・統合
  • 異常検知・予測
  • 自動化
  • 原因分析
  • 管理

具体的にどのような機能なのかを解説します。

データの収集・統合

データ収集・統合は、サーバーやネットワーク機器といった各種ITインフラ機器からデータを集め、状態をチェックする機能を指します。仮に大規模なシステムで利用した場合でも、AIの働きによって迅速に分析することが可能です。

データの収集・統合によっては、最適化によるネットワークの遅延を防いだり、無駄な回線を廃止したりするなど、コストの最適化にも寄与します。

異常検知・予測

膨大なデータのなかから過去の傾向や法則性に沿わないデータ、いわゆる異常を検知する機能もあります。人間による確認作業における負担を軽減につなげ、かつ高精度に判断できることはAIならではの特徴です。機械学習によって、過去の問題を記憶し、事前に予測することもできます。

自動化

収集した情報や機械学習に基づいた自動化機能によって、問題が起きた場合の対応や運用タスクの自動化などにも適用できます。人の手だけではミスが生じやすく、また労力や時間がかかっていた対応も、自動化によってミスを防ぎながら効率化させることにつながります。

AIの進化により、単純作業の自動化はすでに多様な業界で実現していますが、AIOpsはAIに比べ一歩前進し、インシデントの対応など突発的な業務も自動化可能です。

原因分析

問題が生じた場合に、その原因を速やかに特定し、再発防止策を講じるための分析機能を持ち合わせています。人が発生したトラブルの根本的な原因を追及するためには、多くの労力や時間が必要です。

AIOpsは膨大なデータを収集したことにより、さまざまな根本原因を取得しています。そのため、適切な対策を迅速に講じることが可能になります。多種多様なシーンで問題解決が迅速に行えるほか、問題が起きる可能性を最小限に抑えることができます。

管理

IT管理は、社内の従業員が業務に用いるITサービスを管理することを指します。例えば業務中にITサービスが利用できなくなった場合、業務に支障が生じるリスクがあるでしょう。

AIOpsは問題における根本原因を収集したデータによって自動分析し、適切な対応策を提供するので、業務に支障を来すリスクを回避できます。

AIOpsと似ている言葉との違い

AIOpsと似ている言葉として、MLOpsやDevOpsがあります。特徴はまったく異なるものなので、ここでそれぞれの違いについて理解を深め、AI導入に役立てましょう。

MLOpsとの違い

MLOpsは、機械学習を効率よく運用することを目的とした業務・仕組みを実現するための手法です。MLシステム開発とMLシステムオペレーションの統合を指しており、MLエンジニアリングの文化とも考えられています。

具体的には、開発者や運用担当の役割分担、分析や開発、運用におけるプロセスの整備、機械学習のプログラムマネジメントのシステム化などがあります。

一方、AIOpsはIT運用における効率化・自動化に向けて、機械学習やビッグデータを活用する運用手法です。AIOpsはAIによって運用を効率化させることを、MLOpsはAIの効率的な運用のことを指す違いがあるので、この機会に押さえておきましょう。

DevOpsの違い

DevOpsは、開発チームと運用チームがそれぞれ協力し、システムやソフトウェアにおけるビジネス的な価値を高める目的を持つ概念を指します。開発を「Development」、運用を「Operations」と呼び、それぞれをかけあわせた言葉であることを押さえておくと、AIOpsとの違いが覚えやすいでしょう。

AIOpsによるメリット

AIOpsの利用にあたっては、さまざまなメリットに期待できます。ここではさまざまなメリットのなかでも厳選した3項目について解説します。

DXの推進

AIOpsの利用によって、DXの推進に寄与します。DXとはデジタル技術を使ったビジネスの創出・体制の変革のことで、日本では経済産業省を中心に産業界のDX推進に向けてさまざまな施策が行われています。

IT環境の規模が大きくなればその分だけシステムが複雑化し、稼動に影響を及ぼす懸念があります。そうなる前にAIOpsを導入することで、万が一問題が生じても速やかに検知し、適切な対応が可能です。

システムの安定的な稼動や監視・運用業務における負担軽減など、AIOpsをはじめとしたDX推進は、企業全体の効率化へのメリットにも期待できます。

参考:産業界のデジタルトランスフォーメーション(DX) (METI/経済産業省)

コスト・人員の削減

AIOpsは膨大なデータを迅速かつ正確に自動収集できる機能があります。これまでは人の手だけでは困難だった膨大な情報の収集も、AIOpsによって迅速かつ正確に行えるので、情報を集めるために生じていたコストや手掛けていた人員、人員の労力負担などを削減することにつながります。

仮に、情報収集や分析をこれまで数人の従業員でローテーションしていたのであれば、AIOpsの存在によって負担軽減や工数の大幅カットが実現するので、煩わしさを感じていた業務に対する意欲の向上にも寄与し、高いモチベーションを維持して取り組むことができるでしょう。

問題解決速度の向上

AIはさまざまなデータを通じて学び、あらゆるパターンを見つける能力に長けています。その結果、問題が生じても見つけたパターンに当てはめながら適切な対応策を見つけ提供するので、従来に比べて問題解決における速度が飛躍的に向上します。

AIが高精度な解決方法を学習すれば、将来的には人による判断・対応も減少し、コストや人員の削減にもつながるでしょう。

AIOpsを提供するツール・プラットフォーム

AIOpsは現在、さまざまな企業がサービスのひとつとして提供しています。ここでは、どのようなツール、プラットフォームが展開されているのかについて解説します。AIOpsの導入を検討中の方は今後の参考にしてください。

IBM Watson OpenScale

IBM Watson OpenScaleとは、アメリカのIBM社によるAIOpsツールのことで、主にAIが正常に稼働しているかテストする際に用いられます。

例えば、AIがさまざまな情報をもとにAという結果に導いたとしましょう。しかし、Aという結果に辿り着くまでにどのような経路を介したものなのかを人が確認することができないため、信憑性や信頼性について評価することが難しいのが一般的です。

IBM Watson OpenScaleを導入すると、AIの行動や導いた結果がどの程度の精度で判断しているかを確認できるので、不安なくAIを利用することが可能になります。

OpsRamp

OpsRampとは「OpsRamp Inc.」というアメリカの企業が提供するAIOpsツールのことです。もともと使用していたシステムとの連携に加え、監視、リソースの視覚化、自動化に対応しており、システム周辺の一元管理にも使用できます。

管理を必要とするシステムはマルチクラウドや仮想化など、より複雑化しています。それと同時に、管理に対応したシステムも同様に増えることから、AIの使用にあたっては、さまざまなシステムを総合的に管理しなければなりません。

多様化するAIシステムやその周辺の管理システムを、一元的に管理でき、システム運用の効率化のサポートにつなげるのがOpsRampです。

Splunk

Splunkは、アメリカの「Splunk Inc.」が提供するAIOpsツールのことです。複数のシステムに関するログデータを統合・管理できるほか、マシンデータの収集・分析・検索・監視を一元で行えるといった特徴があります。

導入が容易で、低コストでもあることから、さまざまなソースからビッグデータを収集し、分析が欠かせない業務においては高い効果に期待できるでしょう。

また、ITインフラの運用管理やセキュリティの保持、経営上の意思決定を行う際に必要となる情報の取得にも活用でき、業種を問わず多くの企業が導入しているともいわれています。

AIOps導入における注意点と将来性

AIOpsにはさまざまなメリットをもたらす特徴から、導入する企業が増加しています。しかし、使用にあたっては注意点について押さえておくことも大切です。ここでは、AIOpsの導入に際しての注意点と、将来性について解説します。

注意点

AIOpsを導入する上では、以下の注意点に留意しましょう。

  • 導入が難しい
  • 高品質なデータが必要

AIOpsの導入にはAIに関する高度な技術と知識が欠かせません。具体的には、AIの学習に必要となる機械学習やビッグデータなどに関する専門知識が必要です。さらに、自社で取り扱うITシステムとの統合についてや、管理・整備なども課題になり得ます。そのことから、導入する場合には、AIやAIOpsに精通した人材の育成や確保が必要であることを押さえておきましょう。

次に高品質なデータは、AIOpsの効果を高精度かつ最大限に引き出すために必要になる要素です。どれだけ多くの情報を取り込んだとしても、品質が低いものであれば高精度な効果にいたらないためです。

どちらも導入における課題になり得ることから、専門知識を養うための研修や外部業者への外注などを検討する必要性もあるでしょう。

将来性

AIOpsの需要や市場規模は、今後ますます拡大すると予想されています。AI技術がどこまで進化するかによって、AIOpsも高精度なものになると考えられます。高精度なAIOpsが誕生すれば、異常検知や自動化などもより正確かつ効率的に行うことが可能になるでしょう。

またIT運用に限らず、ほかのビジネスシーンでも応用が可能になるといわれています。製造業における生産管理をはじめ、金融業のリスク管理といった多種多様な業界での活用が期待されており、将来的にはAIOpsの存在によって自社競争力の向上に寄与する可能性もあるでしょう。

まとめ

AIOpsは、IT運用の効率化・最適化を実現するための頼もしいツールです。導入にあたってはAI技術に関する専門知識や準備、コストを要しますが、もたらすメリットは大きなものと考えられます。今後のAI技術はさらに進化を遂げるとも予測されていることから、AIOpsの可能性もますます広がることでしょう。

AIOpsに興味がある方は、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

なお、Peaceful Morningでは、企業のデジタル変革を加速させるための人材マッチングサービス「DXBoost」を提供しています。DX領域に特化した(※)グループ600万人以上のデータベース から、最適な人材を専任のエージェントが即日提案します。リーズナブルな価格で人材をアサインできるため、AIに精通した人材を探している方は、ぜひお気軽にご相談ください。

DXboost※Peaceful Morningはグロース市場上場のクラウドワークス社のグループ会社です

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です