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Microsoft IQとは?4つのIQの違いとPower Platform連携を解説

Microsoft IQサムネイル画像

Microsoft IQは、AIが単に質問へ回答するだけでなく、企業内の人・データ・業務・ナレッジといった情報を理解し、より実務に即した支援を行うための仕組みです。

Work IQ・Fabric IQ・Foundry IQ・Web IQの4つのIQで構成されており、Microsoft 365や各種業務データ、Web上の最新情報などを活用しながら、AIエージェントの回答精度や業務遂行力を高めます。

本記事では、Microsoft IQとは何かをはじめ、4つのIQの特徴や違い、Power Platformとの関係、導入するメリット・注意点についてわかりやすく解説します。

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Microsoft IQとは?

Microsoft IQメインイメージ

Microsoft IQはAIに「あなたの会社がどんな組織なのか」を理解させるための仕組みです。
最近、AIが急速に進化し、エージェント(自動で作業してくれるAI)も賢くなってきました。しかし、どれだけ優秀なAIでも、新入社員と同じように「会社については何も知らない状態」からスタートします。

  • 誰がどんな業務を担当しているのか
  • 会社で使われる「売上」「顧客」などの言葉が、具体的に何を指すのか
  • 社内の資料がどこに保存されているのか
  • どんなルールや手順で仕事が進むのか

こうした「会社の事情」を知らないと、AIが本当に役立つサポートをするのは難しいのです。

Microsoft IQ は、会社の知識・文脈・ルールをAIに理解させる役割を持っています。これを使うことで
Power AppsやCopilot Studioで作ったエージェントがあなたの会社に合わせた回答や作業をしてもらえます。

Microsoft IQは2025年に初めて発表され、2026年6月のイベント「Build 2026」から本格的に公開された比較的に新しいツールです。そのため、まだ情報が少なく、これから企業での活用が広がっていく段階にあります。

参考:Microsoft IQ | Unified Enterprise Intelligence for AI

Microsoft IQが必要とされる理由

これまでのAIツールでも、メールやファイルなどの会社データを読み込ませることはできました。しかし、それはあくまで「データを読む」だけで、そのデータがどんな意味を持っているか、誰と誰が関連されているかといった「背景」までは理解していませんでした。

その結果、AIごとに知っている情報がバラバラになりやすいでした。
例えば、

  •  ある業務向けAIは営業部門の事情に詳しい
  •  しかし別のAIは、社内チャットで共有された重要なやり取りをまったく知らない

というように、AIがそれぞれ“別々に”動き、お互いの情報が共有できませんでした。情報が共有されない状態では、会社全体としてAIを活用しきれません。

Microsoft IQはこの課題を改善するため登場しました。
会社の色んな所に散らばっている情報をただ単に表示することだけではなく、「どのAIでも共通して使用出来る整理された“会社の知識”」としてまとめる役割を持っています。

一度この“会社の知識の基盤”を作っておくことで後から新しく構築するAIエージェントは最初から会社の文脈を理解した状態で動き出せます。

参考:Foundry IQ とは – Microsoft Foundry | Microsoft Learn

※Microsoft IQを使用するためには別途のライセンスが必要です。

Microsoft IQを構成する4つのIQ

「AIが便利なのはわかるけれど、実際に自分の会社の業務でどう役立つかイメージが湧かない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Microsoft IQは役割が違う4つの部品(Work IQ・Fabric IQ・Foundry IQ・Web IQ)で構成されています。それぞれが会社の“別の側面”を理解し、AIツールがより正確に働けるように支えます。

Work IQ:会社の「働き方」を理解するヘルパー

Microsoft Work IQ説明
Mirosoft Work IQ API説明

Work IQは社内で「業務がどのように進んでいるか」を理解するための部品です。

  • メール
  • 会議
  • チャット
  • ファイル
  • 誰と誰が協力しているか

こうした日々のやり取りから、会社の働き方や業務の流れを把握します。

単に情報を収集するだけではなく、社員の作業パターンを記憶して「次に必要になりそうな作業を判断をする」ための材料を提供します

※Work IQ APIは2026年6月16日から使用できるようになりました。
利用量に応じた課金方式であり、利用にはMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。

Fabric IQ:会社のデータの“意味”を知るヘルパー

Microsoft Fabric IQ説明

Fabric IQは会社のデータが“何を意味するか”を理解する部品です。
たとえば、

  • 「顧客」
  • 「商品」
  • 「売上」

といった言葉が、社内では具体的に何を指し、どう関連しているのかを整理してAIに伝えます。
これを通してAIは数値を単なる数字で見ることではなく、「これは○○を示す数字」だと正しく理解できるようになります。
Fabric IQはPower BI日常から整理しているデータの定義をそのまま活用できる点が特徴です。

Foundry IQ:散らばっている知識を一ヶ所にまとめて探すヘルパー

Microsoft Foundry IQ説明

Foundry IQは社内のあっちこっちに散らばっている資料を一つの窓口から検索できるようにする部品です。

  • SharePoint の資料
  • 社内アプリのデータ
  • Web 上の情報

本来なら個別に探す必要がある情報を、AI が必要なときにまとめて探し出してくれます。

Foundry IQにはもう一つの重要な役割があります。
社内資料だけではなく他のIQ(Work IQ・Fabric IQ・Web IQ)を一つにまとめます。つまり、AIが会社の働き方(Web IQ)、データの意味(Fabric IQ)、最新ネット情報(Web IQ)をFoundry IQという一つの窓口を通じて一括取得ができます。
そのため、Foundry IQは会社の司書のような働きをします。どの本棚になにがあるか、どの資料室に連絡すればよいかを把握しているため、一つ一つ探さなくても必要な資料を取得してくれます。

WEB IQ:最新のネット情報を“引用付き”で取得するヘルパー

Microsoft Web IQ説明

Web IQはインターネットの最新情報をAI信頼できる形で取得する部品です。

Microsoftの検索エンジンのBingの仕組みを基にしており、情報だけではなく、引用先もセットで表示します。引用先があるため、AIのハルシネーション(誤情報生成)を減らし、「どこから得た情報なのか」を確認しながら安心して利用できます。

4つのIQの違いを比較

Microsoft IQ プロセス 説明

※WEB IQは現在、一部対象の顧客のみ利用できます。

部品名すること何を基にするか
Work IQ会社の働き方を知るメール・会議・チャット・ファイルなど
Fabric IQ会社のデータを理解するPower BIで整理したデータの定義
Foundry IQ散らばっている知識をまとめる社内文書・社内アプリ・ネットなど
Web IQ最新ネット情報を引用先と取得検索エンジンのBingの構造
Microsoft IQの内容まとめ

Microsoft IQとPower Platformを組み合わせると何ができる?

ここからはPower PlatformとMicrosoft IQを組み合わせると実際の業務がどう変わるのかを見ていきます。

※ここで紹介する機能にはプレビュー版や、別途ライセンスが必要なものがあります。
詳細は各項目に記載しています。

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Power Apps : アプリが「会社全体の情報」を理解して答える

Power Appsはローコードで業務用アプリが作成できるツールです。
ここにMicrosoft IQを組み合わせるとアプリ内のAIが画面に表示されている情報だけではなく、会社全体の情報をふまえて回答できるようになります。

  • Microsoft IQを使用する前

営業担当者が顧客管理アプリを開くと、顧客の基本情報や過去の取引履歴は見れます。
しかし、

  • 最近社内チャットでこの顧客の話題が出ていたか
  • 会議で議論された内容があるか

といった“周辺情報”までは分かりません。
担当者は、メールやチャットを別途検索する必要があります。

  • Microsoft IQを使用した後

同じアプリ内からAIに「この顧客について最近の動きを教えて」と聞くと

  • 画面の情報
  • 社内メール
  • 会議の議事録
  • チャットのやり取り

などをまとめて回答してくれます。

情報を探す手間が減り、その場で状況の把握ができます。

Copilot Studio : 社内の資料をより正確に取得する

Copilot Studioは社内専用のAIチャットボットをノーコードで作成できるツールです。
ここでもMicrosoft IQが大きく役立ちます。

  • Microsoft IQを使用する前

社内の問い合わせに答えるAIを作り、資料を接続しても、資料が増えるほど検索精度が落ちて、回答がずれることがあります。

  • Microsoft IQを使用した後

Copilot Studioには「Work IQをON」する設定ができます。
これを有効にするとAIが接続された資料をより正確に、より広く検索できるようになります。
会社のすべてのことを知るという意味ではなく、接続済みの資料をより賢く探すための機能です。

更に、会社のデータソースと組み合わせばAIが業務データを基に回答をしたりスケジュールに併せて作業を実行したりすることが可能です。

※「Work IQをON」をするためには同じテナントにMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。
また、この機能の一部の機能はプレビュー段階です。

Power Automate:回答だけではなく、実際に動く

Power Automateは定型作業を自動的にするツールです。
Microsoft IQと組み合わせることでAIが理解した内容をそのまま次の作業につなげることができます。

例えば、AIが問い合わせ内容を理解した後に

  • 担当部署へメール送信
  • データの保存
  • 上司への承認依頼

などを自動で実行できます。

ただし、全てを自動化すると不安もあります。そのため、重要な作業は人が確認してから実行する設定が可能です。

  • 影響が大きい作業 → 人が承認
  • 影響が小さい作業 → 自動実行

といった使い分けができます。

Power BI:レポートが「終着点」ではなく「出発点」になれる

Power BIは社内のデータをグラフや表で可視化するツールです。
従来はレポートをみて「次に何をするか」を人が考える必要があり、レポートは作業の終着点になりがちでした。

Microsoft IQ(Fabric IQ)を活用するとこのレポートが「出発点」になれます。
例えば、レポートを見てAIに「先週と大きく変わったことを探してまとめて、担当者へメールして」と頼むと

  • データの確認
  • 要点の要約
  • メール送信

までを一つの会話の中で完結できます。

※この機能は通常のPower BI画面の機能ではなく、Microsoft 365 Copilot Coworkだという別途の環境利用します。現在はプレビューの段階で、利用にはMicrosoft 365 Copilot Premium ライセンスが必要です。また、現時点では「どのレポートから取得した数値か」が表示されないため重要な数値は元データの確を推奨します。

AI Builderとの違い

AI Builderは領収書や納品書などの書類を読み込んで必要な情報を抽出ことが得意です。
一方、Microsoft IQは「社内全体の情報を理解し、AI の判断を支える」役割を持ちます。

  • 書類の読み取り → AI Builder
  • 社内の文脈理解 → Microsoft IQ

というイメージです。

Microsoft IQを導入するメリット

Microsoft IQを活用することで、AIが企業内の人・データ・業務・ナレッジを踏まえて回答や業務支援を行いやすくなります。ここでは、Microsoft IQを導入することで期待できる主なメリットを紹介します。

AIが会社の情報を理解した状態で利用できる

従来は、AIを作るたびに「この会社ではこういう言葉を使う」「この部署はこう動く」といった情報を毎回教える必要がありました。 Microsoft IQ を使うと、この“会社の基礎知識”を共通化できるため、AIごとにゼロから教え直す手間がなくなります。

社内情報を統合し、AIの回答精度を高められる

メール、チャット、資料、データベースなど、社内の情報は多くの場合バラバラに存在しています。
Microsoft IQ はこれらを AIが理解しやすい形に整理して統合 するため、回答の正確性が向上します。

既存の権限設定を踏まえて情報を活用できる

Microsoft IQ は「閲覧権限のある人だけが情報を見られる」仕組みを前提として設計されています。 そのため、権限管理の観点でも安心して利用しやすい のが特徴です。

Microsoft IQ導入時の注意点

Microsoft IQは業務AIの活用を広げる仕組みですが、導入前に確認しておきたい点もあります。機能の提供状況や費用、必要なライセンス、運用体制などを踏まえたうえで、自社でどのように活用するかを検討することが重要です。

プレビュー段階の機能がある

Microsoft IQは比較的新しい技術で、多くの機能がまだ正式版ではなくプレビュー段階です。「正式リリースされた」と言われることもありますが、実際には一部機能のみが正式提供で、そのほかは順次公開中という状況です。
業務で本格的に使う前に、

  • 使いたい機能が正式版か
  • 自社の運用に耐えられるか を必ず確認する必要があります。

利用方法によって費用が発生する

Work IQやWeb IQなどは利用量に応じてクレジットが消費される課金方式です。本格導入前にどの程度の費用がかかるか試算することが重要です。

ライセンスや事前準備が必要

多くの機能がMicrosoft 365 Copilot ライセンスが必要です。
また、社内システム管理者による権限設定や検索設定、データ接続の準備などが必要です。
「ONにするとすぐ使える」という者ではありません。

AIの回答をそのまま鵜呑みにしない

Microsoft IQ によって回答精度は向上しますが、AIの回答が常に正しいとは限りません。 特に Power BI × Fabric IQ のように、引用元が表示されないケースもあるため、重要な数値や内容は元データを確認する習慣が必要 です。

まとめ

Microsoft IQは「AIを賢くする」ための仕組みではなく「AIをあなたの会社に合わせて賢くする」ための基盤です。
日常的に使うPower Platformと組み合わせることで、コードが書けないでも社内の情報を理解したアプリやAI、自動化フローを活用できるようになります。

ただし、この記事で紹介した通り、Microsoft IQ には注意点もあります。

  • 多くの機能がまだプレビュー段階である
  • 利用にはライセンスや追加費用が必要な場合がある
  • 導入前に権限設定や検索設定などの事前準備が必要
  • AIの回答は必ずしも100%正しいとは限らない

そのため、 「今すぐ何でもできるツール」ではなく、 “条件が整えばこう活用できる”未来の方向性を示す技術 として捉えるのが適切です。
本格的に導入する前には、

  • 機能が正式版かどうか
  • 費用がどれくらいかかるか
  • 権限設定や運用ルールが整っているか を必ず確認することをおすすめします。

\ DX・AI人材を700万名から選抜して提案

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