働き方改革や業務効率化が重要視されることに伴い、注目が集まるRPAツール。日々のルーティン業務を自動化し、人間を創造的な業務に導く点は魅力的ですが、料金面ではまだ敷居が低いとは言い難く、効果を実感する前に高額投資を求められる点は賭けに近しいものがあります。
そんなコスト面での悩みを解消し、自動化へ背中を押してくれる存在として、無料のRPAツールが挙げられます。今回は、無料RPAツールの中でも「簡単」「フリーミアム」「マルチデバイス対応」という強みを持つ「クラウドBOT」の開発者様をお招きし、クラウドBOTの特性や高品質低価格の訳についてお伺いします。
目次
企業紹介:株式会社C-RISE様
社名 |
株式会社C-RISE |
代表者 |
代表取締役 村井 将則 |
本社所在地 |
〒933-0874 富山県高岡市京田19番地 田中ビル2 101号室 |
公式サイト |
インタビュイー紹介
株式会社C-RISE
代表取締役
村井将則様
株式会社C-RISE
クラウドBOT プロジェクトリーダー
三林豊様
きっかけはお客様の声。ユーザー自身で完結する自動化を目指して
クラウドBOT開発経緯
ーークラウドBOTを開発された経緯について教えてください。
村井様:原点となったのはお客様の声です。
2018年頃、弊社は受託開発を行っていたのですが、その中でお客様から「いつも使っている自社のWebシステムの自動化をしたい」というご要望を頂きました。
当時、自動化の手段として既にオンプレミス型のRPAを使用されていましたが、お客様が普段使用しているWebシステムは、どの拠点からでもブラウザだけで使用できるシステムであるにも関わらず、RPAで自動操作したいパソコン全てにライセンスを購入し、セットアップや操作指導をしなければいけないという問題が生まれてしまったようです。
このままでは複数拠点にRPAを展開するのは難しいということで、ご相談を頂きました。この際に、弊社は自動操作ロボット自体をサーバ側に設置する方式をご提案し、ロボットを操作シナリオごとに個別開発してご提供いたしました。これにより、お客様はクラウド上で部分的に自動化の恩恵を受けながら、以前のようにブラウザだけで業務を遂行できるようになりました。このサービスが大変ご好評をいただき、その後も様々な操作シナリオを自動化したいという声を頂くようになりました。
ーー当初はロボットの受託開発がメインだったのですね。
村井様:しかしながらいくつかの課題が残りました。「ヒアリングから設計・開発・テストまでに多くの時間を要してしまう点」、「別会社が開発したWebシステムを自動化する為、仕様変更に直ぐ対応できない点」、「ロボットの数が増えるにつれてメンテナンス作業に労力を要する点」。全て第三者である弊社を介しているからこそ生じる課題でした。
工数や時間を削減し生産性を上げるには受託開発ではなくお客様が行っている操作を我々を介さずとも簡単に自動化できるサービスが必要だと思い、ここからクラウドBOTの着想を得ました。
クラウドBOTの特徴
ーー「お客様自身で完結する自動化を」という想いから生まれたクラウドBOTですが、どういった特徴を持ったツールなのでしょうか。
三林様:1番の特徴であり、メインテーマとなっているのは「自動記録」です。RPAというと、フローを作成する仕様のツールが一般的ですが、クラウドBOTの場合、ブラウザ上でいつも通りの操作をするだけで自動記録されるのでプログラミングなどの前提知識なしで業務の自動化を行うことが出来ます。他のRPAで自動記録を行う場合、大抵専用ソフトやプラグインをインストールする必要がありますが、クラウドBOTでは必要ありません。
もちろんお客様によってはノーコードでできる範囲では物足りないという方もいらっしゃるので、そういった場合はプログラミングのコードを注入して頂くことも可能です。製品としては完全ノーコードなので、自己学習が十分可能なツールではありますが、複雑な操作をされたいお客様に対しては追加費用なしでドキュメントやチャット、オンラインMTGなどあらゆる手段の操作支援を行っています。
安価で提供できる理由。高品質低価格を実現する「サーバーレス方式」
価格設定
ーー完全ノーコードの製品でありながらローコードへのカスタマイズも可能ということで、ユーザー範囲の広い製品になっているのですね。無料版であるにも関わらず「サポート体制」が充実しているのが魅力的です。
村井様:企業にとってのRPA導入のハードルを下げたいのです。その点ではRPAツールの難易度を下げるだけでは「手軽なRPAツール」であると言えません。期間限定ではなく継続的に使用できる無料プランを提供しているのもクラウドBOTの特徴です。
導入コストが大きいと、それを回収できる成果を考えるがために、企業は小規模業務の自動化に踏み切れません。無償提供するにしても期限がついていると導入担当者のプレッシャーを拭いきれない。
こういった実情を踏まえて、身の回りの小規模業務から気軽に自動化を進めてもらうために、無期限の無料プランを提供し、サポートも無償で行っています。決裁を通す必要が無く、インストールも必要ないのでまずは手元の作業で試してみて、利用頻度が高くなってきたり自動化の基盤が固まってきたらその都度プランをアップグレードしてもらえればいいと思っています。
サーバーレス方式の廉価性と信頼性
ーー誕生経緯だけでなく料金設定もお客様に寄り添っているのですね。
村井様:そうですね。有料版も月額3,000円からなので利用しやすいと思います。現状DXに予算を回しづらい企業様にも気軽に利用していただきたいですね。
三林様:この価格設定は主にサーバーレス方式によって成り立っています。
従来のように、ロボットを実行するサーバーを常設する場合、サーバーは常に稼働し続けるので、ロボットの実行時間に関わらず高額な維持コストが発生していました。
クラウドBOTでは、サーバーを常設するのではなくロボット実行時に必要な規模のサーバーを秒単位で用意することで、使用しない時間の費用を削減しています。1BOT毎に占有サーバーが割り当てられるので、効率的なだけでなくBOT同士が干渉する等のセキュリティリスクも取り除くことが出来ます。
村井様:ロボットの安定実行にも貢献しています。クラウドBOTは4つのiPaaSとの連携を強みの1つとしており、その際iPaaSから流れてくる外部からのデータに基づいてロボットを実行します。この動きというのは実に受動的なので、いつどれだけロボットの実行が行われるかが読めません。
サーバーを常設した場合、一度に多数の受信を行った場合でも1つのサーバーを共有するため、1つ1つ時間をかけて順番に処理が行われる、もしくは最大実効可能数を超えてエラーが発生してしまいます。一方でサーバーレス方式を採用するのであれば、1ロボットごとに専有サーバーリソースを割り当てることが出来るので、数百、数千のロボットの同時実行が可能になります。実際弊社のプランでは最大で同時100並列実行を提供しています。
ーー最新の技術によって手ごろな価格と高い品質を実現しているのですね。
スマホやタブレットでRPAを体験。手元のデバイスで自動化を
マルチデバイスでの使用
ーーノーコード・料金設定以外にも導入障壁を下げる工夫はありますか。
村井様:マルチデバイスでの使用が可能というのも障壁を下げるための工夫点です。クラウドBOTはWebブラウザさえあれば使用可能なので、WindowsやMacといったPC端末はもちろん、iOS(iPhoneやiPad)、android端末でも自動化を実現することが出来ます。
例えば、個人事業主の方。近年ではレジや会計管理もタブレット端末1台で済ませることができるのに、RPAのためだけにパソコンを用意してもらうのは変な話だなと。手元にある端末で身近な業務から自動化してもらいたいという思いでこだわった部分で、他のRPAツールには無い特徴です。
ーースマホやタブレット端末でRPAをというのはあまり馴染みのない話ですが、「開発はパソコンで行って実行はタブレットやスマホで出来る」というイメージでしょうか。
三林様:もちろんそれも可能ですしその逆も出来ます。先ほど紹介したクラウドBOTの最大の持ち味である「自動記録」の段階からスマホで対応可能ですよ。パソコンで出来る全ての操作がスマホでも実行可能で、劣っている点や機能的な差異はございません。
国際規格を取得した万全のセキュリティ
ーーここまでのお話の中で一貫して「手軽さ」というテーマを感じたのですが、社内業務で活用するためには操作性や料金同様にセキュリティも重要なポイントになってきますよね。
村井様:おっしゃる通りです。実際にクラウドBOTのようなWebブラウザを自動化するサービスはログインIDやパスワードなどの個人情報に紐づくデータを多く取り扱っています。
しかしクラウドBOTの場合、通信や保存データは全て暗号化されるので社内業務であっても安心してお使いいただけます。弊社は情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格『ISO27001』とISMSクラウドセキュリティの国際規格『ISO27017』を取得しております。クラウドBOT自体はもちろん、サービスを運用する組織の体制としても、セキュリティの保護に務めています。
ーー「安価」かつ「手軽」であるにもかかわらず「セキュリティ面」でも信頼することが出来るツールなのですね。
今やWebは社会インフラに。クラウドBOTを切り口に全世界の自動化を促進
今後の方向性
ーー昨月、貴社のプレスリリースを拝見いたしました。2022年1月に新たにファイル操作の自動化が実現可能となったクラウドBOTですが、今後の方向性についてもお伺いしてよろしいでしょうか。
三林様:Web上にある全ての領域の自動化の手段を提供できるプラットフォームを目指していきたいです。Webブラウザというのは社会インフラの一種であり、個人でも事業でも使われているものです。そういった状況の下、クラウドBOTを通じて生活や労働におけるWeb体験を向上し、人生に時間的な余裕を創造していければと思います。
村井様:社会インフラという話がありましたが、Webブラウザに特化している点においてサービスの展開対象は日本に留まりません。現時点で日本語版と英語版の2つを提供しているのですが、実際にユーザー登録割合は海外の方が多くなっています。今後もクラウド上の自動化プラットフォームとして世界中の国と地域の自動化に貢献していきたいです。
こんな課題を抱えた方に
ーー最後になりますがクラウドBOTをどんな課題を抱えた方に届けたいですか。
村井様:RPAに興味を抱きながらも価格や難易度の壁に阻まれている人に使っていただきたいです。
クラウドBOTは「安価で」「手軽に導入出来て」「簡単に使える」ことを重視したツールなので、今までのRPAが有していた「ランニングコストが高い」「環境構築が大変」「ITスキルが足りない」といった心配は無用です。
例えば「安価で」という点について。大抵のRPAの導入準備は、「既存業務の洗い出し・選定」から始まります。これは、費用に見合った効果を出すために必要な段階ではあるものの、骨の折れる業務です。ツールを扱う前段階なので業務改善の効果も直接感じられず、既存業務が膨大であることからこの段階で挫折する人も多い。しかし、クラウドBOTの場合、無期限の無料プランがあるので費用対効果を気にする必要はありません。
身の回りの気になった業務を試しに自動化してみたい、(クラウドBOTに限らず)「RPAとはどんなものなのか」を知りたい、といった方に興味の赴くまま気軽な気持ちで使用していただければと思います。
ーーありがとうございました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した国産RPAツール「クラウドBOT」は手軽なRPAツールを提供するという一貫したテーマの下、「価格」「必要環境」「操作性」の全ての項目で導入障壁を下げる工夫を凝らしている点がとても印象的でした。
以下にクラウドBOTの特徴を整理いたします。
- 無期限の無料プラン(有料版は月額3,000円~)
- 自動記録(特許取得済)によるロボット作成で前提知識不要
- 追加費用なしのサポート体制(ドキュメント、チャット、オンラインMTG)
- マルチデバイスで自動化を実現
- 2つの国際規格を取得済みの万全のセキュリティ
RPAの認知度が高まるにつれ、万能なツールであるというイメージが独り歩きしているケースが度々見受けられます。そのイメージの裏には対象業務とツールの相性問題から担当者のITスキル問題など様々な問題が潜んでおり、導入前に想像していたほどの効果が得られないという事態に繋がりかねません。RPAの特性を最大限に活かし、自動化を成功させるためにまずは無料のRPAツールで導入前検討を行うことを推奨します。
今回紹介したクラウドBOTには無料RPAツールに多い「個人利用のみ」や「〇日間無料」などの制限が存在しません。いつものデバイスでメールアドレスを登録すれば直ぐに利用を開始できます。「百聞は一見に如かず」という言葉に倣って、どんなことが出来るのか、どんな成果が出るのか、体験してみてはいかがでしょうか。
▼クラウドBOT公式HPはこちら▼
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