Peaceful Morningでは、RPA導入企業担当者をお招きして、対談形式でRPA導入・運用のノウハウを本音で伺うウェビナーを企画しています。
2021年9月に開催されたウェビナーではPower Automate導入企業である株式会社retro取締役COOの高橋さんをゲストにお迎えし、人材採用の課題がRPA導入のきっかけになった経緯や、Power Automateを選定された理由、導入による社内業務の変化などについてお伺いしました。
Power AutomateをはじめRPA導入を検討されている担当者様は是非本記事をお役立て下さい。
目次
企業紹介:株式会社retro
(画像は公式HPより引用:https://corporate.retro.jp/)
東京都渋谷区にオフィスを構える株式会社retroは「インターネットを通じてユーザーに無茶苦茶喜んでもらう」というミッションの下、オンラインでのブランド品・家電の買取り、委託販売を行っている従業員数20名の企業です。買取りに特化した自社メディアを運営しており、買取業界の仕組みや、リユース市場に流通する偽物ブランド品、ブランドごとの買取相場等の情報を発信しています。
社名 | 株式会社retro |
代表者 | 代表取締役 鈴木信吾 取締役 高橋覚 社外取締役 赤浦徹 |
本社所在地 | 東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル1号館6階 |
公式サイト | https://corporate.retro.jp/ |
登壇者紹介
高橋 覚さん
株式会社retro 取締役COO
商品ページを1つずつHTMLで作成していた時代よりファッションEC事業に携わる。専門はEC・CRM・運用の設計・ディレクション・マーケティング。
採用面の課題をPower Automateで解消、社内の悪循環を断ち切るきっかけに。
Power Automate導入のきっかけ
ーーPower Automateの導入を考えたきっかけを教えてください。
高橋さん:採用活動が上手くいかず人手不足に悩まされたことがきっかけです。事業の成長に伴いどんどん採用を広げていく必要があったのですが思うように新しい人材が採用できていませんでした。その為、RPAを導入しロボットの力を借りることを検討し始めました。
ーー数多くあるRPAツールの中でPower Automateを選定した理由は何でしょうか。
高橋さん:最初は他の有名なRPAツールもいくつか検討しましたが、どれも価格が懸念点でした。無料版の範囲で賄える規模でもなく、導入により成果が出るかどうか不確かな状態で高価なRPAツールに投資するのはリスクが高いと踏みとどまっていました。丁度その頃、マイクロソフトがRPAのサービスを買収し、手頃な価格でPower Automate Desktopの提供が始まったので選定いたしました。
Power Automate導入時の目標設定
ーー導入の際、どの様な目標やゴールを設定されましたか。
高橋さん:日常のルーティンワークを非エンジニアの手によってすべて自動化する事を目指しました。エンジニアではないスタッフが自分たちの手でちょっとした業務を改善出来ることがRPAの本質的な魅力であると考えていたので社内全員がRPAを扱えるようになることを目標にしました。
ーーretro様に当社のPower AutomateサポートサービスRobo Runnerをご利用いただいておりますが、どういった理由でRobo Runnerを選んでいただいたのでしょうか。
高橋さん:先ほど申し上げた通り、導入の際「現場の非エンジニアが自分達の手で改善を進めていく」という事を明確な目標としていたので、外注するよりもRobo Runnerの「伴走」というサポート体制が適していると感じ、契約を決めました。
時には「RPAを使わない選択を」適材適所の使用が安定した稼働に繋がる
これまでの取組み
ーー2020年12月にPower Automateを導入されてから行った取組みの流れを教えてください。
高橋さん:導入時にRobo Runnerのサポーターさんから「自動化したい業務フロー図の作成を行ってください」という最初の課題を頂きました。
最終目標に向けて社内にRPAを浸透させたかったので、先陣を切る形で社長を含めた4人の幹部メンバーで業務フロー図の作成に取り組むことにしました。
最初の3か月はそのメンバーで自動化したい身の回りの業務を洗い出しながら、実際にフローを作成し、躓いた箇所はアドバイスを貰う形で進行していきました。
その後、3か月ごとにPower Automate担当のスタッフを入れ替えていき、自動化できる人材を増やしていきました。
Power Automateで自動化した業務例
ーーこれまで自動化した業務についてご紹介ください。
高橋さん:販売の部分ですと、ECサイトの運営に関わる「マーケティング」「商品掲載」「在庫管理」「発送管理」「人的管理」の業務においてそれぞれ部分的に自動化を進めました。
具体的にはスタッフの勤務希望日をチャットを通じて確認し、シフト表を自動で作成したり(人的管理)、Webサイトに買取りの値段票や実績を掲載したり(マーケティング)しています。
大きな規模で自動化を進めることが出来たのは「商品掲載」の業務ですね。
株式会社retroでは登録したデータと撮影した写真を複数のECサイトに出品しているのですが、ECサイトにはそれぞれの特徴があり、それに応じた対応が個別で必要になる為、業務が属人化してしまっていました。
そこにPower Automateで各ECサイトで微妙に異なる部分をフロー化し、確認箇所をポップアップで表示するなどの仕組みを盛り込みました。ただ自動化だけに使用するのではなくフローをマニュアルのように活用することで、属人化を脱却することが出来ました。
Robo Runnerを使ってみて
ーー株式会社retroさんには2020年12月よりRobo Runnerをご契約いただき、Webミーティングやチャットサービスなどでサポートさせて頂いております。サービスを使ってみていかがでしたか。
高橋さん:前半で申し上げましたが、目的が「現場の非エンジニアが自分達の手で改善を進めていく」事だったので、経験豊富なエンジニアの方が伴走という形で熱心にサポートしてくれる点が目的に合っていて良かったです。
また個人的には定期的に行うWebミーティングが良い強制力として作用してくれる点に魅力を感じました。新しい取組みを始めたとしても会社として続かないことはよくあるのですが、週に1回のWebミーティングの度にサポーターの方に進捗を報告し新たな課題を頂くことで、それが良い強制力として働き、業務効率化の継続に繋がりました。
Power Automate安定稼働のコツ
ーーPower Automateを安定して稼働させるためのコツはありますでしょうか。
高橋さん:Power Automateを使わない選択をすることだと思います。
これは経験に基づいており、最初は何でもかんでもPower Automateで処理しようとしていたのですが、結果としてExcelで出来ることはExcelに、マクロでできることはマクロに分担させていくことが安定した稼働に繋がりました。Power Automateの適用範囲を少し狭め、適材適所で入れ込んでいくことが大切だと感じています。
どれだけDXが進んでも。株式会社retroにとっての「自動化する業務・しない業務」
DXについて
ーーPower Automateを起点としたDXについてどうお考えでしょうか。
高橋さん:非エンジニアの現場担当者がエンジニアに頼むほどでもない些細な業務を自動化して、かつその業務がPower Automateの力を借りることで脱属人化できるというのはとても効率的だと考えています。
例えば社内には「来客用の水を発注する」という些細ではあるものの必要な業務が存在します。備品発注の規模にもよりますが担当者は大体1~2人に抑えられているため、些細な業務でありながらも社内で対応できる人が少数に限定されている状態です。
こうした業務をどんどん自動化していって、誰でもできる仕事を増やしていく、更に自動化できない業務は思い切って切り捨ててしまうなどの判断をしていくと、DXが推進していくと思います。
今後の展望
ーー今後の展望についてお聞かせください。
高橋さん:まだ手の付けていない部分の自動化を着実に進めていきたいと考えています。
具体的に申し上げますと、「注文処理」や「出荷業務」の部分です。
倉庫があるので、決められた時間になれば集計をして、出荷データをクラウドにあげて、出荷指示をして、、、といった一連の業務を自動で行えるようにできればと思っています。
他にも商品登録の抜け漏れを確認する業務であったり、自動化していきたい業務は今思いつくだけでも沢山あります。出来るだけ全自動でEC業務がまわっていく仕組みをとれればと思います。
一方でどれだけ自動化が進んでも人間の方が適している業務は存在します。
株式会社retroの場合、お客様から私物を買い取らせていただくことで事業が成り立っているので、買取りの際のお客様との関係構築はロボットでなく人間がするべきだと考えています。
それ以外のオペレーションの部分の全自動化を進めていくことで、スタッフがお客様との関係構築により注力していけると良いですね。
ーーー本日は貴重なお話をありがとうございました!
いかがでしたでしょうか。
株式会社retroの高橋さんは非エンジニアの現場社員が些細な業務の改善活動に自ら取り組める社内環境を目指し、ロボットの開発や社内のIT人材育成に注力されてきました。
Power Automateを万能ツールとしてではなく適材適所で活用し、更にはどれだけ自動化が進んでも人間が行うべき業務を定めながらDXを推進されている姿勢には学ぶべき点が多くありました。
RPAHACKでは今後もRPA導入の現場で活躍される方をご紹介していきます。どうぞご期待ください。
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