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業務効率化に対する補助金はある?種類や要件、申請手順を解説 

業務効率化に対する補助金はある?種類や要件、申請手順を解説 

少子高齢化が進行しさまざまな業界で人手不足が叫ばれる昨今では、業務の効率化や生産性向上につながるツールを活用する企業が増えています。しかしツールの利用にあたっては、開発費用や購入費用、運用・メンテナンス費用などが掛かることから、十分な予算がとれない企業ほど断念することも多いようです。

人員不足の解消や生産性向上を目的にツールを活用したいときは、自社でも利用できる補助金について調べてみることをおすすめします。本記事では、業務効率化に対する補助金の概要と申請の流れ、業界別の補助金の活用例について解説します。利用できる補助金があれば申請手続きを進め、業務効率化や生産性向上を実現させましょう。

関連記事:業務効率化に成功した10社の企業事例|メリットや成功させるコツとは

業務効率化に使える補助金

ここからは、業務効率化に使える補助金制度について解説します。具体的には以下の5つです。

  • 業務改善助成金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 働き方改革推進支援助成金

なお、現在紹介している補助金制度は、掲載時点での情報に基づいております。申請受付がすでに終了している場合や来年度以降の実施が未定の制度も含まれていますが、業務効率化に向けた施策を検討する際の参考情報としてご活用いただければ幸いです。

業務改善助成金

業務改善助成金は、生産性向上に有効な設備投資などを行うことと併せて、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、設備投資などに生じた費用の一部が助成される助成金です。事業場内最低賃金は事業場で最も低い時間給を指し、地域別最低賃金と同じように最低賃金法および最低賃金法施行規則に基づいて計算されます。

申請の流れ

業務改善助成金を申請するには、事業場内最低賃金の引き上げ計画と設備投資などの計画書を作成する必要があります。業務改善助成金の交付が決定後、提出した計画に沿って事業が進められていることを報告することで助成金が支給されます。

対象となる事業者と対象経費は下図の通りです。

*助成対象経費

また、助成上限額・助成率は下図の通りです。

*助成上限額

*助成率

令和7年の申請期間・賃金引き上げ期間・事業完了期限は下図の通りです。

記事公開時期によっては第1期の申請期間が終了している場合があります。とはいえ第2期は6月14日から申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日までとなっているため、タイミングと条件が合う企業は申請してみるとよいでしょう。

また、第3期以降の募集を行う場合には厚生労働省ホームページにて公表されるようなので、第2期終了後に条件を満たした企業も諦めず第3期が開催されていないか細かくチェックすることをおすすめします。

出典:業務改善助成金|厚生労働省

出典:令和7年度業務改善助成金のご案内

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、企業の販路開拓や生産性向上を図る下図に該当する小規模事業者に対し補助金で支援する制度です。

*小規模事業者の定義

補助金の上限額は下図のように申請枠によって異なります。

なお、記事公開時点では第17回公募申請受付締切を過ぎている可能性が高いです。再度受付が開始される場合もあるため、気になる方は小規模事業者持続化補助金事務局公式ホームページをご確認ください。

参考・出典:全国商工会連合会|小規模事業者持続化補助金

参考・出典:小規模事業者持続化補助金事務局|小規模事業者持続化補助金【一般型・通常枠】 申請について

申請の流れ

小規模事業者持続化補助金の申請については、公募要領を満たしているかを確認後、補助金を受けたい枠に必要な書類を用意・申請します。必要な書類は、個人事業主の申請、賃金引き上げ枠への申請、インボイス特例を利用するケースなどによって異なるほか、商工会議所・商工会が発行する書類も用意しなければなりません。

発行にあたっては1~2週間ほど掛かるケースもあることから、申請を検討する際はスケジュールに余裕を持たせることをおすすめします。

参考:小規模事業者持続化補助金 |東京商工会議所

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などがITツールを導入する場合に利用できる補助金です。該当する類型によって上限が変わるものの、条件を満たせば最大450万円の補助金を受け取ることができます。

具体的な類型は以下の通りです。

  1. 通常枠
  2. インボイス枠(インボイス対応類型)
  3. インボイス枠(電子取引類型)
  4. セキュリティ対策推進枠
  5. 複数社連携IT導入枠

また、上記5つの類型の補助率・補助額は下表の通りです。

類型補助対象補助率補助額
通常枠ー1/2以内1プロセス以上:5万円以上150万円未満4プロセス以上:150万円以上450万円以下
2/3以内
インボイス枠(インボイス対応類型)3/4以内、4/5以内50万円以下
2/3以内50万円超〜350万円以下
インボイス枠(インボイス対応類型)PC・ハードウェアなどPC・タブレットなど1/2以内10万円以下
レジ・券売機など20万円以下
インボイス枠(電子取引類型)中小企業小規模事業者など:2/3 以内(下限なし)~350万円以下
その他の事業者など:1/2 以内
セキュリティ対策推進枠小規模事業者:2/3以内5万円~150万円
中小企業:1/2以内
複数社連携IT導入枠基盤導入経費ソフトウェア3/4以内4/5以内50万円以下 × グループ構成員数
2/3以内50万円超~350万円以下 × グループ構成員数
ハードウェアPC・タブレットなど1/2以内10万円 ×グループ構成員数
レジ・券売機など20万円 × グループ構成員数
消費動向など分析経費2/3以内50万円以下 × グループ構成員数
その他経費200万円以下

なお、各類型にはいくつかの特記事項があります。詳細を知りたい方は、IT導入補助金2025公式ホームページをご確認ください。

参考:申請の対象となる方 | IT導入補助金2025

申請の流れ

IT導入補助金の申請の流れは以下の通りです。

  1. 本事業に対する理解を深める
  2. GビズIDを取得する・SECURITY ACTION 宣言の実施
  3. IT事業者の選定及びITツールの選定
  4. 交付申請
  5. 交付決定

また、交付が決定された後の流れは以下の通りです。

  1. ITツールの発注・契約・支払を済ませる
  2. 事業実績を報告する
  3. 補助金額を確認し承認を受ける
  4. 事業実施効果を報告する

なお、複数社連携IT導入枠については、申請フローや交付決定後の手続きが異なります。詳細については、IT導入補助金2025公式ホームページよりご確認の上、交付申請してください。

参考:新規申請・手続きフロー詳細 | IT導入補助金2025

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者などが生産性向上を目的とした製品・サービスの改善を実施したり、生産プロセスの改善を視野に設備投資を行う場合に受け取れる補助金です。上限は原則1,000万円までと決められていますが、グローバル展開型は3,000万円までと対象によって変動があります。

同補助金の対象となるためには審査に通過し、採択される必要があります。なお、具体的に誰が審査するのかについてや審査項目は非公開となっています。

参考:ものづくり補助金事務局|ものづくり・商業・サービス補助金

申請の流れ

ものづくり補助金の申請の流れは以下の通りです。

  1. 補助金申請に必要となるGビズIDプライムアカウントを作成する
  2. 事業計画書や賃金引き上げ計画の表明書、決算書など、必要書類を作成・提出する
  3. 採択通知が届く
  4. 交付申請を実施し、交付決定
  5. 補助事業を行う
  6. 確定検査が実施され、交付額が決定する
  7. 補助金を請求後、支給される

なお、上記手続きは電子化されています。

参考:ものづくり補助金事務局|ものづくり・商業・サービス補助金

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、生産性向上により労働時間の短縮につなげるほか、年次有給休暇の取得を促進する取り組みを行う中小企業事業者を支援する制度です。

*対象となる事業者

*支給対象となる取り組み

  1. 労務管理担当者に対する研修の実施
  2. 従業員に対する研修・周知・啓発
  3. 社会保険労務士や中小企業診断士などの外部専門家によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定などの作成・変更の実施
  5. 人材確保に向けた取り組みの実施
  6. 労務管理費用ソフトウェアの導入・更新の実施
  7. 労務管理用機器の導入・更新の実施
  8. デジタル式運行記録計の導入・更新の実施
  9. 労働能率の増進につながる設備・機器などの導入・更新

また、対象者になるためには労働者災害補償保険の適用を受けている必要があることに加え、以下条件を満たしていなければなりません。

・年次有給休暇を年5日取得できるよう就業規則などを整備している

・厚生労働省が提示する3つの成果目標を交付申請時点で満たしている

成果目標の詳細は下図の通りです。

実施期間は交付決定日から当該交付決定日の属する年度の1月30日(金)までとなっており、期間内に取り組みを実施する必要があります。また支給額については、取り組み実施に要した経費の一部を成果目標の達成状況に応じて決められます。金額の詳細については厚生労働省公式ホームページをご確認ください。

参考・出典:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) |厚生労働省

申請の流れ

働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」を申請する場合の流れは以下の通りです。

  1. 交付申請書を最寄りの労働局雇用環境・均等部(室)に11月28日(金)までに提出する
  2. 交付決定後、提出した計画に従い取り組みを令和8年1月30日(金)までに実施する
  3. 労働局に支給申請を行う

なお申請期限は事業実施予定期間が終了した日から計算して30日後または令和8年2月6日(金)のいずれか早い日です。

詳細については厚生労働省公式ホームページをご確認ください。

参考:令和7年度「働き方改革推進支援助成金」

【業種別】業務効率化補助金の活用例

国や自治体が実施する補助金の活用によって、さまざまな業界・企業で業務効率化に成功しています。ここでは7業種の補助金活用による成功事例について解説します。

飲食業

飲食業では、スタッフ不足の深刻化を受けて、配膳ロボットを導入し、業務の効率化、生産性の向上につなげています。例えば大手ファミリーレストランを経営する企業が2022年に約3,000代の猫型配膳ロボットを約2,100店舗に導入し、業務効率化を実現しています。

繁忙期の配膳効率向上を目的とした施策で、配膳効率は25%向上しています。

参考:東洋経済オンライン|「通してほしいニャー」「充電してニャー」すかいらーくのネコ型配膳ロボット”BellaBot”導入でわかった驚きの高パフォーマンス | ロボット

卸売業

石川県の老戸貨物運送業では、新型トレーラーの導入による運搬業務の効率化を実現しています。慢性的な人手不足により、従業員への不安が増え、受注量を制限する状況が続くといった課題を抱えていました。

そこで、補助金を使用し、従来のトレーラーよりも大量の荷物を積むことができるトレーラーに買い替えたところ、従業員の負担軽減につながったほか、2~3人で行っていた運搬業務も1人で対応できるようになりました。

参考:厚生労働省|生産性向上のヒント集

介護業

介護業では、車椅子搭載車両の増車によって介護職員の送迎時の同乗回数を減らした事例もあります。職員の在館時間が長くなったことで施設利用者1人ひとりに目が届きやすくなったほか、転倒リスクなどへの備えも強化し、手厚い介護サービスの提供が実現しました。

参考:厚生労働省|生産性向上のヒント集

小売業

小売業では、軽減税率に対応するため、消費税8%と10%の商品・サービス一覧をそれぞれ手書きで書き留めレジ業務を行っていたところ、人的ミスの発生に加えて売上集計時の誤差が発生するなどの課題がありました。

業務効率化を検討するなか、助成金を活用して旧レジをPOSレジに入れ替えると同時に自動釣り銭機の導入を実施しました。DX化によってレジ業務の時間が30%、日次の売上集計の時間が50%まで短縮できたほか、ホール担当などへの配置転換も実現しました。

従来からの課題であった売上集計時の誤差もなくなり、補助金の利用によって課題解決につながりました。

参考:愛媛県商工会連合会|生産性向上のヒント集

サービス業

ある企業では、ITツールのひとつであるRPAソフトを導入し、事務作業の自動化を実現し、残業時間を大幅削減しました。給与計算や勤怠管理などの日常的に行わなければならない定型業務をRPAソフトの活用によって自動化し、顧客への提案業務に注力できるようになりました。

参考:ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社| ITツールで生産性向上事例

製造業

ある弁当製造企業では、栄養士や調理師などの専門職および補助職が主体となっており、業務上の課題を見つけ、会議で課題解決を導くような人材が在籍していませんでした。そこで研修による人材育成を図るため、ロジカルシンキング研修を受講させました。

受講を通じて生産性の向上が実現し従業員の時間給を28円引き上げたほか、事業場内最低賃金を上回る従業員の賃金の引き上げも行われた事例があります。

参考:厚生労働省|生産性向上のヒント集

理容業

ある理容店ではアナログ化した会計処理・顧客管理によって時間が取られるといった課題がありました。補助金の利用によって利用業界専用の管理システムを導入し、会計処理や顧客管理をDX化したところ、予約対応に掛かっていた1日あたりの時間を10%削減、在庫管理やレジ締めの時間の半減に成功しました。

参考:愛媛県商工会連合会|生産性向上のヒント集

補助金の利用にあたっての注意点

業務の効率化、そして生産性向上を目的に補助金を利用する場合には、以下項目に注意が必要です。

  • 申請期限の確認
  • 事前準備は綿密に行う
  • 対象となる経費について目を通す
  • 報告義務は怠らない

補助金の多くは申請時に提出した業務改善計画書を実行することが前提となっています。申請後に無事対象者となった場合には、ツールや設備を導入後、指定期限までに計画書に沿って業務改善を実施し、実施報告書を提出しましょう。仮に実施報告書が提出されない場合、補助金は支給されないため注意してください。

まとめ

人手不足が深刻化する多くの業界・企業では、ツールや設備などの導入を通じて業務効率化や生産性の向上を実現させています。年々減少傾向を辿る従業員数も、自社課題の洗い出しや課題解決につながるツール・設備の導入によってリカバリーできる以上に企業競争力強化も可能であることを理解できたのではないでしょうか。

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