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SBモバイルサービスの中小企業向け最新ソリューションとは?

こんにちはKAZUNOです。

日本国内において2016年のRPA元年から約3年間が経過しました。最近では日本国内においてもRPAというキーワードを耳にしたことがないという人は少なくなってきたのではないでしょうか?しかし今現在までは『このRPAの恩恵を受けているのは一部の大企業のみではないか?』という声を耳にします。

中でもSMB(Small to Medium Business)と呼ばれる中小企業の多くでは外部のコミュニティ内での盛り上がりを見せる一方で、導入を検討してみたけれども費用対効果が期待できず、導入に至らなかったというケースも多いように思います。

日本企業のうち99.7%が中小企業と言われている中でRPA導入に至らない理由はヒト、モノ、カネなど多種多様ではあるかと思いますが、その『原因』につきましてはみなさんも少し気になるところではないでしょうか。

今回はそのような中小企業の課題について少し掘り下げて追及してみたいと思い、Win Actor®の本でお馴染みのSBモバイルサービスの清水さんと枡田さんにお話を伺ってまいりました。

 

会社概要

まず初めにSBモバイルサービス株式会社について少しご紹介いたします。         

SBモバイルサービスは、東京汐留ビルディング内に本社を構え、日本国内に北は北海道から南は熊本まで7拠点のコールセンターを持ち、2014年からソフトバンク株式会社のコンタクトセンターとして事業を開始しました。

『人とのコミュニケーションを通じて、感動をもたらすような体験価値を提供すること』を志として持ち、IT技術の積極的に活用しながら日々高い品質を保ちながら生産性を上げる取り組みを実現されています。

2018年9月よりRPA事業を開始され、自ら同社内で大きな業務改善効果をあげながらWin Actor®、UiPath、SynchRoidなどのトレーニングプログラムの提供や導入サポートを積極的に行い、ブレインゲート社と共同でのハンズオンセミナーなどにおいては、たった約1年足らずで提供企業数が既に700社を超えるといった高い信頼と実績を誇っています。

今回はそんなRPA導入のプロフェッショナル集団ともいえるSBモバイルサービスの清水さんと枡田さんに、最近の日本市場におけるRPA導入が進まない『中小企業の課題』、『効果を出すために必要な体制』、『SBモバイルサービスの最新自動化ソリューション』の3点についてお話を伺ってまいりました。

中小企業でRPA導入が進まない理由について

事業開発室 室長 清水亮 様(右)

清水:我々は本来、RPAを推進すべきなのはSMBと呼ばれる中小企業であると考えています。少ない業務リソースの中で本来業務に力を入れるために他の雑多な定型業務の効率化を進めていくことができないと、どんどん無駄な業務が増えていき人がやるべき建設的な仕事(顧客向けサービスや新規プロダクトの創出など)にリソースを避けなくなっていく一方です。だから本当は業務の効率化を図るためにRPAをやるべきなのは中小企業なんです。しかし、我々はこれまで中小企業でのRPA推進は成功できている事例は少ないと感じています。おそらく理由としてはこのような形ではないかと思います。

 1、ヒト:機能を使いこなせる人がいない。

 2、モノ:具体的な活用シーンをイメージできていない。(お客様目線に合わない)

 3、カネ:リピート(利用更新)しない。

つまり、これまでRPAを売るベンダやコンサル側がRPAを購入する利用者とのギャップを上手に埋めてこれなかったことが理由として考えられるのではないかと感じています。新しいものを取り入れてとにかくライセンスを数多く売りたかった。

しかしそれに対する導入コンサルや教育の場の提供が満足にできていなかった。そして中小企業側も一度利用を試みるも利用更新するまでには至らず、結果として合わなかったという判断を下してしまったケースも多かったのではないかと思います。

大体新しいサービスが始まるとテクノロジーファーストで『商品』が先行し、それを扱う『受託』が増え、それから利用シーン毎の『サービス』が生まれるといった流れが自然と出来上がります。恐らくこの先10年経過してもこのサイクルは変わらないでしょうし、おそらくそのままの流れではRPAはこの先も使いこなせていないでしょうね。

でも、もしそれらを踏まえて変えるとするならばいくつかポイントはあると思っています。

 1、ヒト:組織の中に必ずリーダーシップを取れる人財を配置すること。

 2、モノ:お客様目線を意識した課題と真剣に向き合っていくこと。

 3、カネ:使われ続けられるような工夫をすること。

RPAのいいところは『非エンジニアでも使い易い』ということを目指していくことにあります。また業務をわかる人がシナリオ作成をしたり、タイムリーにメンテナンスしたりと運用面も意識できた方がいいので、やはり『最低限のことは現場がやれるようにならないといけない』という考えはあると思っています。遠隔でサポートすることもできますが、細かなエラーに気付けなかったりと多少なりともサポートが難しい部分はあると思いますからね。

運用面に関してはRPA事業課 課長である枡田からもご説明させて頂きます。

社内のRPA推進や開発で費用対効果を出すには

事業開発室 RPA事業課 課長 枡田健吾 様

枡田:当社でRPA導入をする際には、お客様にはやはり必ず『ちゃんとしたRPA担当者を立てて頂く』ことをお願いしています。というのもやはり『お客様の目線を意識した課題』を見つけることは、外部の我々がいくら入っても本当の意味では適したシナリオ開発するというのは難しいということと、運用フェーズになるとお客様の現場の方々でメンテナンスしていける必要があると考えているためです。

結局、現場に運用担当者がいないと使わなくなってしまうケースも多いので、誰かがリードしていかなければなりません。組織の中で影響力があり、知識やマインド面も含めて持ち合わせている人をRPA推進リーダーとして旗振り役を立てる体制が必要となってきます。

その代わり、我々はその担当者の方々をしっかりバックアップして、一緒にちゃんと要件をヒアリングして運用設計までを見据えた計画を立てて導入するようにサポートしています。開発の規模感にもよりますが、規模が大きくなればなるほどこの計画段階での『運用設計を重要視する』ようにしています。

RPAというとアジャイル式の開発をイメージされるかとは思いますが、大規模になるとどうしても当初の目的から軸がブレたり、全体で見たときに漏れに気付けなくなるといったリスクもありますので、小さな開発ならアジャイル式でいいと思いますが、基幹システムに手を加えるなど大規模になればなるほと『段取り:8割、開発:2割』といった温度感で計画漏れを無くし、慎重性を重視したウォーターフォール式の開発手法をするといった選択肢をとっています。

それと合わせて、教育面でもコンテンツの充実化を図っています。無料でのセミナー開催やレベルに合わせたRPAエンジニアの育成講座を導入サービスと一緒に提供していくことで、お客様の現場にあったRPAエンジニア育成の支援を寄り添いながら育成しやすい環境を整えています。

SBモバイルサービスの最新自動化ソリューション

SBモバイルサービスでは、SMBと呼ばれる中小企業が抱える課題を大きく解消するためのソリューションとして、NTTアドバンステクノロジ株式会社が提供する“Win Actor® Cast on Call”という従量課金型シナリオテンプレートの特性を活かし、IoTやAI-OCRの技術と上手く連携をしながら、革新的に業務効率化を実現するサービスを提供しはじめました。

これは税理士、経理、法務などの事務処理が必要な方は驚く内容ではないかと思います。必要な全てのデータの取り込み、振り分け、会計ソフトへの登録を『ボタンひとつで自動的に処理する』といったソリューションになります。今回はその中身を具体的にお教え頂きました。(これからご紹介する全てのSTEPが自動化されるイメージとなります)

◆Win Actor®”Cast on Call”やAI-OCR等の特性を活かしたワンストップ自動化ソリューション

準備:『複合機』に事務処理に必要な請求書や領収書をスキャンしてデータ化として蓄積しておく。

Step1:IoT技術を搭載した『RPA実行ボタン』を実行。“WinActor® Cast on Call”が起動。(自動)

        

Step2:“WinActor® Cast on Call”へログイン。(自動)

                

Step3:あらかじめ用意されているRPAシナリオを選択し実行。(自動)

                                                                         

Step4:複合機のデータを取得し、指定のファイルサーバへ保存。(自動)

                

Step5:ファーストアカウンティング社の『経費精算AIシリーズ』を起動。『振分AI』を実行。(自動)

                

※『領収書』と『請求書』が振り分けられ、生データはAI-OCRによりテキスト化される。(自動)

                

Step6:『領収書AI』と『請求書AI』の実行。Excel表に一覧としてまとめられる。(自動)

                

Step7:『会計ソフト』を起動。取得データの転記。(自動)

                

以上となります。

<ポイントとして>

 1、ヒト:ボタンひとつで完結する。人は確認だけでよい。かなりの時間短縮が見込まれる。

 2、モノ:RPAやAIだけでなんとかしようとするのではなく、複合機、IoT、AIなどの特徴を活かし

      上手く掛け合わせコラボされている。視野が広く、柔軟である。

 3、カネ:“WinActor® Cast on Call”の従量課金制の特徴を最大限に活用されている。

      無駄なコストがかからない。

これほどまでに複合機、IoT、AI、RPAそれぞれの既存の各ツールやサービスの特徴を掛け合わせ、役割を分けてひとつのソリューションとして組みあがっている事例をご紹介頂いたのは、私は初めてかもしれません。実際のデモを見てみたいという方は、ハンズオンセミナーや展示会などでもご紹介される予定ですので、SBモバイルサービスのブースにお立ち寄り頂き、是非この『ボタンひとつの威力』をご自身の目でご確認ください。RPA好きのユーザーの方々もきっとシナリオ作成のやる気スイッチにまた火が灯るかもしれません。

◆参考企業URL集

SBモバイルサービス株式会社(RPA導入・保守・トレーニングのサポート)

NTTアドバンステクノロジ株式会社(Win Actor/Cast on Call)

ファーストアカウンティング株式会社(経費精算AIシリーズ)

株式会社ブレイン・ゲート(RPAハンズオンセミナー共同開催)

 

まとめ

今回、SBモバイルサービスの清水さん、枡田さんのお話を伺って感じたことは、SMBと呼ばれる中小企業の多くは『RPA導入におけるリソースが上手に確保できていない』ということが課題なのかもしれないと感じました。

しかしながら清水さんのいうように『働き方改革』が騒がれた背景となっているIT業界のストレスマネジメントをコントロールしていくためには、その十分なリソースが確保しづらい中小企業こそがこうしたツールを上手く活用しながら業務の効率化を図り、本来業務や先の未来を見据えた知識を増やす取り組みに注力できる必要があるのはいうまでもありません。

そのためこれからは、RPAを使うためのリソースを確保するという発想よりは、まずこうしたプロの作ったテンプレートとしての自動化ソリューションを導入して、RPAやAIの効果を体感して興味を持ちながら、そのソリューション導入の結果で確保できたリソースを使い、新たな学びや成長に向けていくといった流れが生まれてくるように感じました。

清水さんから面白いお話を伺いました。それは『働き方改革』という言葉を考えるより『休み方改革を考える』といったお話でした。

結局のところ『働き方改革』はそのストレスマネジメントやライフワークを充実させることについてあまり効果を出せておらず、本質としては変えることができていないため『働き方改革』という言葉がなかなか好きになれないというのです。それを『休み方改革』として考えることができるなら、ライフワークを計画的な時間として『自らの休みをどう活用したいか?』といった明確な理由を作りやすく、そのために周囲の協力や思い切った判断や決断もできるようになる必要が生じるため、自分から本質に近づける。

ただしそれをコントロールする方がより難しいだろうという内容でした。清水さんご自身も多くの社員の責任を抱える立場にありながらも、月に10時間以上の残業はしないといったスタンスを積極的に取られています。上司が手本を見せることで他の社員も休みを取りやすくしているとのことでした。

業務を整理するというのは、ひょっとしたら何か『不要な業務を見つけ、捨てる判断を下し、それを実行する』ということからが始まりで、そうすることでリソース、知識、スキルなど新しい何かを手に入れることができるようになるのかもしれません。

休みが確保できれば楽しく新しい学びを得る場にも参加しやすくなりますし、プロのスポーツ選手でレギュラーになる人は休日の過ごし方の工夫によって他の選手と競争しているといっても過言ではありません。

SBモバイルサービスの取り組みは、そういった企業の課題の本質と向き合い実際に体現しながら、新しいテクノロジーやツールを探求し、パートナー企業を積極的に巻き込みながら社員の幸せと成長を両立させているといった好事例を作っているように私は感じました。

これからはこうしたRPAや様々なツールと連携したハイブリッドなソリューション対決がとても楽しみになりそうです。

清水さん、枡田さん、この度は貴重なお話を頂き誠にありがとうございました。

 

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